栄光の7万キロはひっそり桑名朝日

12月7日(土)

12月なのである。いよいよ2013年も年の瀬が近づいてきたもんでなんだか落ち着かないのである。しかし、毎年毎年思うんだけど、1年ってのは早いねー、ついさっき箱根駅伝を見ながらお雑煮を食ってたと思ったら、もう世間はクリスマス、ジンジンジングルベルジンジンジングルベルすっずがーなるー、だもんな。まったく何もやってないうちに、あっという間に過ぎて、ああ、今年も怠惰な時を過ごしてしまった、来年はこんな事のないように頑張ろうなどと思う今日この頃なのでありますが、これまた毎年毎年思ってるんで、ちっとも成長がないのであった。いかん、これではいかんと思ったんだよ。だから今回、考えがあってさ、それは、毎年新年早々にやってるユーザー車検を年末に済ませてしまおうという作戦である。年末に済ませてしまえば、新年早々、緊張を強いられる事もないのである。なんせ我が家は低所得世帯にも関わらず、車検付き車輛が4輛もあるんだわさ。身の程知らずとはまさにこの事。ゆえに、ユーザー車検、お金をかけないで済ませるのである。で、とりあえず、クルマだけ先に受けにいった。ご存知のように、軽自動車の車検は軽自動車検査協会ってとこがやってる。普通自動車は小牧自動車検査なんだっけ、なんかよくわからん小難しい名前のところがやってる。別に同じ事やるんだから一緒にすりゃいいのに、こうやって余計な仕事を増やすのがお役所の賢いやり方なのである。で、軽自動車検査協会で車検を受けてきた。朝一番の予約をして、朝早くから行ったんだけど、12月だから年末だから混雑してるんじゃないかと思ったんだけど、そんなに殺人的な混雑はしていなかった。書類も、何度も何度もやってるので、気をつけるポイントもわかってたんで、問題なかった。だから、よゆーだぜ、フンフンと鼻歌まじりに検査レーンに入ったんだよ。そしたら、いつもの初心者用(不慣れな人用)レーンじゃなかった。げ、これ、業者さん用のレーンじゃん、音声ガイダンス無いじゃん。やばい、わからん、焦ったが時は遅く、ブレーキテストでどこに車輪を乗せるのかわからんもんで右往左往してるうちに、前がどんどん進んで空いてしまった。後ろの業者さんの顔がだんだん険しくなってきて、あにやってんだコラあ、おせーんだよボケえ、とドスのきいた声で罵詈雑言浴びさられそうで、焦って汗が滝のように流れて、あわわわと泡吹いてたら係の人が助けてくれた。で、なんとか問題なく終わった。いや問題だらけだったけど、不合格にならなかったので車検完了となった。めでたしめでたし。ということで、ツーリングに行く事にした。

さて、今回のツーリングは実に有意義なツーリングになるはずであった。なんと言っても前人未到の7万キロ突破なのである。この記念すべきツーリング、ガツーンときばったツーリングにしたろ。過去も、6万キロが城崎温泉、5万キロは熊本と、要所要所を記念すべき場所で迎えたんだからな。この7万キロもランドマークなポイントで迎えたい。そう思っていた。そう思っていたのであるが、が、しかし、世の中そんなに甘くないのである。なんせ12月である。山にはいけない。ランドマークなポイントと言えば、この辺りならやっぱり山の方になっちゃうよ。新穂高とか白川郷とか。そういうところに行けないとなると、どこへ行けばいいのか。しかも、温泉博士を使うとなると、極めて限定的なツーリングになってしまう、7万キロなのに。簡単に言うと、実は温泉博士の温泉で該当するのはもはや桑名のあさひの湯か、三河三谷温泉しかない。そして三河三谷温泉は営業開始時間が遅い。残るはあさひの湯しかないのであった。あさひの湯かよ、スーパー銭湯で記念すべき7万キロかよ。ガッカリなんだが、他に方法がないので仕方ない。目的地は桑名朝日と決まった。

さて当日、まっちゃん製のスペシャルハムサンドイッチレタスたっぷりバージョンを食ったら、実家ガレージに向かう。実家でモーニングコーヒーを飲んだら、さっさと出発するのだ。あさひの湯は朝9時から営業してるからな。ここは早い時間からやってるのがいいのだ。ガレージから旗艦CB1300SFを引っ張りだし、エンジン一発始動、このところ、旗艦ばっか出動だが、年内に7万キロ到達のためだからいたしかたない。しかし、今日こそ達成するのだ。なんか達成するとかしないとか、ブラック企業の営業ノルマみたいだな。そういうことで、今日達成できなかったら、休日出勤してでも達成してもらいますので、あわわ、休日出勤、なんて会話よくしたよなあ、ブラック営業職時代。思い出すねえ。思い出したくないわ。

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暖気を済ませて出発する。今日は目的地が桑名朝日で往復100キロくらいなんで給油無しで行く。ガソリンほぼ満タンで戻ったりしたらガレージに入れるの大変だもんな。そう言うことなんで、いつものコスモ石油は通過して19号線に出た。名古屋方面に向かって走っていく。今日は寒いとの天気予報だが、思ったほど寒くない。もっとも、朝の気温は高いから暖かいらしい。でも、このまま日中の気温が上がらないから寒いらしい。とにかく、体感的にはそんなに寒くないのが幸いだった。19号線を順調に走っていく。ルートはどうしようか考えて、市内を通り抜けるのは信号も多いのでやめて、新川の堤防を走るルートにした。19号を順調に進み環状線に入った。そして、モゾワンダーシティを越えた辺りで枝道に入った。新川の堤防道路である。このルートなら速いだろうと思ったのが間違いだった。展望道路のくせにやたらと信号が多いのであった。あれ、こんなに信号が多かったっけ? なんか記憶の一般保護エラーが生じているようだ。走るペースも遅いしどうなってんだと思って、ふとバックミラーを見たら、後にはクラウンアスリートのパトカーが虎視眈々と狙っていたのであった。くーあぶねえあぶねえ、あの惨劇の二の舞いはごめんだぜ。ゆっくり走るのであった。

そんなわけで、時間をたっぷりかけてあま市大治町など経由し、名古屋市中川区までやってきた。この辺りでマクドナルド休憩ポイントなんだが、今朝は実家モーニングコーヒーなんでスルーする。こうして1時間以上かかって国道1号線に到達した。ここから三重方面に向かう。コンビニにアメリカンのバイク軍団が集結していた。天気予報は晴れだったもんな、みんな走りに出るよな。などと思いつつ、進行方向の空を見上げると、そこにはどす黒い雲覆い被さっているのであった。なんですと? オイ、天気予報晴れ時々曇りじゃなかったか。あ、そうだそういえば所により雨が降るでしょうって書いてあったな。ヤバい、雨が降るかも知れん、この記念すべき7万キロツーリングなのに雨だと、あり得ない許せない。困ったどうしようかと思いつつ、とりあえず走っていくのであった。まあ、行けるところまで行こうか。

国道1号線も思ったほど込んでいなかったので、そこそこ順調に進んだ。思ったほど寒くないのもよかった。唯一問題は天候なのだった。確かに、雲の流れが速いからな。天気が変わりやすいかも知れん。でも名古屋方面は晴れてるんだよ青空が広がってるんだよ。なんかとっても不安定な天気だな、最近こればっかし。一度も行くことがなかったポカリの泉が取り壊しされてた。日光大橋の工事が進んで巨大な橋脚が完成間近だった。テルマ55の看板がセブンイレブンに変わってた。気がついたのはこんなくらいかな。

木曽川長良川を渡って三重県桑名市に入った。天気は回復しないまま、どす黒い雲が空の半分を覆っていた。陽の光が斜めに差してくるので、ちょっと不思議な光景になったりして面白いんだけど、バイクを止めるところがないので写真が撮れなかった。しかし、いよいよヤバいかも知れんなーと思いつつ、どこかで引き返した方がいいかも知れんなーと思いつつ、走っていったら、あさひの湯に着いちゃったよーん。あれあれ、はだあれ、じゃなかった、あれあれ、もう着いた。もっと遠くな気がしてた。勘違いだったみたいだ。よし、入ろう。立体駐車場に止めておけば、もし雨が降ってきても大丈夫だ。立体駐車場にバイクを止めて、温泉セットを持って建物に向かう。

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建物に入って、ブーツを脱いだら下駄箱に入れ、受付で96ペーシですよと教えてもらってハンコをもらうと、男湯の暖簾をくぐって脱衣所に入った。荷物をロッカーに突っ込んで、手ぬぐいもって風呂場へ移動する。ここは市街地に近い上に、国道1号線沿いの利便性もあってか、地元のじいさんが朝から青春を満喫してる感じだった。体操してるじーさんもいた。スーパー銭湯で体操してるじーさんって必ずいるよな。朝からお疲れさまです。そういえば、この前、病院の待ち時間に週刊誌を読んでたら、最近のじいさんばあさんの温泉事情って記事があって、朝から晩までスーパー銭湯入り浸りの話が書いてあったな。面白かったのは、風呂での会話が、じーさんたちの場合、まーはよ迎えが来てくれんかのう、なのに、ばーさんたちの会話が、まだまだくたばれんでなもっと長生きしたる、だそうで、何しろとにかく女性は強いのであった。そういえば、テレビでやってた戦艦大和の特集、沖縄特攻の生存者のじーさんらが、今になっても生き延びてしまった事を悔やんで嘆いているのに、その特攻を見送ったばーさんらは、あっけらかーんとしてケタケタ笑いながら昔話してる姿も印象深かったなあ。やはり女性は強いのであった。

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そんな事を考えながら体を洗って湯に浸かると気持ちいいのであった。ここはスーパー銭湯にしては湯は良い方だと思うよ。ただ消毒臭いのが難点だけど。なんていうのこの臭い、理髪店の臭いがプンプンするんだよ。それ以外は良いと思う。露天風呂も入ってタンノンしたら出た。入る前はちょっと寒かったけど、出たら暑い。しっかりクールダウンしたが、防寒体制の装備を着たらまた暑くなったんで、速攻で屋外に脱出した。外に出たら涼しくなった。よし、いい感じだ。そしたら、隣のパチンコだかゲームセンターから、ビシバシなホスト風スーツで決めた年配の男が現れた。鋭い眼光、切れ味のある身のこなし、間違いなく素人じゃねえぞコイツ。こういう業界はやっぱりそういう世界の人が仕切ってるんだ。ヤバい目を合わせたら消されちまう、目を合わせるな、と思ってたのに怖いもの見たさで見てたので目が合ってしまった。射るような鋭い眼光、しまった、消される、と思ったらニッと笑ってありがとうございましたと言われました。

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バイクに戻って出発した。すぐ近くにすき家があったのでそこへ入った。まだ朝食メニューが注文できる時間だったのでいつもの玉子がけご飯を注文しようとしたら、結構混んおりまして、店員さんが一人だけだもんでてんやわんやだった。おいなにやってんだよ早くしろよボケ、などと言いたくなる気持ちもわかりますが、こっちは200円の客なんで、200円の客らしくおとなしく注文を聞きにくるのを待つのであった。で、3人目の客として注文を取ってもらえた。混んでたので時間がかかった。かかったといっても知れてるけど。で、食った。食ったらバイクに戻って出発。頭上の空は青いのだが、山の方がどす黒い雲、そしてパラパラと雨が降ってきた。どこからか風に乗って運ばれてきたような感じだ。ちょっといそいで三重を脱出した方がいいな。国道1号線を桑名方面に戻っていく。雨がパラパラ程度で本格的に降ってくるような事はなかった。入っていたら、北の空に大きな虹が見えた。止まるところがなかったんで写真は撮れなかったよ、残念。

桑名市に入った。駅前付近まで来た。よしいいだろう、今回のもうひとつのミッションを発動させる。ここまで情報漏洩を危惧して最高機密扱いとしていたが、そろそろ、今回のツーリングの本当の目的を明らかにしてやろう。それはな、桑名がヒントだ。わかるかな。桑名と言えば、其の手は桑名の焼き蛤が有名だが、もうひとつ有名なものがある。そう、アレだよアレ。『最悪の場合、これはあらゆる条件が満たされなくても同じだ、永餅の大部分は海面下に没する』『よせてはかえし、よせてはかえし、かえしてはよせる永餅』『この星には永餅が多過ぎる、なぜこのような進化をとげたのか』『だれにも、永餅なんていわせないぞ』『残念ながら永餅の秘密を語る事は出来ない、自分の舌でたしかめろ』『永餅が共にあらん事を』『今何を考えてるか当ててやろうか、箱に何個永餅が残っているか考えてるんだろう? 実はオレも食うのに夢中で数を数えるのを忘れてた』『勝ったのはわれわれじゃない、勝ったのは永餅だ』『永餅砲内圧力上昇、餡子充填120パーセント、永餅砲発射用意、対ショック対閃光防御』『清め餅とは違うのだよ、清め餅とは』『ごめんなさい、永餅が出た時、どうすればいいのかわからないの。食べればいいと思うよ』『永餅、ゲットだぜ!』『お前はこれまで食べた永餅の数を覚えているのか?』『その子をはなせ、あたたたたー北斗永餅拳どーん』『オッス、オラ、永餅』『警告しておくわ、ソリッド永餅には近づくな』『安倍川餅とも違うのだよ』そう永餅である。

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安永餅である。これを密かに入手する、それが今回の極秘ミッションなのだ。思えば前回の痛恨のミスで入手できなかった安永餅、今回はそんなイージーミスはしないぜ。1号線を走っていけばかならず安永餅の店に到達するんだ。はたして、お店が出現した。バイクを止めて中に入る。マジで安永餅しかねーよこの店。こんなんで商売が成り立つとは、やはり永餅。三重最強。10個入りを買って袋に入れてもらった。横にならないように入れるもんで、横にしちゃいかんのかなあと思ったら、横にしても大丈夫ですよと言われた。バイクに戻ってシート下に格納する。よし、ミッションコンプリーツだ! 後は7万キロだけだ。国道1号線を戻って、帰りは名古屋市街を抜けた。しかし、ひょっとして距離が足らんかも知れんと思い、41号線を小牧に抜けてちょっと大回りルートにしたら、小牧の某所でついに7万キロを達成した。

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やった。なんかこんなどうでもいいところでひっそり達成しちゃったよなあ。

本日の出費
玉子がけご飯 200円
安永餅10個入り 1070円

CB1300SFの本日の走行距離 112キロかな
CB1300SFの累計の走行距離 70015キロくらいかな


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