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過去2年、夏のツーリングはまさしく悪夢の事態であった。2013年北海道は雨に祟られっぱなし、2014年は台風直撃の日程変更の上で、これまた雨に祟られっぱなし。2年連続で鈴鹿8耐悪夢のリタイヤに陥ったワインガードナーの気分がよくわかるのであった。そして2015年、今年もまた悪夢の再来となるのか。はたまた、起死回生のツーリングとなるのか。
などと威勢のいい書き出しではあるが、実はもう腐っちゃってたんだよね。2年も続いて悪天候に遭遇して、今や、ストレス解消となるはずの夏のロングツーリングが、逆にストレスがかかりまくりのものになっちゃってさ、こんなに天気の運がないのは、もはやツーリングに行く気がなくなっちゃって、おまけに、昨今の温泉自主規制政策ゆえに、なかなか入る機会がない遠方の名湯を楽しむこともできないので、実はほとんどギリギリまで何にも考えとらんかったのである。
が、しかし、腐っていても話は前に進まないのであり、過去2年のことをいつまでもウジウジ悩んでいてもどうにもならないのであり、なんだかんだ言っても、前に進むしか方法がないのであります。そのためには、これまでとは視点を変えてツーリングに行くのだ。視点を変える、要するに温泉中心のプランを、もっと大胆に変更するものである。もっと自由にプランニングするのである。自由、そう、自由である。本当の自由とは何か。巨匠フランシスコッポラ監督の名作「地獄の黙示録」では、ウィラード大尉の暗殺標的となるカーツ大佐がクライマックスで登場し、こんなセリフを口にする。「本当の自由とは、他人に制約されないということではない。自分自身に制約されないことである」そう、実は人生長くなると、知らないうちに自らを縛り付けてしまっているのだ。こうであるべきだ、そんな固定観念が知らないうちに自らの自由を奪っているのだ。今回はこの点に注目し、これまでのツーリングスタイルの制約を完全撤廃することにしたのだ。
そう考えた上で行き先を候補にあげると、北海道はフェリーが取れんかったからき却下、九州は豪雨続きで道路事情が危惧されるので却下、東北方面も温泉に入れないなら却下、そして、実は一番最有力候補の、昨年失敗に終わった山陰温泉巡りの再挑戦であるが、前述したように温泉自粛政策ゆえに、温泉巡り自体不可能ということで却下、で、残るところはどこかとなると、四国しかないんですよ。四国。ウン十年前に行ったきり、本当にご無沙汰してるんだけど、久しぶりに行ってみてもいいかな。さらに、某ツーリングブログで小豆島に行ってきましたツーレポを見て、そういえば最近、離島にも行ってないなあ、行ってみてもいいかなあ、と思うのであった。そして、小豆島といえば瀬戸内である。瀬戸内といえば、最近話題の村上水軍である。特にしまなみ海道にはその歴史を残す名所がいくつもあるらしい。村上水軍は尊敬する島田荘司先生の最新作の題材でもあり、瀬戸内はその舞台でもある。映画化も進行している今、旬と言えるでしょう。これは行くしかないんじゃない。
これまでの温泉ツーリングのスタイルを捨て、歴史と小説の舞台巡りという新しいスタイルで挑む、今回のツーリング、繰り返すが、今年もまた悪夢の再来となるのか。はたまた、起死回生のツーリングとなるのか。
その答えは走り出せばわかるぜ! 行くぜ、瀬戸内海!
DSC_3318 posted by (C)keiichi_w