Pressure Points

某日、某場所に、私はある人と会うためにやってきた。
ある人とは的中率89.9%の紫薇斗占術師TAKAYO様である。
どこか神秘的な雰囲気のする部屋は、薄暗く、香の匂いがしていた。
「TAKAYO様がお会いになられるそうです」
遣いの娘が厳かにそう告げると、私は奥の部屋に案内された。
そこに、TAKAYO様がいらっしゃった。
遣いの娘が一礼して部屋を出ると、私はTAKAYO様と二人きりとなった。
緊張感があたりを覆った。
霞のようなヴェールの向こうからTAKAYO様の声が響いた。
「名前はおっしゃらなくてもわかります」
何もかも見透かすような澄んだ声だった。
「keiichi_wさんですね」
「うっ、どうしてわかるんですか!?」
「名簿に書いてあります」
「あ、そうか」
「ヘンタイライダーなんですね」
「ど、どうしてそれを!?」
「サイトに書いてあります」
「あ、そうか」
「友達がいなくて、いつも一人で走っている、Uターンが苦手なヘンタイライダー」
「うおおっ、なぜそれを!?」
「サイトに書いてあります」
「あ、そうか」
「この夏は東北にツーリングに行く予定ですね」
「のわわっ、どうしてそれを!? サイトには書いてないですよ!?」
「奥さん(ようするにまっちゃんね)に聞きました」
「あ、そうか」
さすが的中率89.9%の瀬戸では世界的に有名な占い師だけあるぜ。
なんでもまるっとお見通しだなと思ったら、そういうことか。
「いま、何もかも知ってると思ったらそういうことかと思いましたね」
「げげっ、なぜバレたんだ!?」
「顔に書いてあります」
「なんと!」
「ここからが本題です」
「本題!?」
「東北ツーリングの予定を明細に立てていますね?」
「はい、もちろん」
「予定は立てない方がいいです」
「なんですって!?」
「予定を立てても予定通りにいきません」
「そんなバカな!」
「予定通りにしようとして、心を病んで帰ってくることになります」
「まさかそんな!」
「自由気ままに行くのです。全ての束縛から解放されて走るのです」
「なんと!」
「それがあなたの生きる道です」
ふっとTAKAYO様の気配が消えた。
「面会は終了です」
遣いの娘が厳かに告げた。

これが、東北ツーリング旅立ち前の出来事である。
この予言があたったかどうか、それはこの先を読み進めばわかる。

真実が知りたいか!?
知りたければ、さあ、読み進むがいい!

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IMG_0344 posted by (C)keiichi_w 

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