タイヤ皮剥きに木曽方面は立ちゴケ

7月26日(日)

ライダーの人生は立ちゴケの人生でもある。管理人の立ちゴケ初体験は最初のバイクCBR400Fで、友達の家に遊びに行った時であった。友達の家の前にバイクを止めて降りようとした時にそのまま転がったのであった。ライダー人生初体験の立ちゴケは、しかし、意外にショックではなかった。それどころか、おお、転倒したじゃん、これでオレも一人前のライダーだぜ、などと訳のわからん独自の解釈で喜んでいた。次の立ちゴケは、ライダー人生初の長距離ツーリングであった。目的地は伊豆、金がないので下道をひたすら走っていくのであったが、当時から雨男だったんで、全行程雨、雨のなかひたすら国道1号線を走っていくんであるが、いつした疲れ切って、ぼーっとしてきて、信号で止まった瞬間に、転がった。その時も、ショックより、疲れきってたので、ああ、転がっちゃった、休憩しよう。とそのまま、バイクを起こして、その道路脇で休憩してた。雨が降ってるのに、そこでしゃがんで休憩してた。今思えばよくやったわ。若いってのは怖いもんなしだな。それから限定解除して、CBR750になったんだが、これが立ちゴケをしたのが、岡山県笠岡で、その日の泊まるユースホステルを探して行ったり来たりしてたら、路地で転がった。これはショックだったな。フルカバーのカウルが傷だらけになっちゃったんだもんな。ショックで死にそうだった。その次の日にも荷物を載せてる時に、サイドスタンドをしっかりかけてなかったもんで、転がって、もう悪夢だこれは悪夢だ、もう死ぬ、もう帰る。と泣きながら帰ってきた覚えがある。CBR750は、その後も転がりまくった。東北でもユースホステルを探してる途中で転がった。飯田の山道で道に迷ってUターンしようとして転がった。こんな転がりまくりののち、やはりカウルがあるのはダメだとCB1000SFになった。こいつは優秀で、10年乗って1度しか転がってない。家の前で転がった。乗ろうとしたら、転がっちゃった。その1度だけだ。それから、CB1300SFになった。こいつも優秀だったけど、何年ぶりか、もはや私に立ちゴケなどない! と確信していたので、木曽福島で転がった時はマジでショックで寝込みそうだった。オーマイガーアンビリーバオーオーノーであった。その時にマフラーにエクボができて、気になった気になった、それでマフラーを変えてもらったんだよな。ということで、ライダーにとって命の次に大切なバイクが転がるのは、バイクが傷つくこともあるけどそれ以上にライダーとしてのプライドがズタズタになるのであった。実にメンタルなアクシデントなのである。なんでこんなことを書くかというと、今日、久しぶりに立ちゴケしちまったからだよクソ。納車1年半、走行距離7000キロ台で、もう傷もんになっちまったよクソ。パンクに立ちコケと、呪われてる感じだな。まさしく、ハードラックとダンスしちまってるぜ。なんでこうなったか、これから話そうと思う。

そもそも、台風12号が来てたんで、諦め気味な週末だったんだが、天気が良くなたので、ツーリングに行くことにしたのだ。当然だよな。タイヤも新品で皮むきしないかん。夏休みのロングツーリングが目前になているから、コンディションを完全にしておきたい。皮むきしてないタイヤを履いたバイクでいきなり高速道路は走れんでしょ。そういうことで、皮むきするのには適当にうねうねで適当に走りやすい道がいいので、最近走ってない19号線で御岳に行くことにした。御岳でそば食って帰ってこよう。そういう、軽いノリで、当日も朝5時に起きて、天気は間違いなく晴れなんで、気象庁のサイトのチェックもしないで、朝飯食って実家でコーヒー飲んでから、リコール対応完了のCB1300SFライアンストーン号を引っ張り出して、晴天快晴青空の下出撃した。

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まずはガソリンで、コスモ石油に行くと、メール会員割引でリッター130円、15リットルくらい入った。この前たくさん走ったからな。ずっしり重くなったCB1300SFで19号線を北上するのであった。すでに気温は26度27度で、暑くなってきていたが、メッシュレザーなんで走ってたらそんなに気にならないのであった。時間が早いから快調に走っていくのであった。途中で、トロい軽自動車が走ってたもんで、信号待ちで前に出て抜かして走っていって、どんなトロいドライバーかと思ってバックミラーで確認したら、横浜銀蝿の翔みたいなバリバリヤンキーのケンカ上等な人だったので、ああ、ヤバイなあ、次の信号で止まったら、降りてきてケリいれられるかもしれんなあ、と不安になったけど、次の信号で追いつかれても何もしてこなかったので良かったです。

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そんな感じに、平和で悠然と19号線を走って、休憩ポイントの元起まで来たら、トイレ休憩にしようと思ってバイクをそっちに入れたら、観光バスが真ん中でどでーんと止まってて、じいさんばあさんが長々と行列を作ってトイレに進行中であった。ダメだこりゃ、ここはパスしよう。そのまま再び19号線に戻ってさらに進んでいくのであった。そして、道の駅をいくつかスルーして、結局、大桑村のセブンイレブンで休憩した。体にいいセブンイレブン野菜ジュースを飲んで出発した。

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それから順調に進んで、御岳の見えるところまでやってきた。ここの水車屋でそばを食うつもりだったが、まだ営業時間には早いので、御岳の方に行ってみた。開田高原に向かうルートを走っていくと、さすが開田高原、寒いくらいに涼しいのであった。いやー、これくらいだと気持ちよく走れるね。木曽馬の牧場などがある繁華街を越えたところで、御岳目前だったから、写真を撮ることにした。で、止めるところを探したんだよ。安全な安心して停められるところをいろいろ吟味して、ちゃんと舗装されている脇道に止めた。そして、御岳の写真を撮った。

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何枚か撮って、そろそろ腹も減ったし、蕎麦屋が開店してないかなあと思って、戻ることにした。バイクにまたがった。その時に、Uターンしないかんから、バイクに乗ってするより、降りて引っ張ってUターンさせた方がいいんじゃないかと思ったんだよ。いつもそうしてるからね。乗ったまま低速でUターンは一番立ちゴケしやすいからね。しかし、そこで悪魔が囁いたんだよ。このまま行っちゃえよ、もうできるだろ、Uターンくらいでビビってたら、このまま一生負け犬人生だぞ、コンジョー見せろよ。いつもなら、やっぱやめとこ降りてUターンしよう、と思うのが理性であった。しかし、その時に、なぜか理性がよそ見してたんだろうなあ。キレイな女の子でも見てたんだろうなあ。そのまま、乗ったまま、Uターンしたんだよ。そして、転がりました。

どう言ったらいいのかな、立ちゴケってさ、なんで立ちゴケするのかよくわからんのだけど、こういう立ちゴケするかもしれないシーンって、実は気がつかないだけで何度も経験してるんだろうな。その度に、何事もなく運良く過ぎてるのが、たまたま、今回、運悪く転がっちゃったっていうのかな。それは、どうにも、地面からニョキっと手が伸びてきて、バイクを掴んで地面に引っ張って転がしたみたいな感じだった。バランスってのは崩れると早い。あっという間にどうにもならなく転がるのでした。

ああ、やっちゃった。

ただそれだけであった。

ああ、コケちゃった。

ただただ、それだけであった。

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みやこちゃんの身代わりに来てくれた、CB1300SFライアンストーン号であったが、その身代わりに大事に大事に乗って行くつもりだったのだが、なんと、納車1年半で傷物にしてしまった。走行距離7000キロ台で傷物にしてしまった。10年間無傷で乗り切る作戦が、すでにパアであった。その時に走馬灯のように走り去る光景が、冒頭に述べた過去の立ちゴケシーンであった。ああ、進歩していない。全く進歩していない。ロングライダーを気取っていても、しょせんは立ちゴケ未熟者ライダーであった。この前みたいな、これは夢だとか悪夢だとか思うこともなく、現実が横たわっているのは冷静にわかっていた。どれくらい時間そうしてたのか、おそらくほんの数十秒だったろうけど、なんとかバイクを起こして、損傷箇所をチェックした。

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マフラー、クランクケース、ハンドルエンド、フロントブレーキレバーに傷が付いていた。またがってエンジンをかけると、まったく何事のなかったように、1300ccのインラインフォアが目を覚まし咆哮をあげた。とりあえず動くようなので安心して、近くの広い駐車場に移動してから、もう一度損傷箇所を確認したが、やはり、最初の確認した部位だけだった。思ったより軽傷で済んだので安心した。しかし、プライドはズタズタであった。油断した。いつもなら絶対に引き回してUターンしたのに、なんで乗ったままUターンしようなんてしちゃったんだろう。ただただ後悔の念に責め立てられるのであった。思い上がりがあった。これはその警告なのだろう。思いあがった気持でロングツーリングに行って、とんでもない事故を引き起こしてたかもしれん。その前に、こうして自戒の念を持つために、このバイクは自らの体を傷つけてオレに教えてくれたんだ。ああ、ありがとう。泣きながらCB1300のシートにほおをスリスリしてたら、通りかかった家族連れ観光客が、アブない人を見る目つきで見て、早足で去っていった。

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なんか食えば気が落ち着くだろう。やはり、当初の予定どおり、水車屋に行こう。これくらいの障害にヘコたれてはいかんのだ。そうなのだ、障害を乗り越えてこそ人生に勝利が訪れるのだ。CB1300SFライアンストーン号は、転がったことなど、まったく全然気にもならないへのカッパと言わんばかりに走り出して、ライダーの傷ついたガラスのハートとはエライ違いだった。水車屋まで行ったら、まだ準備中だった。女の子が準備してたので、何時からですかと聞いたら11時からです、というので、それまで何処かで時間をつぶそうどうしよう、そうだ、奈良井くらいならちょうどいいな。そう思って奈良井街道に行ってみた。

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そこで観光客みたいな感じで時間を潰してた。漆の箸が良いのがあったので買った。水車屋に戻った。営業してたんで、店に入った。開店したばかりで客は誰もいなかった。椅子の席に座って、メニューを見たらぶっかけが一番最初に載ってたのでそれを注文した。時間がかかるかと思ったが、結構早くできた。で、結構豪華メニューだったよ。しょぼいそばだけかと思ったら、いろいろ付いてて、これ結構いいじゃん。食ったら、これまたうまいじゃん。食ってる間にどんどん客が来て、やはり人気店なのであった。あっという間に食っちゃった。満足して店を出た。

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CB1300SFライアンストーン号に乗り、帰路についた。

家に帰ってきたら、バイクを洗車して、もう一度、損傷箇所をチェックしたが、最初に確認したところだけだった。とりあえず一安心だな。先回のパンク、そして今回の立ちゴケ、いろいろありましたがコードネームがライアンストーンですから、いろいろあっても必ず生きて帰ることはできるようだ。

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晩飯は、奈良井で買ってきた新しい木曽漆の箸で食った。

本日の出費
セブンイレブン野菜ジュース 125円
奈良井宿駐車場 200円
箸 650円*2膳
ぶっかけそば 1080円
セブンイレブンスポーツドリンク 100円

本日のCB1300SFの走行距離 300キロくらい 
累計のCB1300SFの走行距離 7930キロくらい

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