8月13日(土) 曇り時々晴れのち雨
6時に起きて、また望橋の湯に行く。明るくなって外が見える。たしかに大島にかかる橋が見えるな。だから望橋なんだ。2度も入ったので満足して部屋に戻る。7時に朝食。またバイキング。どうも昨日の夜の料理といい、今日の料理といい、ジャンクフードっぽいのばかりで、パーティーの立食メニューみたいでいやだなあ。ご飯と味噌汁、なるべく朝食風のメニューでまとめた。それでもいまいちだった。隣の家族のお父さんが、食えもしないのにたくさん持ってきて、結局残す子供をものすごい勢いで怒っていた。まあ、バイキングだからな。食ったらさっさと出発準備。またしてもはるかなる旅をして荷物を運び、途中で休憩したよ。積み込んでチェックアウト。かんかんぎらぎら思いっきりくそ暑い。皮が蒸れる。おお、そんな汗だくで荷物を積む隣で、みんなは海水浴の準備に忙しい。うーむ、うらやましい。
出発して、杭橋石にいった。そこでお茶を買って飲んだ。すぐに出発して潮の岬を目指す。途中で大島に渡った。行ったことないし。ハーレーのおっさんも行くので。凄いループ橋を渡ってとろとろ走る大阪ナンバーについていく。大阪ナンバー途中でUターンだ。何やってるんだ。スピードアップで灯台に着く。
暑すぎる。
カンカン照りで燃えるようだ。
駐車場にバイクを止め、意地になって灯台まで歩く。トルコの船が昔遭難したらしい。慰霊碑や記念館があった。記念館は入場料250円だった。こんなもんに金払ってはいる人がいるのだろうか。さらに行くと怪しげな土産屋が、ここでしかないキンカンジュース300円を売っていた。もっといくとさらに怪しげなトルコ人の経営するトルコ土産屋があった。「ミンナテズクリナノレース」「コレハトルコイシレース」と流暢な日本語で販売活動に勤しんでおられた。値札を見たらひでぶたわばだった。桁がひとつ違うんでないかい? やっとこさ灯台に着いた。気持ち良い風。帰りに猫が寝ていたので写真を取ったら「にゃあおーう」と文句を言われた。
帰り道にまた怪しげなトルコ人の店で、トルコ人は若いねーちゃん2人組みに営業をかけていた。「ドコカラキタノレスカー」「和歌山ぁ」「ワカヤマドコレスカ」ねーちゃん相手のほうがやはりうれしそうだ。
バイクに戻って出発して、本来の目的地の潮の岬に着いた。あんまり変わってないな。というか、どんどん寂れてないか? ここで本州最南端から郵便を出そうと思ったのに、郵便局の出張所がない。ふざけとる。能登録剛岬にはあったのに、ここになんでない? 見落としただけかもしれん。最南端の店で証明書を買ってはんこを押した。猫の置物買った。戻って水分補給にポカりを飲んだ。出発した。
次は一枚岩だ。42号線を白浜に走っていくと看板があったので簡単にわかった。その道を走っていくと、途中で工事通行止めの案内があった。地図を見ても良くわからんのでかまわず進んだ。渋滞気味の交通量が多い42号と違ってコーンコーンと軽快に走れる。
げ、いきなり目の前に以上にでかい岩が出現した。ぐえーこれがそうかよ!茫然自失するくらいの巨大さにまさしく茫然自失。おもわず自分の人生を振り返ってしまうくらいだった。もっとびっくりしたのは、そんな超自然的無機物体の前に、きれいな川が流れていて、そこで皆さん水遊びをしているんですよ。どういう神経してるんだ! こっちはこんなに錯乱しているのに!
さて、茫然自失で錯乱したので、自分を取り戻すために走り出す。答えは風の中にある。
すぐにガソリンスタンドがあったので給油した。そこを出て、橋を渡ってすぐに通行止めになり、迂回路があったのでそちらに曲がった。予定ではこの国道371号線がずーっと続いているはずだったのだが・・・平井まで行って道がわからなくなった。ものすごい山道に迷い込んでジャングルのようだぜ。どう考えてもやばいんでないかい?と思ったころ、前方に「この先行き止まり」の表示、そして「大塔村はこちら」何とか林道経由だそうだ。もう一度地図を確認する。げろげろー、その林道って地図に「未舗装の廃道路肩が弱い所々通行不能」ってあるんですけど。それ以前の問題として、国道371号は途中で途切れてますよ。点々でつないであるのでトンネルかと思ったのにまったく違っていました。
戻りましょう。
このタイムロスが大きかったなー。必死で山道を走って、やっとこさ42号線に戻ったのは1時を回っていた。こうなったら奇絶峡はあきらめて白浜温泉にかけるしかないぞ。いくぜ!
というものの、42号線は本当に交通量が多く渋滞気味なのでスローなブギにしてくれ状態。やっとこさ白浜にはいったのは2時だった。今回は絶対に白浜温泉をクリアするぜ。過去2回失敗しているからな。海水浴シーズンなのですごい人ごみだ。車もいっぱい走ってて、おまわりさんの車がいるし、交通整理してるし、なによりも水着のねーちゃんがいっぱいだ。
あっちこっちで揺れる揺れる。
いやー、見とれて温泉探してなかった。あはは、3往復してようやくよさそうな温泉を見つけたのでそこに行った。白浜温泉パークだ。駐車場案内のおばさんがここに止めてと入り口を示すので止めた。用意して温泉に行く。
が、
この温泉、
とんでもない温泉だった。
料金は1000円、2階の受付で支払い、そして、さらにそこからエレベーターで上へ! たどり着いたのは天空の城ラピュタの世界。
しかもそこに温泉がいくつもあるのでみんな軽装で温泉のはしごしてるよ、こんな重装備のライダーの浮いていること浮いていること。うーむ、負けるものか。早速、近くの温泉に入ると、暑い。脱衣室全然冷房が効いてません。汗でべたべたのシャツやパンツを脱いで、早速温泉に入ると気持ちよかー。そしてその隣の絶景の湯に移動する。まさしく絶景の湯、というよりもすごいところにある温泉。まさしく空中温泉、空に浮かんでいるような高さにヒノキ風呂が三つ。すごいところだ。十分に楽しんで暑いので脱衣室に戻る。エアコンの前に立って何とかならんかやったがだめだった。汗だくのままフル装備装着、腐りそう。バイクに戻ってまっちゃんにメールした。駐車場の案内の女の子が交代していて、着物をしっかり着ていた。雰囲気を出したいのはわかるが暑いだろうなあ。
さて、いよいよ和歌山にノンストップで行きましょう。時計を見ると時刻は3時だ。うーむ、ちょっとやばい。和歌山まで107キロ、3時間はかかるな。到着予定時刻は6時か!? 昨日に続いて、チェックインの時間が遅くなるなー。まあいいや、走るぜ。ところがこの42号線、本当に交通量が多いのろのろペース。渋滞になる所では、必殺すり抜けを繰り返し、少しでも時間短縮を計る。
道の両側には梅の土産屋がいっぱいある。今度あったらよってみるかと思ったが、もう会わなかった。そのかわり、有馬に入ったら有馬みかんの店がいっぱいだ。でもみかんを買って送ってもなー。やっぱり和歌山についてからにしよう、御土産は。
いよいよ42号線は和歌山に近づくにつれ渋滞が酷くなる。必死のすり抜けも時間短縮につながらない。やばいなー、へたすると7時になるぞ。それどころではない、天候があやしくなってきた。まだ5時前なのにこの暗さ。どう考えても雨雲だ。やばいやばい。そして和歌山まで後少しの所でごろごろごろーと雲の中に光が走る。そしてぱらぱらと落ちてくる雨。この瞬間、なぜか宝くじは外れたなーと思った。そして5時過ぎ、ついに本格的に雨が降ってきたのでバイク緊急停車、カッパフル装着だ。苦渋の選択である。いや、苦渋も何もないけど。フル装備して走り出す、これでいつ土砂降りになっても大丈夫だ。この時期の雨はいきなり豪雨で来るから、装備万全にしておかないとな。
おっしゃー、いつでもきやがれ!
が、しかし、走った先にはじじいの小便みたいな雨で、地面を見ると洪水なのだが。
ということは、既に豪雨が済んだ後? 何だか拍子抜けだが、まあ、雨が降っているのは間違いないのでカッパ着用は正解だ。そんなこんなでついに和歌山駅5キロの所まで来た。時刻は6時、本当に3時間かかった。和歌山駅前に着いてホテルシティイン和歌山を探す。あっさり見つかった。ださい看板が掲げられたビルは、雑居ビルみたいだな。
このホテルはずれだ。
バイクを入り口付近に停車して、ヘルメットとタンクバックを持ってフロントに行く。客が何人かいたので待つ。奥の人が空いていたので名前を行って、予約確認メールを印刷した紙を出す。なんだか新人なのか中途採用で今日フロント出たばかりなのか、ちょっと喋りが慣れていない感じだ。愛想もないし。まあいいか。バイクをどうすればいいか聞くと、駐車場に人に聞いてくださいと素っ気ない。仕方がないのでそこへ行き、バイクをどこに止めるか聞くと、自転車置き場にいっしょにされた。おいおい、まじかよ。HONDAの最強バイクが、ホームセンターで一山いくらの自転車と同じ所かよ。野外放置状態なのですごく心配だ。駐車場の人はロックを車輪にしておいた方がいいですよと言われた。わかってるよそんなこと。不愉快だ。
荷物を担いでエレベータに乗る。何だこのエレベーターは! 棺桶のように狭いぞ。これで定員4人かよ。4人乗ったら動きが取れないと思います。若いねーちゃんとならいいが、むさ苦しいおっさんだったら悲惨だ。部屋は4階だ。入ると変なレイアウトの部屋だ。テレビが部屋のど真ん中にある。全く人間工学を無視した造り。何だかもう何もかも悲惨だ。腹が減ったのでさっそく飯を食いに行く。
1階の海鮮料理の店だ。ここの店員も愛想がないなー。好きな所に勝手に座れという感じで、座敷に座って待つと普通の定食に毛が生えた程度の料理が来た。食う。いもがうまかった。おかわりした。食い終わった。お茶も持ってこない気が利かないな。食ったので駅前に買い物に出かけた。ここで御土産を買わないともう買う所がないからな。こういう時駅の近くのホテルはいい。近鉄百貨店があったのでそこで買おうと思ったが、もう閉店していた。さすが百貨店、このご時世に閉店時間が早い。社員通用口から百貨店らしいこぎれいなねーちゃんたちがおつかれさまーと手を降りながら出てくる。仕方がないので駅構内の店に行く。地元ののコーナーで探すが、魂に訴えるものがないなー。なんか良いものないか。名店街に移動すると、一寸法師というお店があった。品のいい和菓子の店だ。ここがいい。センスがいいからな。そんななかでもてんてんてまりというかわいらしい名前のが気に入った。買ったよ。会員カード作りますか?と聞かれて困った。でも作った。いい御土産が手に入って良かった。ホテルに帰って風呂にはいる。さっさと寝る。