10月11日(火) 最終日 曇りのち晴れ
ユーススタイルの朝ご飯を食って、さっさと出発準備をする。バイクをのろわれたガレージから出して宿の前に止める。
荷物はタンクバックと着替えを少し後ろに括り付けて、大きい荷物は宅急便で送ってもらう。明日は無理で、あさってになるとのこと。荷物が大きいからだそうだ。確かにでかいし重いからなあ。清算をお願いすると、宿泊料金はいいですという。いや、それはちょっと違うでしょ。飯も食わせてもらったし、布団も部屋も使ったからお金は払いますと断るが、とにかくお支払いはいらないと言われ、迷惑料ですと封筒を渡された。良い印象がなくて申し訳ないと繰り返し謝れる。まあ、そういうことならいただいて、バイクに乗る。見送ってもらって出発した。
いろいろしていただいても、やっぱり気分悪いよ。途中で迷惑料を確認すると中身は2万円でした。うーん、いかにも、1万円では少ないし3万円はもったいないから2万円にしました、と言うのが見え見えなんですけど。あのさー、全く誠意のない対応して、金で物事を解決したいなら、こんな中途半端な金額では、かえって逆効果ですよ。ほんと、印象悪い。
しかし、いつまでもぶーぶー言ってても仕方がないので、今日、苫小牧に行くのに富良野を経由するので、そこくらいは楽しんでいこう。
走っていくと、寒いなー。天気が曇っているせいか、服装はかなり防寒装備なんですけど。これ以上の防寒はクシタニツーリングワンピースの出番なんですけど。晴れてくると言う天気予報を信じて富良野を目指す。
どんどん走っていくと、上富良野にはいる。深山峠を越えるところで、土産物屋があったので寄ろうと思ったら、まだやっていなかった。なんと。中富良野まで来てしまった。温泉があったので、入ろうと思った。寒いしなー。でもまだやっていなかった。おお、何てことだ。深山峠に戻る。以前、富良野でラベンダーグッズを買った、店がすべてラベンダーグッズの店は、たしか深山峠にあったと思うのだが、戻るころには開店時間になっているだろう。
深山峠に戻ったが、ラベンダーの店はシャッター下りたままだ。仕方がないのでその隣りの店に入った。開店したばかりのようで、客はほとんどいない。品物は結構あるが、これと言うものがなくて困った。アイヌの木彫りがいろいろあって、良いのもあったが、値段が高すぎ。いったん外に出る。外ではおばちゃんがいもやもろこしを焼いていた。そういえば、今回北海道でもろこし食ってないよな。食おう。くださーい。
今焼いてるから待ってね。
なんと、焼いている真っ最中だった。外の葉っぱをむかずに焼くんだねえ。仕方がないのでベンチに座ってじっと待つ。おしっこがしたくなってトイレに行く。戻ってきたころには焼けていた。おお、いい匂いだ。できたよーとおばさんに言われ、300円払う。よし、食うぞ。
あちーっ、さすが焼きたて、すごく熱い。猫舌にはたまりません。
ふーふして食う。
甘いっ!
なんちゅう甘さ。本物のとうもろこしは甘くてすごいおいしいんだね。とうもろこしってこんな味だったんだ。こんなにおいしいとうもろこしを食ったのは、生まれてはじめてだ! まるでアイザックニュートンがりんごが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したときのように、とうもろこしがうまい!(わけわからん)
おばちゃんは何処からと聞くので、愛知県春日井市と答えると、弟さんが春日井に住んでいるそうで、帰りにもう1本持ってきなよと包んでくれた。
ううっ、涙が出るほどうれしいです。
御礼を言って出発する。次は温泉だ。本当なら吹上温泉とか、十勝岳温泉とか、いかにも北海道的な温泉に入るべきなんだろうけど、今回のテーマは地味な温泉なので、国道沿いにあった温泉に入る。
万華の湯という、カタカナで表記したら妙な想像を掻き立てられる温泉だ。早速入る。立派なホテルの温泉だ。高級そうなフロントに、日帰り入浴980円とあった。なにい! やめようと思ったところにフロントのおねーさんのやさしい声が「どうぞー」とかけられて出れなくなってしまった。仕方がない。あきらめて980円発券機で買って、ブーツを脱いでフロントに券を渡す。すると、袋に入ったタオルセットを貸してくれた。さすが980円だ。温泉は2階なので階段を登る。2階も広い。温泉ののれんのあるところをくぐって入ると、ゴルフクラブのようなロッカールーム、さすが980円。風呂に行くと、おお、なんという広さ。ものすごい広さ。風呂もでかい。前面ガラス張りで大雪山が一望できるぞ。しかも、完全遮蔽なしの、ぱっぱかぱーな露天風呂がある。いそいでで体を洗って温泉にどっぷりつかる。茶色っぽい温泉に湯には湯の花が浮いている。いい感じだ。気持ちいー。そうだ露天風呂だ。露天に移動しようとしたら、でかい壷があった。これも温泉だ。入ろう。うーむ、気持ちいぞ。ハッ、いかん、露天風呂だ。移動しようとしたら乳白色の温泉があった。その湯が普通の透明のお湯と混じって雲海のようになっている。雲海の湯だそうで。入った。なんか自分が浮いてるようだ。気持ちいいぞ。ハッ、いかん、いかんぞ、露天風呂にいかねば。移動する。やっと露天風呂に入った。これはえーよ。大雪山が手にとるように見える。開放的で自由で、まるでロマンロランが魅せられたる魂で描いた世界のようだ。(わけわからん)
満足した。出た。休憩してバイクに戻った。暑い。身体がぽかぽかで暑い。うーむ。さすが温泉。出発だ。
あとは御土産を買おう。まずはラベンダーの香水だ。15年前に買ってきたラベンダーの香水、今回も買うのだ。土産屋を探して「北の国から」ロケ地を目指すと、途中で、ラベンダー御土産の店があった。寂れたお店だったが、行ってみた。香水を探すが並んでいない。店の親父に聞いてみる。これならあるよ。そういって持ってきたのは紛れもなく、15年前に買ったラベンダーの香水。これだ! 親父は聞いてもいないのに説明をはじめる。最近売れなくなったのでもう作るのをやめたんだよ、昔は1万本くらい売れたが、最近千本くらいしか売れなくなってなー。製造ロットが1万本単位だからもうやめた。いまでは残っているのを、注文が来たお客さんにだけ売ってる。何だって? じゃあ、ここは製造元の直売店か、店の名前に憶えがあった。あ、そうだよ、ラベンダーグッズの製造元、ポプリーの里。なんと、こんな寂れた店だったのね。それを買った。
あとは羊羹だ。羊羹を求めてどんどん走ると、自衛隊の遅い軍団の後についた。制限速度で走る彼らに渋滞が出来る。道の駅で自衛隊軍団が休憩をとったので、ここぞとばかり抜かす。次の道の駅で止まって、羊羹を探す。面白いのがあったので買った。オッケイ、これで御土産完了だ。
後は苫小牧東港を目指す。
セブンイレブンで弁当を買う。
3時半についた。
おい、早すぎるぜ。おっかしいなー、蘭さんが道に迷ったから、きっと難しい道だと思って時間に余裕を持ってきたのだが、あっさり着いてしまった。どうしよう。まあいいか。出港時間までゆっくりしよう。