紀伊国海岸線会議 その1
イントロダクション
毎年恒例のゴールデンウィークがやってくる。CBR600RRで泊りツーリングに行くのがゴールデンウィークである。いつの間にかそうなってしまった。これまで伊豆半島温泉三昧として、すべての伊豆の温泉を網羅攻略するロングスパンなライフワークを続けてきたが、温泉自粛のおり、その活動は無期限活動停止となっていた。で、一昨年は、どこへ行くか迷いに迷って、金沢に行ったんだよ。迷いに迷って決めた割に大成功で終わって、まぐれ、大いなるまぐれ当たりのツーリングだったんだけど、で、昨年は富士山一周してきた。これまた晴れに恵まれて大成功、久しぶりにうちに帰りたくないなぁ、なんて思うツーリングになった。さて、本年2017年どうするのか。2、3日のツーリングで行ける範囲では、紀伊半島能登半島あるいは箱根富士、信州くらいで、消去法で決めると信州はまだ寒そう、箱根富士は混雑しそう、能登半島はちょっと遠いかな、ということで、紀伊半島になった。CBR600RRが、これまで最先端を制したことがないバイクなんで、今回、本州最南端にある潮岬を攻略するのを目標とする。しかし、CBRは雨天走行厳禁ゆえに、ギリギリまで天候を見極める必要があった。ゆえに宿泊予約はギリギリまでしないで、大まかなルートと、ホテルの候補を挙げておいて、あとは天気予報次第なのだった。雨男なんで、毎年毎年、だいたい土壇場で雨になることが多いんだよ。それがあるのであまり準備に気合が入らんかったんだけど、今年は早々にツーリング予定日が晴れ予報になってて、でも、不安定な天気というので、要するに、晴れ時々曇りで所によりにわか雨か雷雨があるでしょうっていう晴れですよ、どうにも急変するかもしれんから、晴れ予報が信用できなくて土壇場まで待ったんだけど、なんと、やっぱり土壇場まで不安定要素を含む晴れ予報が変わらずなのであった。で、土壇場まで決断を先送りして、当初は5月1日でから行く予定を、4月30日からに繰り上げて、なんとか和歌山のみ不安定要素が回避されるようなので、そこで、行く事を決断した。急いで準備を開始して、宿の予約をしようと思った。で、昨年はゴールデンウィークの紀伊半島の観光地って意外に人気があるようで、すでに予約の取れる宿ないですわ、なんて事になったんだけど、今年はそうでもなくて、ちゃんと宿が取れた。ということで、行くぜ、紀伊半島に行くぜ。
4月30日(日)
4時に起きて、実家新型ガレージに荷物を持っていくと、積載をすませる。そして、戻ったらまっちゃんが起きてたので、まっちゃん特製モーニング鶏ハムセットを食って、本日の予想気温25度にもかかわらず現在は8度くらいらしいので、とりあえず冬装備、暑くなったら脱ぐ方向で、まあそれも荷物になって困るけど致し方ない。そして、再び実家新型ガレージに行くと、CBR600RRジョン・カーター号を引っ張り出して、サイドスタンドをしっかり確認して止めた。もちろんガレージの前に。そして、カテキン茶を飲んで冷静になってから出発した。
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まずガソリンだ。いつものコスモ石油に行くと、ハイオク満タンにする。今回はレギュラーと間違えんかったぜ。たっぷり給油して、前回の給油レシート割引もした。どうやらこの割引付レシートは1500円以上で出るみたい。いつもバイクの給油金額では割引が出ないのに今日は出た。給油金額は1500円ちょっとだった。よし、これを次回使おう。帰ってきてからな。
ハイオク満タンで出撃である。19号線を勝川方面に走っていく。時間が早いので交通量は少なめだが、しかし、勝川インターに着いたら、すでに楠で事故注意の表示、あらもうやっちゃったんですね、ゴールデンウィーク開始早々に事故とはついてない方々だ。他山の石として、自分も気をつけようと思うのであった。勝川インターから料金を払って名二環にはいった。すぐに楠の事故現場だ。軽自動車2台とミニバンで事故ってた。軽自動車は後ろがぺちゃんこだった。
そこを過ぎたらあとは順調に進む。天気もいいし、思ったほど寒くない。もっと軽装にしておくべきだったかもな。
名古屋西で名二環から東名阪道にはいった。そこからも順調に進む。バイクも多い。みんな天気がいいから気合が入ってる。しかし、例によって四日市から鈴鹿では渋滞が発生していた。低速走行が続いて、忍法を使いかどうするか迷う。そしたら、後ろから来たハーレー軍団、旧車軍団がガンガン抜かして行った。うーん、何だかなあ。マナー的になあ。自分もやるけど、端から見るとけっこう迷惑な感じなんだなあ。ちょっとビビって、低速追従走行にした。しばらくそうやって進んだら、何で渋滞になるかわかったよ。3車線が2車線に減るのであった。そりゃそこで渋滞するわな。おそらく交通量が多いから、四日市鈴鹿間を3車線にしたんだろうが、2車線に減るところで渋滞になるのは当然だ。かつての名古屋市と春日井市の境界線あたりの19号線もこんな感じだったから、慢性的に渋滞してた。全線車線になってようやく解消したんだ。ここも早くそうなるといいと思うよ。
3車線から2車線に減ったら、いったん詰まるが、しかしそこで渋滞も終了する。渋滞を抜けたらカッ飛びで進んで、亀山で一旦休憩を取った。この先のルート確認だ。伊勢方面に新しい高速道路で行くのは初めてだもんな。間違えんようにいかんとな。さっさと確認だけしたら出発。そこから伊勢自動車道にはいった。すこぶる快調に進む。天気もいいしサイコー快調に走って、勢和多気ジャンクションから紀勢自動車道に入った。ここからは未知の領域だ。オラ、ワクワクしてきたぞ。交通量が少ない専用道路で、天気もいいし、気分もいいのでのんびり走ってたら、バックミラーに急接近するのは地元ナンバー。げ。こっちはとりあえず制限速度に色つけて走ってるのに、地元ナンバーはものすごい勢いで走ってくるのであった。ちょ、アンタ、それ捕まったら一発免停の速度超過だよ。こっちはいつそやのジョーの件があるので、こういう道ではあまりかっ飛ばさないで走るようにしてるんだ。しばらく走ったら、ゆずり車線追越車線があったので、そこで譲ってやると、みんなすごい猛スピードで走って、あっという間に見えなくなったよ。うーむ、紀州のドライバーは頭文字Dかワイルドスピードの世界だった。見えなくしてやった以下略。
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さて、そろそろ休憩したい。奥伊勢PAまで来たので休憩しよう。バイクを止めて、腹減ったので、モーニングでもしようと思ってたが、残念だがモーニングサービスの喫茶店などないのであった。あるのはフードコートであった。メニューがレジ横にあるのでそこ見てと言われて見たら伊勢うどんがあったのでそれを頼んだ。ちょっと冷えた体に温かいうどんがいいと思ったもんんで。それに伊勢だし。本当はマンボウ焼きを食う予定だったが、道の駅紀伊長島はまだはるか先であった。座って待ってたら割と早くできた。はふはふ食ったらうまかった。うーむ、フードコートあなどれん。食ったし腹も落ち着いたので出発する。
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その後もゆずり車線では地元ナンバーにガンガンに追い越されつつ、無料区間を経て最終の尾鷲まで来た。速いもんだなあ。かつてCBR400Fで来た時は1日がかりだったよ。道路事情の進化は素晴らしい。国道42号線に入って、ようやく下道を走っていく。コンビニで地図を確認して、それから熊野を目指す。
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やがて鬼ヶ城に着いた。久しぶりの鬼ヶ城にビックリだった。世界遺産に登録された途端にこの扱いかよ。以前はくっちゃくちゃに寂れたどうしようもない観光地でだったじゃん。マジで昭和の忘れ物みたいな観光地だったのに、いやー、やはり世界遺産というレッテルはすばらしい。どこの観光地も喉から手が出るほど欲しがるわけだ。バイクを駐車スペースにとめて、ホンダのホーネットできてたライダーとちょっとお話しして、それから、せっかく来たし、鬼ヶ城見とこうかと思って見に行ったら、相変わらずの、まあ、どうってことのないただの岩山だった。その点は昔と同じだったので、安心した。
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鬼が城を出たらコスモ石油があったのでガソリンを入れて、それから事前にネットで情報収集してたランチの店に行った。そしたら、ネットで見たより、なんというかボロかった。で、考えた挙句やめた。とりあえず国道に戻って走って行ったら、獅子岩のところに鯉のぼりの大群がはためいてそれは壮観な眺めであったが、バイクを止められず写真撮れず、行ったり来たりしたけど結局無理だったのであきらめた。よくある話だ。しかし見事な鯉のぼりであった。
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そこからちょっと走ったところで、さんま寿司ののぼりが上がった、良さげな店があったので、どうしようか迷ったが、ここで食っておかないと食いそびれると決断、バイクを駐車場に突っ込み、店に入った。店内は混雑してたので、これはいい店に入ったなと思って、さんま寿司とうどんのセットを頼んだ。またうどんになっちゃったけど、さんま寿司だけってのは寂しいもんな。混んでるから時間かかるかと思ったら、意外に早くできたので、なかなか商売上手というかいつも混んでる人気店なんだな。うどん食ったらうまかったが、さんま寿司を食ったらそんなうどんなんかどうでも良くなるくらい上手くてたまらんくーこれうまいうまいやばいまじやばいのであった。4個しかなかったんで、あと20個くらい食いたかったがもはや満員御礼状態店内で追加注文はできなかった。遠慮深いんですよ。図太い神経の方が羨ましい。だから、次のお客さんのために、食ったらさっさと出た。なにしろうまかったので大満足だった。
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国道に戻って先を進む。やがてついに和歌山県に入って、今回のツーリングの目的地の新宮に来た。久しぶりの新宮だ。その昔、CBR400Fで紀伊半島一周した時には新宮速玉ユースに泊まったんだよ。1日かかって来たもんで、ついた時にはバタンキューだったな。したがって、この付近の観光は全然してないので、今回はそのやり残した観光をするのだ。速ちなみにそのユースまだあった。あったけど、営業をやってるかどうかは不明だ。では、あのとき見れんかった速玉大社を見ようぞ。駐車場にバイクを止めて見に行ったら、見事な赤い神社があった。思ったほどでかくなかったけど、荘厳な感じが良かった。
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そこを見たら次は今回の目玉、神倉神社に向かった。案内標識に従っていくと、細い路地の奥にあった。駐車スペースはしっかり整備されててトイレもきれいにされてて、世界遺産になった効果ですか。バイクを止めて歩いて行った。で、上り参道まで来たら赤い鳥居の奥に進撃の巨人の防壁みたいな石段があった。なんじゃこれ? 茫然自失。なんかものすごい岩山急斜面なんですけど、え、これ石の階段なんですか嘘でしょ、この登るのマジですかウソでしょ。しかし、向こうから家族連れが降りてくるので、やっぱりこれを登るのだ。あはは。仕方がない、ここで引き下がっては一生チキン野郎だ、行くぜ。
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で、登ったけど途中で一旦死んだ。転んだわけじゃないよ死んだんだよ。
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死んだので幽体離脱して山頂までたどり着いた。御神体の巨大な岩は、今にも転がり落ちそうなんですけどダイジョーブなんですか? なんとも凄まじい神社であった。しかし、こんな環境にもかかわらず、観光客はひっきりなしで、登ってくるのであった。老若男女来るのであった。人気スポットはすごいな。頂上を制したので、来た道を苦労してお降りてきて、そして再び生き返った。良かった良かった。オレはやったやったんだやりとげた。しかし暑い死にそうに暑い。ちょっと脱いで軽装にしてから出発した。これで新宮に思い残すことはないな。ちなみのこの神社、登る方、女性の方はミニスカートはやめましょう。見えます。いや見えたわけじゃないよホントだよ。降りてくる女の子2人組の片方の子のスカートが短くて見えちゃったなんてことないよホントだよ。まあ、そんなの見てるからヒドい目にあったんだけどさ。
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それから時間があるので那智の滝に行ってみた。もう歩きたくないので滝だけ見た。いやあ相変わらず美しい見事な滝であった。
再び国道に戻ったら、いよいよ串本への道である。予定通りに走って橋杭岩まで来た。そしたら、ここも世界遺産登録効果で立派な建物が観光施設が出来てた。むかしは単に路肩があっただけなのにね。世界遺産登録おそるべし。観光バスもひっきりなしで、バイクもいっぱい止まってて何だかもうかつての橋杭岩じゃない。昔はいい娘だったのに、都会に出てケバいねーちゃんになったみたいな感じで、もうやんなったので、そこを後にした。
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本当は箸杭岩の向かいにある和食店で晩飯にする予定だったんだけど、さんま寿司の美味しい店らしいだけど、さんま寿司食っちゃったんで、プランBに変更する。プランBは、実は店の場所も名前も忘れちゃったんだけど、地元の人御用達の洋食店だ。なんとか記憶の糸を手繰って、串本市街をウロウロした。でもわからんもんで、仕方がないので最新IT機器を使うことにした。そしたらすぐにわかって、そっちに行ってお店を発見した。いやーすごいねiPhoneは便利だ。しかし、想定外なのは、意外にオサレな店だった。で、お客は地元のお嬢さん奥様ばかりだった。マジおっさん1人はいるのは自殺行為である。うーむ、さんざん迷って、やっぱり入る決断ができず、他に店がないかもう一度ウロウロ走ったんだけど、しかし、ほかに食事できそうな店はなかった。そこで決断した。もういい。たとえおっさん1人でも入っちゃる。あえて言おう旅の恥はかき捨てであると。で、再びそこへ行って勇気を振り絞って中に入ったら、美人のウエイトレスに笑顔でむかえられてほっとするのだった。
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席に案内されて、おすすめのハンバーグセットを注文した。しばらく待ったら出来てきた。食ったらゲロゲロであった。コレヤバイマジヤバイ。こんなうまいハンバーグ食ったことない。うーむ、さすが地元のリピーターばかりの店だ。くー。あっとうまにたいらげて、満腹であった。満足して店を出た。勇気を持って入ってよかった。
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食ったらホテルに向かう。今日のホテルは串本ロイヤルホテルである。丘の上のホテルである。想像以上に大規模豪華なホテルだった。ホテルの広大な駐車場にバイクを止めてチェックインする。部屋に入ったら荷物を整理して、まずは汗だくなんでシャワー浴びて浴衣に着替えてツーレポ書いて、書いたら温泉に入った。うーむ、やっぱり大浴場はいいなあ。あとはは部屋に戻って寝た。
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