8月14日(火) 晴れ

またまた4時半ごろ目がさめてしまった。そのまま朝風呂に向かったら、貸切と思いきや結構人が入ってるじゃん。どうなってんだ、年寄りばっかりのツアーが入ってるようで、やっぱりお年寄りは朝が早いんだね。って、オレも年寄りってことかい。せっかく貸切を期待していったのにがっかりだ。部屋に戻って準備を済ませて7時に朝食、昨日の夜と同じところで、バイキングではなくちゃんとした料理だった。食ったら荷物を積みこみ、チェックアウト、出発する。

浅虫温泉は巡り湯も考えていたのだが、予想と全然違っていた。こんなホテル街の温泉を巡っても仕方がないのでここを離れることにした。まずはむつ市に向かい、途中でサークルKでお茶を買って、さらに走っていく。むつ市までの道は1本道で信号もほとんどなく快調に飛ばせたのだが、先頭が遅いのでペースも落ちる。今日は余裕のあるルートなのでゆっくりでいい。蘭さんマエダンゴさんが朝早く竜飛を出て下道でこちらに向かっているそうなので、2人のことだからすぐ追いつくだろう。むつ市でお土産を物色するので時間がかかるしな。

10時ごろにむつ市に着いた。観光物産館に行く。ここで出来ることなら、お土産は全部買ってしまいたいのだが、中に入るといまいちこじんまりとして品揃えも少ない。種類は多いがバリューがないな。トイレだけ借りて次ぎの候補下北物産センターに向かう。そこは市場の中にあるお土産やさんで、規模もでかいし、品物も多い、これはいいと思い物色するが、魚関係が少ないなあ。とにかくホタテが有名なようで、ホタテはいっぱいあるのだが、魚はほとんどない。北海道のかにやいくらまで並んでいるが、下北に来て北海動産を買ってかえるわけにも行かんしなあ。とりあえず、まっちゃんに頼まれたパン好きには活ホタテを送っておいた。後はまた考えよう。

下北半島仏が浦方面に走っていく。ペースはゆっくりだが、後ろからきたハーレーが痺れを切らして抜いていった。さらに先へ進むと、このあたりはお祭りがあるようで、みんな家の前にちょうちんに名前の入ったのがぶら下げてある。にぎやかしくて良いね。大漁旗がいっぱい掲げてあるところもあった。

そこから先はほとんど山岳地帯だった。どんどん高度を上げてヘアピンカーブの連続に目が回る。先頭が遅いのにいいかげん我慢の限度で追い越してかっ飛ばしていく。しかし、すすんでもすすんでも続くウネウネの山道、これは大変な道を選んでしまったと思ってももう遅い。想像以上に、良くいえば走り外がある道路だな。先頭が詰まってきたので途中の展望台のある駐車帯で休憩した。メールを確認しようとしたら圏外だ。まいったな。さすが最果て。走り出してまた詰まるを繰り返し、なんとか仏が浦に到着した。駐車場にバイクを止め、看板の説明を見るとなんと、ここから徒歩40分だと! 40分も歩けるほど持久力はないなあ。しかし、なんちゅう悲惨な結果。これでは見れないってこと? ここが見たくてわざわざこんなまだるっこしいい道を我慢して走ってきたのに、あー、最低だ。何とか遠くから見れないものか。先を進むと、展望台があった。なんだ、あるじゃん。ここから見ればいいんじゃん。

バイクを止めて展望台に登り見た。ああ、すげー奇岩だ。本当にカッパドキアみたい。あー、でも惜しいなあ。歩けばあんな近くまで行けるのかあ。くそ、自分の根性なしを棚に上げて文句をのたまうのであった。ハーレー最強ツーリング仕様に乗ってきた若人とちょっと話をして、大間のマグロは最高だそうで、ぜひ食っちゃってください(今風なしゃべり)とのこと。期待に胸を膨らませてバイクは北を目指すのであった。

本当に大変な山道を乗り切って、まるで海に近くを走ってるとは思えない、奥只見の山中みたいな山道を走りきってようやく大間崎に到着した。

すげー観光客だった。近くでなんなイベントをやっていることもあってか、本州最北端の碑の前から縦列駐車の軍勢その数およそ6000、お土産屋さんも大繁盛だわ、まったく。思ったとおりに「本州最北端のお土産屋」だのなんだの「本州最北端」が売り物だもんね。バイクを止めたところの近くに大間マグロも店があったので、実家にマグロを送っておく。それからちょっとあたりを歩いて早々に退散することにした。メールを確認すると2人組みは恐山から薬研に向かうようなので、そっちに合流しよう。ここがこれでは、自分も恐山の方に行けば良かったかな。

薬研温泉に向かう。今夜の宿のある下風呂温泉を通過し、ハレーカスタムと並んで走る。それにしても本当にハーレーが多いな。みんな金持ってるんだなあ。しかも、このハーレーもまた過積載仕様、ハードコンテナケース搭載キャンパーだ。

薬研温泉に看板があるほうに曲がって、山道を走って行く。道がひどいんじゃないかとちょっと恐怖だったが、まったく問題なし。所々狭くなっているところもあったが、ほとんど全域きれいな舗装路だった。これは観光バス対策なのかな。途中で気合の入ったドミネーターに抜かされた。目的のかっぱの湯は奥薬研温泉だ。山の奥の奥まで入って、きれいな渓流がなられるところにあった。大きな橋を渡って、バイクを駐車場に止める。結構混んでるな。ちょっとしたオートキャンプ場の付属施設みないな感じで、もっと干からびてるかと思ったんだが意外だった。2人組みは恐山経由ならまだ来ていないだろうと思うが、一応あたりをチェックしたがやっぱりまだ来てなかった。先に一風呂浴びるか。

建物に入ると入浴200円で発券機なんだよ、青森県外と青森県内と分かれてチケットをいれる箱があり、そこにいれて露天風呂に向かう。あぶが出てるので注意だそうで。男湯が手前で、中に入るといきなり棚と籠、そして至近距離の温泉湯船、おお、この感じがいいんだがね。早速脱いで入るが熱いなー。熱いのでゆっくり入ってられない。出たり入ったりを繰り返すが、そのうちにあぶが寄ってきた。これがまたうっとうしい。みんな必死に追い払ってる。お湯につかればいいが、のぼせるので出るととたんにあぶが来る。もう全然落ち着いて入ってられない。いい温泉だけに残念だ。ここは虫が出ない時期でないとゆっくり出来ないな。でもいいお湯だったので満足して出た。

出ても2人組は現れず、もうひとつあるかっぱの湯に行ってみようと歩き出したら見覚えのあるオーラが! おお、あれは、あのツーリング魂仕様のZZRはマエダンゴさんでした。あれ、欄さんがいない。話を聞くと、実は尻屋崎に行ってたそうで、そのまま蘭さんは八幡平に向かったそうです。よろしくとのことだそうで。マエダンゴさんも恐山で温泉に入ったのでここはもう入らないというので、混浴かっぱの湯の説明を聞いた。温度45度だから入れないよとのこと。あきらめよう。お土産を狙っている青森の観光センターの事を聞いたり、尻屋崎の情報をもらう。尻屋崎はお勧めとのこと。デジカメの写真を見せて貰う。デジタルはこういうときに良いね。さて、マエダンゴさんは大間のキャンプ場まで行くそうで、では気をつけて。

こっちは今夜の宿、まるほん旅館に向かう。来た道を戻って、下風呂温泉に着く。旅館は狭い坂道の上だった。ビビリながらバイクで登り、宿のガレージにバイクを置かせてもらった。部屋に案内される。宿の若奥さんなのか娘なのか、何気にちょっと美人だったりする。部屋に入ると、6畳くらい。トイレも風呂もない。まあ、これくらいが身分相応だわな。その上、エアコンもないし。扇風機があった。扇風機は好きだよ。窓から部屋の中が丸見えだし、かと言って窓を閉めると暑いから閉められんし。いやー、気にするなってことだな。開いた窓からみーんみーんと夏の風物詩が全開だ。夏休みだなーとぼんやりしてると、でっかい声が聞こえてきた。なんと、この町、町内放送があるのであった。小学校のみんな今日はいい一日でしたか明日もいい一日にしましょうなんちゅうーいらんの世話な放送ががんがん鳴り響くのである。すごい。続いて、クマ出現のニュース、農作業に行く時は気をつけましょう。こえー。

やがて晩飯の時間になった。お盆に乗って晩飯が運ばれてきたので食う。おひつは全部食う。3杯分だが食う。しかし、イカのうまいこと。ホタテもうまい。イカ焼きはご飯に混ぜるとおいしいと言われてやったらうまかった。ほとんど食い終わったころにイカ刺身が来た。結構おなかいっぱいだったところはイカ刺身はきつかったが食った。何しろうまいなからな。しかし、イカは腹にこたえるのう。胃薬飲んでちょっと休憩。それから温泉に入る。ここの温泉は大浴場ではなく、小さ目のお風呂男女である。脱衣所の鴨居が低いので頭上注意。さて、お風呂へと扉を開いてびっくり、なんと、階段下りがついているのだ。降りていくと、そこには硫黄の匂いが充満するパラダイスが! これはホンマもんのかけ流し温泉ですばい。すごいばい。入るばい。熱いばい。なぜに九州弁? 熱いので水道全開、うめてはいるのであった。気持ちいい! チョー気持ちいい! 最高の温泉だぜ。たんのんして出た。部屋に戻って、今日はテレビを見るんだもんねーと思っていたら、先ほどの町内放送がかかった。ただいまテレビの受信システムに障害が発生し、テレビがうつらなくなってます。なんですと? 今日はイケメンパラダイスの日なのに、なんてこった。もう寝る。

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