8月12日(金) 曇り時々晴れ

6時に起きた。お約束の朝の温泉に入った。やっぱり消毒液くさかった。飯の時間まで今日の計画を立てる。とりあえず高野山を見て、昨日のルートで天川に戻り、そこからつり橋に行くことにした。その後十津川温泉に入って熊野古道、那智、千枚田を見て串本に行く。

完璧だ。

朝ご飯が予定より早くきたので食った。メニューはやはり精進料理で体によさそうです。食ったら歯を磨いた。宿の歯ブラシはチェーン掃除のブラシのようにでかかった。それから荷物をまとめる。フロントまで持っていってチェックアウトだ。お世話になりました。先にバイクを車庫から引っ張り出す。ガソリンが入っていないので楽だったが、満タンだったら深い砂利に車輪を取られて移動が大変だったな。荷物を積んで出発する。で、すぐ高野山の入り口なので駐車場に止めようとして通過してしまったので道路脇のあいてるところに止めた。

そこから高野山に行く。入り口では団体さんの記念撮影が行われていた。そこをかわして奥へ進むと、お墓ばっかりだ。お墓というか、慰霊碑だ。シロアリ協会のシロアリ慰霊碑や、サターン型ロケットの慰霊碑は多分、宇宙開発関係の会社かなあ。学校もあったし、多いのはやっぱり土建屋さん。多分、工事中になくなった人の魂を供養する慰霊碑なのだろう。いろいろあって面白い。いや、面白いなんて不謹慎だな。そうこうして歩いていくと、いよいよ人里はなれた神秘的な巨大な木々が覆い尽くす中、年代ものの歴史あるお墓が並んでいる。家康の次男の墓があった。ほかにもいろいろあったが、歴史に詳しくないのでよくわからん。そして、いよいよなんだかすごい荘厳な建物が現れた。おお、ここが高野山の本拠地か、でも昨日の吉野山の方がすごかったな。と思ったら大間違い、本拠地はさらにここの奥なのだ。そして、巨大に看板には「撮影禁止」「飲食禁止」と厳しい言葉が。ニコンを格納してさらに進む。すると今度は「脱帽」ときた。くそー、いい気になるなよ高野山、真言亡国の山の癖になー、とおもいつつ愛知万博オーストラリア館のハットを脱いだ。そして階段を登ると、いやー確かにすごい。ものすごい建物。こんな建物をよくこんなところに建造できたものだ。びっくりだ。中のほうにはいくつもの灯篭がところ狭しと掲げてあって荘厳な感じで、まあ、たしかに脱帽です。

しかし、この巨大な建造物も凄いが、樹齢何百年と言う樹木が茂る森、これを見ていると自分の日常生活がちっぽけなものに思える。何百年も前の人は後世に残そうと思ってこのもりをこさえた訳ではないだろうが、たった何週間のイベントのために森をぶっつぶし、箱もの政治を繰り返す現代人には決してまねできないよな。せいぜい残せるものは膨大な財政赤字放射性廃棄物くらいか。それがギャオスとガメラになるわけだ。

さて、バイクに戻ってお茶を飲もうと自販機によったら売切れだった。ちゃんと補充して置けよ、土産屋のばあさんよ。

仕方がない、途中で買うか。出発する。で、朝、時間をかけて考えた計画は気が変わって変更にした。全然予定になかった龍神村に向かった。なんで? いや、なんとなく

道が広くて良いのでコーンコーンと突っ走っていく。どんどん標高があがっていくと、あっという間に1000メートル越えだ。さっきまで暑かったのが、涼しくなってきて、だんだん寒くなってきた。途中、自販機があったのでお茶を買ったが、冷たすぎる。再び走り出す。

しかし、とろとろ走る白の軽トラが遅い。

いらいらしながらついていくと、後ろに大阪ナンバーの先に譲ってくれたバンが追いついてきてしまった。こういうのってなんかばつが悪いよな。たらたら走りで、バンの後にさらに3台連なって、困ったなー。このおっさんはやく気がついて譲ってくれないかなー。と思っていたらやっと道をゆずってくれた。よっしゃコーンコーンと走って、どんどん行くとまた詰まった。

白のカルディナ遅いぞ。

またまた後ろが連なってしまった。うーむ、どうしてくれようと思っていたらガソリンスタンドがあった。あ、補給しなければ。かなり傾斜しているガソリンスタンドなのでビビリながら給油。満タンに入ったので出発する。それから結構順調に走って、標高が一気に下がり、だんだん暖かくなって暑くなってやっとこさ11時くらいに龍神村の龍神温泉に着いた。

何でここに来たかったかというと、名前がいいじゃない。まるでバブル時代の暴走族。「特攻の拓」のノリの名前。あるいは金田一耕助か浅見光彦の推理小説に出てきそう。こんなウソみたいな名前の温泉が本当にあるんだ。それを確認したかったのと、日本三大温泉というので、それにしては聞いたことがないから、それも確認にきたのであった。だって、三大温泉は別府下呂草津だろ。おかしいよ。でも実はこれ、見間違いで日本三大美人の湯が本当でした。写真を撮ってバイクを湯元館の付近に止めようと思ったが、傾斜しているので心配だから何度かUターンして止めるところを探したあげく、ちょっと離れた第2駐車場にバイクを止めた。ここなら水平だし、日陰だから暑くない。手ぬぐいもって温泉に行く。

湯元館の前にはバイクが何台も止まっていた。それを横目に建物に入ると、すぐ受け付けだ。色の白い愛想のない娘が「600円です」というので払った。「コインロッカーの細かいお金大丈夫ですか」とさらに言うので結構気を使ってるんじゃんと思ったが、相変わらずの淡々とした口調だった。200円あれば大丈夫だそうなので、財布の中を確認してから男湯に向かう。階段を降りてすぐだ。おお、なかなかでかいぞ。何人か入ってる。バイク乗りの人が先客でいた。

ブーツを入れることの出来る下駄箱があるかないかで大分印象が違いますねーと盛り上がった。

脱衣所は広くてきれいだ。ロッカーの大きさも妥当だ。脱いで入る。温泉は内湯が2、露天が1の構成で、内湯のひとつはヒノキの風呂だった。源泉が48度なので結構熱い。あまり長く入っていられないぞ。露天に移動する。外がよく見える。ここも熱めだ。困ったなー、入ったり出たりを繰り返して、最後はヒノキ湯で締めた。出て噴出す汗を扇風機で飛ばし、フル装備するとあつー。ここの温泉はゆっくり出来る休憩所もないのでさっさと出る。温泉宿がいくつかあって土産屋もあったのでのぞいたが何にもなかった。バイクに戻り、出発する。いよいよ国道425号越えだ。400番台の国道だから相当ひどいぞ。

相当ひどかった。

本当にひどかった。

168号線に出るのに1時間半くらいかかった。もううんざりするくらいの長い時間、うねうねうねうねと狭い山道を走り、途中で所々に現れる国道425号の看板にうそだろーと叫びつつ、何度も対向車にビビリつつ、やっとこさ168号線に出た。そこからさらに北へ向かう。猛スピードで行きたかったが、なんと、またしても全国最強暴走ダンプ連合会のダンプが走っているではなか。狭い道なので対向車がくるといちいち止まって譲っているので時間がかかって仕方がない。もっとスピードを出してくれないと、困るのだ。なぜなら天気がすごくよくなってきて、

暑いので風を受けないと蒸さってしまうぞ。

しかし、今度のダンプは道を譲ってくれたので、先に行かせてもらいます。松下エンジニアリングの営業車がすっ飛ばしていった。今日も仕事か大変だなあ。しかし、すっとばしていった先にまたしてもとろとろ走る観光客の車。うーむ、こうなったらどこかでいっそ休憩でもするか。道の駅があるのでそこで休憩しようと思ったら、交通警備の人がいるくらいの人気の道の駅のようで、却下。交通量調査の人々が見守る中、通過だ。結局、最後まで観光客の車をかわすことが出来ず、つり橋まで来てしまった。とろとろ走る観光客と同じところに行くのは不本意だが仕方がない。

止めるところがわからなかったので有料駐車場に並んだら、案内のおっさんがバイクはこっちと怒りながら言ってきた。そんな言いかたないだろ。でもバイクは無料だというので許す。しかも屋根つきだ。やれやれやっと着いた。さすがに疲れたが、目の前の世界最大のつり橋を目にしては興奮も冷めやらぬ状態で、が、しかし、「今日は一方通行でやってますので帰りはバスに乗ってください」と放送がかかっているくらいの大混雑。帰りバスって、時間かかるのかなあ。実は時刻はすでに1時を回っており、この後串本まで行かなければ行けないのだが時間は大丈夫か? まあいいか、ここまで来たんだ見てこよう。早速準備をして、意気揚揚とつり橋に向かう。

つり橋の監視委員のじいさんたちが見守るなか、第一歩を踏み出すと、すごい揺れる揺れる。

はっきり言って怖いです。

つかまるものはありません。

いえ、一応ありますが、つかまるためには網の目の眼下4000メートル(推定)の境をまざまざと目の当たりにしなければいけません。眼下には涼しげな川遊びとオートキャンパーがにぎわう天国です。必死にバランスを取るが、こえー。それに比べて前を行くきゃぴきゃぴ娘2人組は写真を撮ったり騒がしい、元気だ。「写真とってもらえます〜?」となれなれしく言うので、一応天下のニコンをぶら下げてる手前、「いいですよ」と格好良く引き受けた。揺れてびびっているのをばれないようにしているのがばれたらやばい。しかし、さすがに中ほどまで行くとなれてきたのでそんなに怖くなくなってきた。で、ようやく向こうに行きついたらすぐ横にバスが待機していて、丁度満員になったので出発した。ラッキーである。で、思ったより早く戻れた。バイクに戻って地図を確認する。このあと一気に新宮に出て、那智の滝を見に行くことにした。

そうと決まれば出発だ。来た道をどんどん戻る。途中またダンプがいたが道を譲ってもらった。神戸ナンバーのミニバンがたらたら走っているのをいらいらしながらついていく。168号線は、途中でものすごく立派な道になってびっくりだったが、すぐにまた、ぼろい道になった。こうして神戸ナンバーをぼって走って、ようやく神戸ナンバーが曲がってくれたが、その後42号線に出ると渋滞だった。

新宮から交通量が多いのかものすごい渋滞だ。信号も多くなるせいもあるだろう。お盆帰省の関係もあるのだろうか。全然動かないのでエンジンを止めて待つ。そして動いてはとまって動いてはとまるのを繰り替えす。いいかげん、日差しもきついので日干しになりそうだ。しかし、ちっとも解消されない。我慢我慢で走っていくと、ようやく那智の滝への曲がり角まで来た。苦労してやっとこさ曲がって、そこからは順調に走っていけた。ようやく4時すぎに那智の滝に着いた。

200円の有料駐車場にバイクを止める。そこから那智の滝が見えるが、なんだかやせ細ってるなー。5分でいけるというので行ってみた。世界遺産の石碑が真新しくていやらしいな。本当に階段を降りたら滝のそばまで行けた。やっぱり水が少ないようだ。写真を撮って戻る。のどが乾いて、脱水症状が出ているようなのでポカリスエットを飲むことにした。500ミリ一気に飲んでしまった。よっぽど乾いていたんだな。落ち着いたのでお土産を物色する。那智黒はあきたりなのでそれ以外のものを選んで買った。4000円くらいになったので、土産屋の親父さんが那智黒の試食をごそっとくれた。やった。1個食う。

すごいうまい。

糖分が足りなかったようだ。さて、駐車場に戻ると、管理人さんがお疲れ様と声をかけてくれた。水量の話をすると、やっぱり雨が降らないので少ないらしい。ちょっと寂しいね。

5時になってしまった。急いで出発して今日の宿の浦島ハーバーインを目指す。42号線は相変わらずの渋滞だったが、少しは進むようになり、太地を離れると流れも良くなってきたので、そんなに遅くなることもないだろう。海岸線を走って、岩のいっぱい並んでいる名勝のすぐにホテルはあった。

遠めに見ると良いホテルじゃん。駐車場にバイクを入れ、入り口までくるとフロントの人?が来て「お泊りですか」と聞いてきた。そうですと答えるとバイクは玄関の横に止めさせてもらうことになった。荷物を下ろしてフロントに行く。チェックインの後説明があった。部屋は「ハーバーイン」の方なのでここからごにょごにょです。えー、なんだって、別館かよ。しかも遠い。食事はバイキングですので時間内で好きなように食ってください。えー、バイキングかよ。まあ、たしかに、あたりを見れば、宿泊客のほとんどが子供連れの若い夫婦とその両親という感じで、そう言う客層ならバイキングのほうが良いんだろうなあ。説明を受けて、とりあえずヘルメットとタンクバックを持って部屋に向かった、いきなり、向きを間違えて、ホテルマンに指摘された。カッコ悪い。

気を取り直して歩いていくと、どんどんどんどん歩いていくと、野を越え山越え谷越えて、エー加減にせえ。この遠さは史上最遠だ。この距離をあの重たいシートバックを持って歩くのは憂鬱。部屋はツインだったが狭い部屋で、これで2人いたら窮屈だな。さて荷物を全部運んだのでちょっと休憩。まっちゃんとメールのやり取りの後、バイキングに行った。

またまたはるか彼方まで旅をして食事会場までたどり着く。すごい人の数。さすが最大収容人数662人。バイキングなので好きなものを好きなだけなのだが、どうもこのバイキングが好きになれない。何を食ったかわからなくなるのだ。まあ文句を言っても始まらない。何にしようか、カレーがあるのでカレーにした。サラダとから揚げを取った。ほかにもいろいろあるが、場所がかたまっていないのでわけがわからん。まあいいや、こんだけにしておこう。席について食う。カレーはまあまあ、から揚げはさめていてちょっと前のコンビに並、寿司があったので食った。いまいち。最後にフルーツを食った。パインおいしい。メロンいまいち。

部屋に戻って荷物の整理をする。それから温泉に行った。温泉は2ヶ所あるが、まず露天に行った。望橋の湯というのだ。何で橋なのだろう。まいいや。入る。脱衣所は電車を再利用して作ってあった。で、露天に行く。もろ露天。洗い場も露天、というか完全に野外になってる。野外に風呂が作ってあって、屋根をつけただけ。

これぞ本当に露天風呂。

こじんまりしてたらい風呂が2つだが、これは良いわ。最高。客が他にいないのもあるが、こんな風呂はじめてだ。外はもう暗いので何も見えないが、波の音だけが繰り返し聞こえてきて、時間を忘れる。忘れるわけにはいかないので出た。部屋に戻る。明日の計画を考えてとりあえず潮岬と一枚岩、で、内陸を走ることにして寝る。

 

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