分断国道418号線走り繋いで鬼岩温泉
5月12日(日)
日帰りツーリングに温泉をプラスする事で進化した日帰りツーリングは、温泉博士の導入でに劇的に飛躍的に進化した。なんせ日帰りツーリングの予算の大部分を占める温泉入浴料金がタダになっちゃうんだから、これはもう手放せないのである。2009年3月から、4年、この間に入浴料金費用としてのコスト削減は膨大な金額になる。どこかにデータがあったはずだが、年間1万円以上は経費削減に貢献しているのである。素晴らしい。そして、その対費用効果が抜群なゆえ、この4年間、間違いなく有効活用しており、年間を通じてはもちろん、その月々でもまったく赤字運営になっておらず、実に優良経営なのであった。が、しかし、この5月、ついにその赤字運営無しのニンテンドーのような経営がついに止まる時が来てしまった。ご存知のように、温泉博士は持って行くと無料で温泉に入る事ができる夢のような雑誌であるが、無条件に無料になるワケではない。例えば、土日は使えない、あるいは1000円を超える金額は負担しなければならないなど制約はある。その制約が特に厳しいのが、いわゆる行楽繁忙期である。ゴールデンウイーク、お盆休み、年末年始、この時期は使えない温泉が多いのである。ゆえに、その時期を回避して有効活用せねばならないのであるが、なんせバイクなんで、大敵の雨が降ったらこのツーリングの話はなかった事にしてもらおうなんてゴルゴ13みたいに渋く決める事になっちゃうもんだから、そういう事が続くと、気がついたら、全然使ってないままに、有効期限がギリギリになっちゃった、なんて事態になるのである。幸い、この4年間、そういうギリギリの状況でも何とか切り抜けてきたのであるが、本年2013年の4月号(有効期間4月15日から5月15日)で、ゴールデンウイークに入る前に使おうと思って、諏訪湖の温泉に行こうとしたのに、天気が悪くて帰って来ちゃったもんで、使わないままままゴールデンウイークに突入して、伊豆半島温泉三昧S.A.C.が決行されて、そのままゴールデンウイーク明けになっちゃった。だから残るチャンスは12日だけだったのだ。その12日の天気予報は無情の雨であった。おお、雨ではツーリングに行けない。ついに、ついに、温泉博士の記録が途切れるのか。無念だ。実に無念。実に無念だが、どうしようもないものはどうしようもない。なんせ、ゴールデンウイークが奇蹟のような雨予報の直前の晴れ予報転換だったんで、これがまた奇蹟のような雨予報の直前晴れ予報転換になるとは思えんかった。まあ、仕方ないよ、雨だから、ゴールデンウイークに散々散財した分、おとなしくしてよう。ブックオフで105円で買った島田荘司の「摩天楼の怪人」でも読もう、などと思っていたのであった。しかし、奇跡は2度起きたのである。直前に天気予報は晴れに変わった。晴れになった。ウソだろ。ウソだろ、と思ったが、ウソではなかった。晴れ予報、さんさん輝く太陽マークの気象庁のサイトなのであった。そうか、そういうことか。なんかよくわからんがちょっとツキが戻ってきたみたいだな。このチャンスを逃すわけにはいかないぜ。行くぜ、温泉博士で鬼岩温泉!
ということで、ツーリングに行く事にした。前述したように、目的地は鬼岩温泉である。この温泉は、わりと有名でウチから実に近いところにあるんだが、近いもんでなかなか行く気にならんかったのである。実は同じ理由で猿投温泉も行った事がない。それが温泉博士に載ってるんだがら、これは行かないかんだろう。ただ、入浴時間は11時から14時なんで、あまり早く行くと営業時間前に着いちまうんで、遅めに出るかそれともどこかに寄り道して行くか。まあいいや、それはその時考えよう。で、当日朝、5時起きて気象庁のサイトを再度確認すると、太陽マークのみのドピーカン天気予報、ちょっと前まで雨の予報だったのが信じられん。これは、遅く出るなんて考えられん。一刻も早く出撃しよう。そう思って朝飯トースト食って準備万端、納戸からFTR223を引っ張りだすのであった。そのままレッツゴーと行きたいところだったが、でもやっぱり朝のコーヒーはないと落ち着かんので、実家までえっちらおっちらと押して歩いて、そこでカルディのイースターブレンドコーヒーを飲んで、ホームセンターの3個で198円お買い得セールで買ったカルビーのじゃがりこを食った。そして落ち着いたところで出発した。
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まずはガソリンである。いつものコスモ石油で給油するのだ。給油機の前にバイクを止めたら、隣の給油機にもバイクが止まって給油してた。YAMAHAのZealだった。バイクが元気だった時代のバイクだよ。この時代のバイクはいろいろおもしろいバイクが多かったよな。今はよく言えば優等生的バイク、悪く言えば面白みのないバイクばっかりだよな。そんなジジイみたいな事を考えつつ、給油開始。またしてもメール会員画面で、ケータイでパスワードを調べて入力した。FTRは入ってもせいぜい3リットルなんで、わずか6円も割引なんだけど、それでも通信費払ってメールを受信してる手前、使わな損である。で、入力して給油した。やっぱり3リットルくらいしか入らんかった。予想通りであった。90キロくらい走って3リットル。リッター30キロだ。この前は街乗りが多かったから仕方ないな。
コスモ石油を出たら、19号線ではなく旧道で多治見方面に走っていく。巡航速度が遅いFTRでは幹線道路を走るより、旧道のような交通量の少ない道を走った方が気持ちがいいのである。単気筒のエンジンをとことこ言わせながらのんびり走るのである。とはいえ、基本設計はダートラなんだから、その気になれば戦闘能力はハイスペックなFTRである。しかし、能ある鷹は爪を隠すのである。決して下手だからとことこ走ってるわけではないよ。
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そんなとことこ走りで内津峠を越えて、一時期土砂崩れで通行止めになっていた旧峠道が開通してたので、そっちを走っていく。この辺りは不法投棄が多いみたいで、移動式監視カメラ監視中と書いたカメラが立ってた。これ移動するのか。ひょっとして、今流行の熱感値システムで、不法投棄しに来た人間の体温を感知して、その後を追跡して居城を突き止めるのであろうか。うーむ、すごいシステムだ。
旧道から19号線に入った。そこから多治見市街に入って、いつもの高山方面のルートに曲がった。時間があるので、寄り道しようと思たのだ。寄り道といっても丸山ダムくらいしか思いつかなかったので、そこへ行く事にした。場所もうろ覚えなんで、テキトーに走る事にした。で、可児市を抜けて川辺あたりの漕艇場の手前で418号線を八百津方面に進んだ。たしかこっちの方じゃなかったかなあ。例によって地図を忘れたのでさっぱりわからないから勘と度胸と脳内ナビだけが頼りである。しかし、天気がいいからとにかく天気がすごくいいから気分がいいので、気持ちに余裕たっぷりで走っていくのであった。しばらく走ったら、八百津の観光案内図が看板で出てた。バイクを止めてそれを見たら、もうちょっと行くと、発電所の資料館があるらしい。ああ、どこかの写真がきれいなサイトで載ってたところだ。行ってみよう。目的地が決まると行動は早いよ。さっきまでのとことこががんがんに変革し、ダートラのポテンシャル発揮なのであった。
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やがて、新丸山ダムの工事現場への入口までやってきた。新丸山ダムは丸山ダムをかぶせるようにして建設しているダムである。なんで今あるダムにわざわざまた新しいでかいダムをかぶせるように建設するのか、その真意はよくわからんが、まあ、国土交通省にも国土交通省なりの理屈があるんだろう。なんせ高速道路維持に10兆円必要とのたまう組織である。孫がじいちゃんに小遣いせびってるような感覚で10兆円とか言ってもらっては困るんだが、このダムも大方そんな倫理観に基づいて進められている計画なんだろうなあ。
そこからさらに走っていく。地元のクルマがちょこちょこ走ってるだけののどかな光景である。田植えの時期なので、田んぼには水が満ちて、農家の方々が苗を植える作業に勤しんでおられる。我々がうまい米を食えるのも、みなさんが日夜努力しているおかげです。お疲れさまです、頑張ってください。口だけで手伝わないけど。
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発電所の資料館の看板があったので、そっちに曲がった。そしてうねうねの山道を走って一山越えた感じで広い道に出たら、あたりはすっかり山の中。さんさんと輝く太陽、青い空。静かにそよぐ風。時折、ほーほけきょと鳥の鳴き声がする。なんというのどかさであろうか。こんな風にゆったりと流れる時間に身をおくと、強欲な人間が実にちっぽけに思えてくるのであった。アレ欲しいコレ欲しいと、人間の欲望には切りがない。欲望のまま突っ走っていろいろな弊害が起きているのだ。それに早く気がつくべきではないか。NikonのD600が欲しいとか、MacBook Airが欲しいとか、DEGNERのNB-80が欲しいとか、クシタニのK0618アンフィニッシュジャケットが欲しいとか、あとはねーバッシシシシシーッ(恒例のまっちゃんに殴られる音)
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看板の示す方向に進むと、またまたウネウネ山道を走って、上って下って、こりゃFTR向きの道であるからこういうところこそFTRで来たかいがあるもんだなどと満喫しながら進むと、目的地の発電所資料館に着いた。普通に公園なんかあったりして、普通に民家があったりして、こんなところに住んでる人は、どこで買い物してどこへ仕事に行ってるんだろうなどと毎回思う事を思うのであった。案内板の前にバイクを止めて、階段を下りたら発電所がちょっと見えた。しかし、かなり階段を下りて歩かないかんみたいなので、今日はここで止めた。今度、まっちゃんを連れて弁当持ちで来ようと思った。だから、今日見ちゃうと楽しみが無くなっちゃうだろ。決して歩くのがいやだから止めたわけじゃないよ。ホントだよ。
バイクに戻って来た道を戻る。この辺りの山道は、とにかく複雑怪奇に入り組んでるので来た道を戻るのが最善だと確信しているので、来た道を戻ったんだが、国道418号線まで戻って来て、酷道で有名な国道418号線がこの先どうなっているのか気になって、ついつい、先を進んでしまった。天気が良かったから気分が良かったから、時間も余裕があったからなんだけどさ。
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国道418号線をさらに進んだのはもうひとつ目的があって、さっきの地図に、新旅足橋ってのがあって、スゴい橋みたいだもんで見たいのだ。なんかが日本一らしい。気になるじゃんね。そういうワケで、国道418号線を恵那方面に向かって走っていく。いくつかのトンネルを抜けるのだが、コレがまた素晴らしい快走路で、こんな山の中になんでこんな立派な快走路があるのか、ほとんど19号線と変わらないくらい立派。その立派な快走路なのに、他のクルマなんか全然走ってないですよ。1回か2回くらい地元ナンバーのクルマとすれ違ったくらいかな。それよりはしってるのは競技用の自転車。あれが軍団で走ってる。どうもこの高低差が練習にいいみたいだな。こりゃ、それなりのバイクでクォーーーーーーーーーンと走っていくと気持ちいいと思う。それなりのバイク乗りが全然いないのが不思議である。岩屋なんかよりよっぽどいいような気もするが、などと思いながら走ってたら、突如としてその巨大な橋が現れた。っていうか、最初は橋に思えんかったんだよ。なんか、道路が空に向かって進んでるみたいで、宙に浮いてるみたいで、まさしく、これは天国への階段いや道路か、と錯覚くらいの世界なのであった。ちょうど駐車スペースがあったのでバイクを止めて近くまで行ってみた。すると、遥か眼下に広がる深い深い谷底に向けてコンクリート製の無機質な四角柱がまっすぐに突き刺すように起立していたのであった。これはすごい。なにがすごいってこんなすごい橋が目の前にあるのもすごいが、こんな山奥のろくにクルマも走らない道路にこんなすごい巨大な橋が架かってるのがまたすごい。地方の疲弊が激しいとか言ってるけど、金があるところには金があるんだなあ。こんな無駄に巨大で立派な橋が本当に必要なのかとも思うけど、地元の人にとっては交通の問題は切実な問題なんだろうから何とも言えんな。しかしそれにしてもすごいのである。こんなものを造っちまう人間ってのはすげーな。
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まるで空中回廊のような、まさしく空を飛んでるような錯覚さえ感じる新旅足橋を通り過ぎて、潮南に入って、しばらく走ると国道418号線が終わった。県道になり、この先、大型車は通行困難と表示されていた。やっぱり国道418号線は分断されたままだった。となると、この先の路はかなり厳しい山道ということで、やはりFTRで来て正解ということだな。昨日の雨もあるし、路面状況もあまりよくないだろうから、そんなところをCB1300やCBR600で走ったら汚れるから発狂しちゃうぞ。その点、FTRはそんな事かまっちゃいないんで、そういう意味では無敵だな。FTR最強伝説の始まりであった。
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で予測通りの山道、ウネウネの山道、うっそうと茂った木々の中を走る山道、日も差さない、路面も濡れて落ち葉が張り付く山道、そんな山道を走って走って走り続けて、この道でダイジョーブか心配になってきた頃合いに、ちゃんと恵那方面こちらの看板が出て、なかなか行き届いた山道なのであった。で、ようやく恵那市に入った。恵那市に入ったけど、相変わらず山道は変わらないのであった。こんな道がいつまで続くのか、もう結構、もう充分、もう満腹、もううんざり。そしたら見覚えのある光景が目に飛び込んで来た。赤い鉄橋、武並橋である。ここは恵那瑞浪側から国道418号線にアプローチするところだ。ということは、まもなく19号線に出るということで、ようやく帰って来た感じだな。そこからしばらく走ったら、以前、オートレストランサンスイで、今はサークルKになった交差点に出た。19号線に戻って来たのだった。
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時刻を確認したら、間もなく目的地の鬼岩温泉湯本館の日帰り入浴営業時間だった。瑞浪のモスバーガーで、テレビで宣伝してる新しくなったモスバーガーを食ってから温泉に入る予定だったが、時間がないので却下する。断腸の思いだが仕方がない。モスはまた今度ということで、鬼岩温泉に急ぐ。土岐で19号線から21号線に入ったら、鬼岩温泉まで4kmの看板があったので何とか間に合うと思い、途中にある道の駅織部に寄った。そこでトイレを済ませたらすぐに出発する。そして、先日の豪雨による崩落で長い事通行止めだった次月峠を越えて、その崩落と復旧工事の姿を目の当たりに見て、いやー、あの豪雨はやっぱりすごかったんだなあと再認識したのだった。
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そこを過ぎたらすぐに鬼岩公園だった。鬼岩温泉への入口がわかりにくいのを事前に調べてあったので、とにかく曲がり損ねたら大変なので、枝道があったらとにかく曲がった。最初の道は、全然違う建物があって間違ってた。戻って、次の枝道に曲がったら、Googleストリートビューで確認した看板があった。ここで間違いないようだ。奥の方に進んで行くと、道がどんどん細くなって、これってクルマが通らないんじゃないのと思える細い道になったけど、意外に通れるんだろうなあ。一番奥まで突き当たって、小さな橋を渡ったら、鬼岩温泉湯本館があった。予想以上に立派な巨大な旅館だった。こんなでかい旅館がこんなところにあるとは思わなかったな。あんな細い道しかないのによくこんな大きな旅館が建造できたもんだ。資材なんかどうやって運んだのだろう。重機は入れたのかなあなどとどうでもいい事を考えてた。玄関前まで来て、バイクを止めたら中に入った。
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フロントでおねーちゃんが対応してくれた。温泉博士にハンコをもらって、温泉は7階です、エレベーターでどうぞと言われて、往年は栄華を誇ったであろう、時代錯誤ゴージャスなシャンデリアが下がるホールを抜けてエレベーターに乗った。コレがまた古いエレベーターで、階数を指示するボタンが押し込み式のボタンだった。7階まで上ると、扉が開いたら正面に温泉の男湯女湯の看板があった。そこへ行くと暖簾がかかっていたので暖簾をくぐって中に入ろうと思ったらしっかり戸があって頭打った。戸を開けて中に入ったら、ごく普通の旅館の温泉の脱衣所だった。先客が1名いた。古い風呂で、カランも古かった。シャワーが全然水だった。長い事出しっぱなしにしてたらようやく熱くなってきたが、今度は熱湯になってやけどしそうだった。それでもなんとか体を洗って、湯に浸かった。温度41度と掲示があったが、全然ぬるま湯だった。これくらいの方が長湯できるけど、でもちょっと温度低すぎるような気がする。おかげで露天風呂に行く気にならず、ずーっと入ってた。その間も、お客は何人もやってきて、意外に人気の温泉なんだな。たしかにラジウム温泉って貴重だもんね。なかなか暖まらんかったが、適当なところで切り上げて出た。服を着たら暑くなるかと思ったらそうでもなかったので、さっさとエレベーターで降りて旅館を出た。
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あとはまっすぐ帰って来た。おうちでお好み焼きを食べた。
本日の出費
なし
本日のFTR223の走行距離 139km
累計のFTR223の走行距離 16828km