JAPAN EXPLORER 2010

８月１２日（木）

５時起床、天気は曇ってる。朝いつまでたっても暗いんだよ。楽しみにしていた軍艦島クルーズがぽしゃって、長崎行きが中止になって、トルコライスも食えんし長崎ロープウェイからの夜景も見れないし、もう何もかも嫌になってしまった。今回のツーリングの一番の山場であり計画には６年の歳月と１２億円の予算が注ぎ込まれ、延べ人員２２００万人が動員されたのこの計画が、ぽしゃって、もう人生一体何ですか。せっかく宝くじが当たったらGTRを買うつもりだったのに、あーやだやだ。完全に落ち込んじゃってるので、それから朝飯までの2時間、今日の予定も考えずにボケーとしていた。

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で、７時になったので昨日と同じ個室で朝飯を食った。わりと豪華でうまかった。食ったら雨が降り出さないうちに出発する事にした。荷物を積み込んでチェックアウト、ホテルの人に見送られて出発した。ちなみに、ホテルの人は、ライダーの方は宿泊施設を選ぶのに何を条件に選ぶのですかと聞かれたので、温泉があって広い和室、そして屋根付き駐輪場、と答えておいた。熊本フェリーに乗るには逆方向に行った方がいいと言われ、うんせうんせとバイクを逆向きにして出発した。でも言われた通り、その向きででたらすぐに５７号線に合流したので迷わず走っていけた。

セブンイレブンがあったのでお茶とエスプレッソを買って飲んだ。お茶はペットボトルと水筒に補給した。トヨタナンバーのミニバンの人に声をかけられた。コンビニを出て、そのままずっとまっすぐ進んだら熊本フェリー乗り場だった。ああ、この前の九州ツーリングでも、ここから乗ったよなあ、遅い方に。そして、ぽんぽんぽんぽんと進むその横を、凄まじい衝撃波を残して消え去ったのがオーシャンアロー号であった。あまりの凄まじさに一体何があったのかわからなかったくらい凄まじかった。今回はそんなわけで絶対にオーシャンアローに乗るつもりだった。次の便が普通のだったらそれをパスしてオーシャンアローに乗るつもりだったが、幸い次の便がオーシャンアローだった。なんとラッキー。９時２５分発がそれだ。チケットを買って、売店をチェックして、何にも面白いもんがないのでバイクに戻った。地元ナンバーのマジェの若者が、「いいっすねCBおれも今度はこれにしようと思ってるんすよー」と言うので「スクーターの方がラクだよ」と答えておいた。現行モデルは１００万以上するし、荷物載らんし。そんなこんなの会話の後、係の人が誘導で乗船口まで移動した。

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やがて現れるオーシャンアローの勇姿。カッコイイ、カッコよすぎる、あまりにもかっちょええ、ちょーかっちょえー、めっちゃかっちょえー、これを設計した人は、間違いなくサンダーバード世代だな。まるで松本零士のスペースオペラに出てきそうな流線型ボディ、未来を感じさせるその姿は見るものをコーフンさせる。やがて着岸したオーシャンアローは、後部のエアロックを開放し、艦載されていた車やバイクを降ろすのであった。そして。いよいよ我々も乗り込むのであった。未来を感じさるゲートをくぐり、オーシャンアローの管内にバイクを係留する。

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客室に上がって、まるで高級ホテルのラウンジのような船内である。一番先頭の見晴らしが良い所は４００円の有料席だった。有料席に座る事即決、申し込もうと思って船内の売店に行ったら、オーシャンアローの絵葉書が販売されているではないか。うーむ、有料席も良いが、絵葉書も欲しい。２種類買ったら５００円、どうしよう、迷ったが結局絵葉書を選んだ。とかなんとかやってるうちに出港である。エンジン音が徐々に大きくなり、ゆっくりと船体が動き始める。港内は徐行運転で進むようだ。ゆっくりゆっくり、やがて堤防が見えなくなってくると、エンジンの音に変化が現れる。速度を上げるようだ。オーシャンアロー号の最高速力はワープ１．５すなわち光速の１．５倍だ。船内放送が入る。本船は間もなくメインエンジンを始動し、亜空間ドライブに突入します。ハイパードライブが作動する時、衝撃がありますので安全ベルトを着用してください。なんせ光速の１．５倍だからな。シートベルトを絞めたと当時にハイパードライブが作動した。強烈な加速Gが体をシートに埋める。全ての光景が一瞬に後ろへ吹っ飛んで行く。すごいすごすぎる。熊本ー島原間キロを一瞬にしてひとっ飛びだ。しかし、相対性理論の言うところのウラシマ効果で、我々乗っている人間には３０分の時間が経過しているのだ。だから光速の１．５倍でも３０分かかるのだ。まあ、それは冗談なんだが、正直、船内にいるとあまり速そうじゃないので、甲板に出てみた。出てみるとわかるが、本当にものすごいスピードだった。風が凄いし、海面の様子が違う。写真を撮っていると、カップルに撮ってくださいといわれたので撮った。これがまた女の子のほうがフリフリスカートの可憐な美少女で、サービスで3枚も撮ってまったよ。風が強いのでフリフリスカートがめくれそうになると、彼氏の方が速攻でめくれないように抑えてあげているのであった。愛しているんだねえ。こんな可憐な美少女が彼女なんてうらやましい。波がくるのに一人で逃げた誰かとはえらいちがいだ。

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やがてオーシャンアローは島原港に着岸した。車両甲板に降りて待つと、先端のエアロックが開放され、下船開始である。降りたら一気に国道まで押し出され、オーシャンアローを名残惜しむヒマもなかった。

天気はかなり回復し、雲仙普賢岳も見えるので、上る事にした。これが失敗だったんだが。上って行ったら濃霧が発生しており、道が全然わからん。もちろん、普賢岳の姿も山頂への道路も通行止め、温泉街も霧の中で何がなんだかさっぱりわからず、それでもなんとか山越えをして小浜まで来たら雨が降ってた。なんじゃとー今日はもう雨は大丈夫だと思ったのになんてこった。ガソリンスタンドに逃げ込み、ガソリン満タン。空はどんよりと曇っており、長崎方面は間違いなく天気が悪そうなんで、せめてトルコライスだけでも食いに行こうと思ったのだがやっぱりダメそうだな。諦めて諫早方面に目的地変更した。

ショートカットルートの堤防道路を使う事にして、国道２５１号線を島原に向かう。やがて現れた堤防道路、なんかすごい一直線、駐停車禁止の標識がいっぱい。みんな止めて見たいわなこんな道。国道２０７号に出ると、有明海を右手に武雄温泉を目指した。途中、道の駅太良に寄った。牡蛎と蟹が名産らしいが時期が悪いのかイマイチ盛り上がりに欠けるな。変に盛り上がってると買っちまうからまあいいんだけどさ。

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武雄温泉に着いたのは１４時くらいだった。赤い楼閣がかっこいいんだが、まわりがわりと近代的な鉄筋コンクリートのホテルばっかなんで、ちょっと浮いてる感じがしないでもない。駐車場にバイクを止める。駐輪場があったが、ペンキ塗り立てなのかなんなのか、ロープが張ってあったので近寄れなかった。手ぬぐいもって建物の入口に行くと、ここは何カ所か温泉があって、それぞれに料金を払って入るようになってる。さて、どこに入るか、迷ったけど、結局、元湯にした。なんせ元湯だからな。発券機で入浴料４００円を払って中に入る。脱衣所も休憩所も、思ったよりきれいで新しかった。脱いだら汗だくで、Tシャツもパンツもベタベタだ。汗だくだったんで温泉に入ると気持ち良い。でも出たらまた汗だくの服を着るのは気持ち悪いな。Tシャツは汗だくのままだったが、ユニクロのシルキードライパンツは乾いとったのでそんなに気持ち悪くなかった。さすがユニクロ、高いパンツだけはある。温泉を出てバイクに戻った。

今回のツーリングでは、iPadを使い、マグドナルドのアクセスポイントからツーレポのデータを転送するつもりで、どこにお店があるかチェックしておいたが、結局、天候の関係で一度も出来ていなかった。ここ武雄温泉なら、時間もあるし天気も雨が降る事はなさそうなのでアクセスできそうだ。チェックして降りた武雄温泉のマグドナルドを見つけてバイクを止める。店に入ってコーヒーを注文し、ツーレポをネット経由で送っておく。こうしておけばバックアップにもなって安心だ。ほか、必要なサイトなどをチェックして用が済んだらマグドナルドを出て、今日の宿に向かった。

今夜の宿はお宿高砂、嬉野温泉街道からちょっと奥にあった。宿の人全員でお出迎えかと思える人数、そして看板猫のみーにゃんもお出迎えしてくれた。かわゆいのお。チェックインしたら荷物整理、温泉に入った。部屋で晩飯を食った。量が多くて食い過ぎた。食ったらもう一度温泉に入った。

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それから夜は花火大会だ。本当は昨日の予定だったのが、台風の影響で今日に変わったらしい。何とラッキー。しかも、部屋から見えるんだぞ。カメラの準備万端で開始を待つ。

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やがて始まる花火大会。見事に良く見えるな。この花火大会では西日本最大の２尺玉が炸裂するそうで、期待して待っていると、始まってしばらくしてからしーんとなった。あれ、もう終わりか？　と思っていたら、いきなり目の前に炸裂した。一瞬、何が起きたのかわからないくらいにでかい花火が炸裂した。夜空が全面液晶デジタルだった。当然、写真を撮るのも忘れた。で、最後にもう一発炸裂するはずなんで、待機していたが、やっぱりダメだった。あまりの大きさにあっけにとられて撮影したけどフレームに入らなかった。桁外れな花火も見れたし、満足して寝た。

 

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