6月 4日(木) 襟裳岬 → 釧路湿原 → 屈斜路湖/和琴半島/三香の湯 → 摩周湖 → 川湯温泉 
6月 5日(金) 川湯温泉 → オンネトー温泉/アイヌコタン → 養老牛温泉/開陽台 → 厚岸
6月 6日(土) 厚岸 → 納沙布岬 → 野付浜の湯/標津温泉くすのき → 瀬石温泉/相泊温泉 → 羅臼温泉
6月 7日(日) 羅臼温泉 → 熊の湯 → 知床峠 → 知床五湖 → オシンコシンの滝 → 温根湯温泉

 

 

6月4日 木曜日 曇りのち雨のち曇り

 

朝起きたら外はすごい風だ。曇っていて今にも降り出しそう。部屋の風呂で朝風呂にした。だって共同風呂はぬるいもんな。テレビで天気予報を見るが今日も明日も当分天気は駄目みたいだ。やってられんな。外はガスこそ消えたが、空は暗く、気分はいかにも最果ての地だ。何と言っても、ここえりもは太平洋側なんで、宗谷岬と違ってこの先は広い海しかないんで、そういう意味では宗谷よりも最果てでしょう。そんな所に泊りに来るなんて物好きだ。ちなみに、今日の客はほかに京都ナンバーの老夫婦だけ。朝飯を食ったらさっさとチェックアウトした。昨日から玄関で寝てるのはここんちの犬。名はハマー君。今は来客用のソファで寝てる。見送りはなしかい。

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すごい寒いので、今日は皮ジャンの下3枚に増強した。荷物を積んで8時10分、出発だ。黄金道路かっ飛ばして行く。天気が良ければ素晴らしい展望なんだろうが、鉛色の空に覆われて、襟裳岬の荒涼感寂寥感がいやがおうにも感じられるのであった。途中、フンベの滝で止まった。滝というより漏水に思えるが。その先もどんどん走っていくが、なにしろ工事中の交互通行が多いな。荒波にさらわれて年中工事を強いられるこの道路は、どんどんトンネル化が進んでいるようで、長いトンネルはすべて工事中だった。

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途中、セブンイレブンで切手を買って絵葉書を出す。ここのセブン、ポストはないが、裏に郵便局があるのだった。そこで投函。完全冬装備のニンジャが通過して行った。この時期に数少ないツーリングライダーだ。

再び出発、途中で雨が降り出す。まだぱらぱらという程度だが、本降りになってくると判断してカッパ着用する。

10時ごろ晩生温泉通過。このあたり唯一の温泉なんだが、行ったことがあるので、今回はまあいいか。

どんどん走る。雨は霧雨で道路があまり濡れてないがカッパは濡れる。ひたすら走るのみ。並走する根室線の青い列車が走って行くのがかっこいい。

白糠で道の駅休憩にした。それにしても北海道の道の駅はしょぼい。岐阜の道の駅が立派すぎるという意見もあるが、県の業者との癒着の違いということだろう。バイクがいっぱい休憩に集まってきた。ハーレー3台、ビラーゴ、ホンダCB400など。みんなおっさんだよ。なんか、ええ歳こいて、アンタら何やってんの? みんな、いい加減大人になったらどうだ。

またしても走り出す。どんどん走る。ずんずん走る。釧路に着いた。釧路湿原展望台に寄ってみるが曇ってて全然分からない。あきらめて出発すると、途中、道の上から釧路湿原が霧の中に浮かび上がってきれいだったが、止まるわけにいかんので写真も撮れずに走りきった。

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天気が回復する見込みはまるでないので阿寒湖は断念する。弟子屈でセイコーマートに寄った。ココア58円とヨーグルト68円を買って食った。北海道が世界に誇るセイコーマートは安売りが多いから好きだね。気がついたんだが、中部地区ではセブンイレブンが打倒サークルKで戦略的出店を繰り広げているが、ここ北海道では打倒セイコーマートなのか、どうもセイコーマートのあるところ、必ずセブンイレブンもあるんだよな。

さて、雨は止んだようが、まだ安心できないのでカッパ着用したまま行く。とりあえず屈斜路湖に行くことにしたが、方角がわからず道に迷った。うろうろして駅の方に行ったり、阿寒湖の方に行き掛けたりしてなんとかたどり着いた。屈斜路湖の和琴半島に行って、駐車場にバイクを停めた。

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そこの案内板を見ると、無料露天風呂や共同温泉はここから歩いていくようだ。カッパ着用のまま、まずは無料露天風呂に歩いて行く。しばらく歩くと屈斜路湖が目前に現れる。連日の雨で、明らかに湖面が上昇しており、岸辺に波打つ湖水はあふれかえっている。暗い雲に覆われた空に、あふれる湖面のシチュエーションはちょっとシュールだぜ。なかなかこんな光景はお目にかかれないぞ。ポジテブシンキンということで。そこから更に歩くと、無料露天風呂があった。露天風呂なのか、単なる池なのか、ぱっと見よくわからんが、手を入れると確かにお湯だった。まあ、お湯はちょうど良い温度だが、水無温泉みたいに底が冷えてるかも知れんし、なにしろ寒いので入りたいけど止めた。ちょっと恥ずかしいし。カヌーに乗ってる人たちがいるし。誰もいなかったら入ったけどさ。共同温泉は遠いので歩くのメンドー。かといって、このままでは済まんので三香の湯に行くことにする。

バイクに戻って出発。来たときに見た看板の方に曲がった。そこからわからなくなって道に迷うが、うろうろして何とかたどり着いた。たどりついたが苦手な砂利駐車場だぜ。やれやれ。しかも犬2匹寝てるし。怪しいのが来たのに吠えんし。番犬の意味ないし。

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バイクを止めて温泉に歩くと、なんとぼろい建物だ。建物と言うか山小屋と言うか掘建小屋と言うか、入口には昨年閉鎖の張り紙があり、買い手が見つからないうちは営業しますとのこと。でもそれもどうなるかわからんらしい。そんなこととは全然知らんかった。温泉バブルもはじけたのか。ひょっとしたら、ここに入れる最後のチャンスかもしれん。そういう意味ではおいしいタイミングで来たな。中に入るとおっさんが一人作業中、温泉は入れるとのことなので400円払って露天風呂へ行く。すると、木の枝にはりすがいた。えさ場が用意してあり、そこでひまわりの種を食うのに熱中している。ほんまもんの野生のりすだ。かわいいな。もうちょっと良く見ようと思って近寄ったらびっくりしてぴょーんと木に飛び移って逃げていっちゃったよ。くっそー、しまったなー。かなりジャンプするんだな。仕方がないので温泉へ。脱衣所に入ると、いかにもな作りだった。温泉はほとんど風呂と言うよりうなぎの養殖水槽みたいだ。ワイルド。入ると熱いぞ。手前の湯船が熱い、奥の湯船がぬるいようだ。ゆっくり入って天界なのであった。いやー、素晴らしいよ。これは素晴らしい。お湯の温度ももちょうど良いし、めっちゃくちゃ自然の中な感じじゃん。さっきの無料露天風呂にしないでこっちにしておいてよかった。いつまでも入っていたいが、そうもいかんのでタンノンしたら出た。

温泉を出たら、カッパなしで走る。コタン湯、池の湯、砂の湯などいろいろな温泉に入るつもりだったが、この天気では無理なので止め。でも現場だけ見ることにした。場所がわからないので行ったり来たりしたが、さっぱりだ。どうも道が悪路のような雰囲気もある。やーめた。悪路嫌いだもん。さっきの温泉が良かったので満足してるから、精神的余裕がたっぷりなのだ。ほっほっほー。まだ時間があるので摩周湖へ行ってみよう。どうせ天気が悪いからだめだろうと思ったら、急に空が明るくなって青空が出てきたのでこりゃラッキー、しかし、静岡ナンバーのとろいキャンピングカーがのろいので、摩周湖展望台に着いてころにはまたドンより曇ってしまったのでなにも見えない。展望台は通過して川湯温泉に戻った。

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本日の宿、国民宿舎ホテル川湯パークに着いた。チェックインする。部屋はまあまあいい。07年にリフォームしたので一部の建材は新品同様きれい。まず温泉にはいる。予想してたのより狭いのでがっくりだ。写真で見たらもっと広い様に見えたんだがなあ。でも湯はさすがにいい。以前泊まったところは、源泉垂れ流しでも、マジ垂れ流しなんで熱くて入るの大変だったが、ここはあらかじめ加水してるので適温だ。アトピーの部分に殺菌効果を特に感じる。ゆっくり入って出た。晩飯は食堂で、国民宿舎の晩飯は絶対に冷たい天ぷらとフライが出るがここもそうだった。これいい加減何とかならんか? 50人も客がいるわけじゃないんだからさ。今夜はちなみに1人客2組 2人客1組 3人客1組の合計7人。食ったら温泉街に買い物に出かける。これがやってみたかったんだ。絵葉書だけ買おうと冷やかしてたら、一位のマグカップを安くしたるで買ってけと言われて買ってしまった。あとお菓子も買って送ってもらう。お菓子は当然、北海道が世界に誇る銘菓白い恋人だぜ。これ以外は考えられん。他にもツアーの観光客が買物に来てたが、オフシーズンなんで静かだな。ちょっとさびしい。

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宿に戻って再び温泉に入る。出たら洗濯だ。今回はコインランドリー初挑戦。だってさすがに2週間分着替えを持ってくるのは無理だからな。フロントで洗濯石けんを買って、ランドリーに行く。洗濯機に書いてある説明通りお金を入れたら、洗濯槽の掃除も終わらないまま勝手に洗濯を始めた。なんで? フロントを呼んでおかしいよと言うとやり直してくれた。洗濯がすんで、乾燥させる。洗濯300円乾燥200円合計500円もかかってしまった。もったいない。でも仕方がない。部屋に戻って布団を敷く。せんべいふとんに綿ふとんだぜ。部屋にトイレなしは仕方ないが、洗面台くらいは欲しいよな。予約する時ホテルプラザと迷ったんだが、そっちにしとけば良かったかな。

京都地検の女を見るのを忘れたが、BOSSは見た。寝る。

 

6月5日 金曜日 雨のち曇り

 

朝はとりあえずまだ降ってない。天気予報によると、この辺りは曇りのち雨、今日の目的地釧路方面が雨のち曇りなんで、早めに出て、雨が降る前に温泉に行ったりしよう。曇りになったころに釧路方面に移動する作戦だ。完璧である。

当然、朝温泉に入る。強い酸性なんで、長湯できないから、何度も入るのが良いな。

案内がなかったが朝ご飯は7時からだった。どうにも、ここの宿の人はおおらかと言うかテキトーと言うか、ペースが狂わされるな。ビジネス客らしい男と、観光バスの運転手と乗務員が飯を食ってた。負けずに食うぞ。でもメニューはさびしい。ごはんおかわりする。コーヒーもあったので飲む。いまいちだった。

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雨が降っていたら、10時ごろまで宿でうだうだつもりだったが、降ってないので出発することにした。チェックアウトする。宿の人は新聞見ながら「今日は天気よくないね」「ずーっと悪いですよ」こっちは週間予報も確認済だからわかってます。すると、宿の人「ほんとだ、全然晴れマークないね」おいおい、ちったあ気を使えよ。「週間天気予報なんて当てにならないからきっと晴れるよ」とかなんとか言ってくれ。もう事態は新進党の末路のように絶望的だな。

荷物を積んで出発だ。ガソリンを温泉街にある出光で給油する。ロングボディの牽引タンクローリーが入ってきた、大迫力だ。ガソリンを満タンにして出発した。

まず、美幌峠に向かう。が、走り出してすぐに雨が降り始めた。それも本降り。まじかよ。もうちょっと早く降り出してくれたら、出発しないでもう一回温泉に入ってうだうだしてたのに、クソったれ、もういい加減にしやがれこのクソ北海道の空! 完全マジブチギレ! チクショー、なんでだよ、何でこんな天気が続くんだよ、オレが何したってんだクソ、逆上! てるてる坊主を引き千切って、屈斜路湖に捨ててやった。ぶつぶついいながらカッパを着て、荷物にカバーを掛けて、クソ、てるてる坊主に名前が入ってるのを思い出して、拾いに行った。それ以前に、ごみのポイ捨てはやっぱりいけないし。いや、良い子ぶってるんじゃなくて、単なる小市民です。

美幌峠に向かうが、雨足はひどくなるしどう考えてもこの天候では行っても何も見えないので断念。阿寒温泉に目標変更だ。オンネトーの温泉に入って、雨がやむのを待つ作戦だ。阿寒温泉までの山道は急カーブで霧もひどくて大変だったが、なんとかオンネトーまで来た。ここまで来た自分を誉めてやりたい。どうせこんなひどい雨じゃ、温泉に入るドコロじゃないぞと思ったが、オンネトー付近でやんだ。ラッキーじゃん。オンネトー温泉景福は、砂利の駐車場だった。ビビリながら駐車する。で、入り口を見たら「準備中」っていうか、やってなさそうなんですが。

がっくり。

だが、やることはやった。おれは逃げなかった。それが大事なんだ。それが人生だ。こぶしを突き上げてポーズを取っていたら、「温泉? 15分くらい待ってくれれば入れるよ」といきなり現れた御主人、「露天風呂ならすぐ入れるから、入って待ってれば良い」ということで、入ることにした。

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カッパとヘルメット、ブーツは玄関においてもらって、露天風呂に行く。工事現場の作業所みたいなワイルドな脱衣所で脱いで温泉に入る。グレイトだぜ。この温泉の香りぷんぷんの濁り湯も良いし、広い開放的だし、ワイルドだぜ。ちなみに露天は混浴だ。失恋した一人旅の美しい娘なんかが来てたら「あ、す、すいません」「いえ、こちらこそ、あの、オートバイの方ですか」「ええそうです」「お一人ですごいですね、ポッ」「なんのなんの」「あ、私、ちょっとのぼせたかしら」「それはいけません、むふふ」またしても妄想全壊。

内湯が用意できたようなのでそっちも入った。入れたてなんでまだ透明な湯だ。足元は砂利なんで足の裏を刺激して気持ちが良いな。

タンノンして出たら雨がザーザーだった。しばらく待つ。ついでにクールダウンだ。やんだので出発した。

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やんでるうちにアイヌコタンに寄った。いつもここでお土産を買ってるが、毎回名前の入った飾り物では芸がないなあと思っていたら、箸の専門店があった。こんなお店あったっけ? と中に入ったら、女の子の店員に「バイクで一人旅なんてすごいですね」などとうまいこと言われて買っちまった。鼻の下がでれでれに伸びていたんだと思う。まあいいか、ちょうど箸が欲しかったし。それからもう一軒で親父様に靴滑りを買った。イベントがあるようだが、時間まで待ってららんので出発、阿寒湖バスセンターのセイコーマートでお茶、ヨーグルト食う。セイコーマートヨーグルトおいしいぞ。自衛隊の車が止まってて、そん中で昼飯食ってる。さて、このあとどうする? 行き先を検討し、養老牛温泉に向かうことにした。

また山道を戻って大変だ。濃霧で何も見えない中を走りぬけ、弟子屈まで戻り、さらに東に向かう。地図を確認しつつ、走る。このあたりの道はとにかく直線ばっかりなんで、いかにも北海道なのである。まじめに地図を確認しただけあって道に迷うこともなく、養老牛温泉についた。なんか工事の車両かなんかいっぱい止まってる。狙ってた温泉はさらに奥だ。しかし、道がダートだ! だめだこりゃ、あきらめる。

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で、よく見たら、工事の車両と思っていたらたくさんいる車はテレビ局の車らしい。温泉バラエティの撮影でもしてるのかなあ。養老牛のホテルの温泉に日帰り湯で入れんかと思ったが、貸し切りではいれませんとの掲示。これは番組スタッフが貸し切りなんだな。ということはドラマの撮影かも知れんな。片平なぎさとかの2時間ドラマだ。でも片平なぎさならどうでもいいや。松雪泰子とか木村多江ならサインもらいに行くぞ。真矢みきでもいい。大後寿々花でもいい。ありえないが仲間タンだったら死んでももらいに行く。天海でも藤吉でも(以下、諸事情により省略させていただきます)

戯言はそれくらいにして開陽台にむかう。この天気では期待できんがここまで来たらもうヤケクソ。この前行ったときは道に迷った記憶があるので、案内表示に注意して走ったら迷わずあっさり着いた。このまえなにしとった? 入口出口が一方通行になっていた。あれ、前もこんなだったけ。細い一方通行の道を上がっていくと、霧の濃い層の中に進んでいくので、まるであの世に行くみたい

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で、たどり着いたのは雲の中。広い駐車場には物好きな車2台が止まってるのみ。バイクを止めて、案内図の看板のところに行ったが、何も見えません。雲だけです。がっくり。まさしく人生は五里霧中。

あきらめて、今日の宿、厚岸の鈴木旅館に向かう。山を降りてきたら霧がないのでこのほうが見晴らしが良いくらいだ。厚岸に近づくとこちらは雨がかなり前に止んだのか、路面も乾いている。空も雨が降ってくる気配もない。もう一件くらい温泉に入れないかと思って、セイコーマートに止まる。セイコーマートの58円のココアを買うつもりが、ここは特売をやってない88円なので特売中のカフェオレ78円にした。

隣に止めたトラックのおっさんから声を掛けられる「明日明後日天気悪いよ」知ってます。ずっーと天気は悪いんですよ。これまでまだ一度もお天道様拝んでないっすよ。この先1週間も天気悪いんですよ。くそったれですよ。これがおれの人生なんですよ。それでも走るんですよ。それがライダーってもんだ。

温泉はこのあたりにはないので、結局、宿へ行くことにした。また雨が降ってくる気配になってきたし。

厚岸までの道は、丘陵が素晴らしくきれいで、一カ所だけ日の光が射してくらい中に浮かび上がっているのが素晴らしくきれいだった。厚岸に入って道の駅で絵葉書買う。駐車場では横にぴたりと止める旧エルグランドうざいな。雨の心配もないようなのでカッパを脱いで出発して、すぐに宿に着いた。

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チェックインする。古くてぼろい民宿だ。しかし、この宿は牡蛎がうまいのだ。牡蛎が食いたいそれだけでこの宿を選んだのだ。部屋は252号室だった。252生存者あり! 和室の狭い部屋、もう布団がしいてあるよ。風呂に入って6時半から晩飯。わくわくしながら食堂に行くと、今から作りますから、とちょっと待たされた。

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やがて出ていたのは揚げたての牡蠣フライ、いっただきまーす、激ウマなのであった。肉厚さがケタ違いだぜ。まるでせんべい布団とふかふか羽毛布団くらいの違いはあるな。揚げたての肉汁が滴るうますぎる。そして生牡蛎が来た。それもでかいぞ。スーパーで売ってるのは子供か? と思えるくらい。デカイ。当然、肉厚。スーパーの生食は食ってもちゅるんだが、ここのはじゅるじゅるーるっ、がぶがぶじゅるるるーっという感じだ。あとは刺し身とか昆布汁とか出てきたがうまかった。満足。もう一回風呂に入って部屋に戻る。寝る。

 

6月6日 土曜日 雨のち曇り

 

朝は起きてもここはシャワーも朝風呂も入れないのがネックだな。まあ、牡蛎が食いたいからここに泊まったんで、他の点は目をつむろう。

朝飯(ちなみに朝食にさえ牡蛎)食ってチェックアウト。荷物を積んでるうちに降り出したのでカッパ着用で出発する。

まずガソリン、44号線沿いの出光は営業してないので通過する。濃霧がかかる中、納沙布岬を目指す。ひたすら走る。根室に入って道の駅でトイレ休憩する。更に進んで根室市街で絵葉書を送った。このツーリングのはじめごろに破れ掛けたタンクバックのカバーだが、いよいよびりびりになってきた。なんかで修復しないともたんな。

さらに進んでようやく納沙布岬に到着した。なんかとっても濃霧の中、寂れてる。昆布の取り入れ作業が大々的に行われており、観光客相手の商売どころではない様だ。どこもかしこも家族総出でやってるみたい。なんか遊んでる自分が悪人のように思える。すんません。

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必須ミッションであるエトピリカのキーホルダと絵葉書を買う。エトピリカって結局あまりメジャーにはなれなかったな。もうキャラクターとしての商品価値がなくなってるんじゃないかと心配したぞ。(ちなみにエトピリカ自体は絶滅危惧品種です)そのあと、北方領土返還の碑など見るがたいしたもんではない。トイレの案内がロシア語表記とローマ字表記となってた。そういえば街の交差点の表記もそうなってたな。地域性か。

納沙布岬を後にする。帰り道の道道は良かった。だだっ広い草原がすごい。止まって写真を撮ってもその広さが分からん。地元の人が洗濯物を干してた。洗濯しながら、観光客はこんな草っぱらのどこがいいんだかとかいってんだろうなあ。

根室に戻る。でかい橋を渡った。

2005年のツーリングで「さようならえとぴりか」した別海の路肩駐車場のところまで来た。思えばこの時、いつかきっとまたここに来て、必ずやリベンジしてやるのだと誓ったが、エトピリカに関してならリベンジできたわな。でも、他の点ではリベンジにリベンジしないかんようになってまったわ。あはははは。

更に走ってどんどん走ってオホーツク海に沿って走って、今日の温泉メニューの一つ、浜の湯まで来た。が、古ぼけたいかにも地元の公衆浴場という趣あるお店の前には「当分の間休ませていただきます」の非情の表示が。がーん。なんてこった。ここまで来たのに! やっぱり温泉バブル崩壊か。仕方がないので2005年に泊まった国民宿舎楠の温泉にいく。営業は13時からなんでちょっと早く着いたが、受付のおねーさんが出勤してきて開店してくれたのではいった。ぬるぬるお湯に感激。寒かった身体を保温する。

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温泉を出たらセイコーマートで水分補給する。バイトの女の子、チョー可愛い。ちょっと舌足らずなしゃべり方がかわいい。また来るから辞めないでね。

それの近くに鉄の湯を発見、どんなもんかと行ったら、お店の前で農作業している女の人が「いまは営業してないですよ」だそうで、機械が故障でやってないとのこと。残念でした。

コスモ石油があったところまで戻って給油。スタンドの奥さんが「知床横断ですか」「そうです」「天気がねー」「ずーっとこうですよ、上陸してからずーっと」「そうなのよ、ずーっとこんなで」地元の運動会も中止らしい。

ガソリン満タンになったので羅臼まで一気に走る。

道の駅羅臼まで来て休憩にした。駐車場から見えるのは気になるパン屋カムトゥルー。うまいのかな。道の駅に入ると、売店の女の子が可愛いぞ。北川景子みたい。なんか買わないかんくなるのでさっさとトイレを済ませて出た。

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いよいよ相泊温泉に向かう。この道は初めて北海道ツーリングに来た時以来だな。さすがにこのあたりの道は変わっていないよ。港町の生活道路を走っていくと、瀬石温泉に着いた。知床が世界遺産になったためか、こういったものの案内表示は立派なものがついていた。でもここはまだ営業していない。7月からだ。にもかかわらず足湯してる人がいた。

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瀬石はまあいい。本当の目的地は相泊温泉だ。そこには必ず入るぞ。で、ちょっと走ったらそこからすぐのところにあった。ここにも立派な看板がついてた。どこが温泉なのかと思ってあたりを見ると、堤防の下の海岸に、温泉らしき窪みに入ってる人がいたのでわかった。じゃなかったらわからんかったろうな。その人に「お湯熱いですか」返事は「ちょうどいいです」こうなったら入らんわけにいかんな。バイクを止めて海岸に下りる。脱衣所も屋根もなかったので、岩場の上に全部脱いでお湯にドボンだ。これわええ。お湯の温度がちょうど良い。こういう露天風呂には珍しい適温なお湯だ。先客の人といろいろ温泉に話しをして盛り上がった。水無温泉、川北温泉など、その人は結構入ってるらしい。札幌の方だそうで、そういう意味では良いところに住んでるなあ。しかし、それにしても最高に最高な温泉だな。タンノンして出る。記念撮影をした。

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出たら今日の宿、峰の湯へ向かう。知床峠に向かう途中にある温泉旅館だ。なかなか立派なホテルだった。チェックインして早速温泉に入る。露天風呂はすぐ後ろが知床の原生林というワイルドさ。これでこそ北海道だ。温泉を出たら晩飯だ。ここは食事はレストランだが個室で食える。予想通りのカニ一匹晩飯だぜ。実に豪勢な晩飯。食いすぎておなかパンパンだ。胃薬を飲んだ。それからまた温泉に入って寝た。

 

6月7日 日曜日 曇りのち雨土砂降り

 

朝、起きていつものように天気を確認したら、道路脇に鹿がいた。見ていたら、平気な顔をして、道路を闊歩してゆくぞ。うーむ、いかにも知床だ。鹿を見届けてから温泉、その後、朝ご飯も個室で食う。昨日ほど豪華ではないな。荷物を積んでチェックアウトし、出発する。 

まず熊の湯だ。ホテルから1キロ程度のところだったので、ホテルから歩いても良かったな。なぜなら、ここの駐車スペースはかなり傾斜しているからだ。バイク止めるの恐い。日曜日だからなのか、朝にもかかわらず結構な台数が駐車している。橋を渡って温泉へ。

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女湯は厳重警戒だが、男湯はあっぱらぱーなまま。脱衣所はしっかりしたのがある。さっそく入ろうとしたらかなり熱い。加水しているがそれでも熱い。地元の人が、入っちまえば慣れるからは入れ! とめちゃくちゃなことを言う。その人は羅臼の観光客が少なくて、ウトロに人気があるのをぶつぶつ言ってた。羅臼だっていいところがあるから、それを見てもらわないかん、オバマみたいな大演説を繰り広げるのだ。入りながら聞いてのぼせたちゃったよ。

出たら、峠の濃霧対策雨対策でカッパ着用となる。発進する。見通しが悪いのでスローペース、しかし、やがて霧が晴れると羅臼岳の勇姿が、しかも雲海の中に浮かび上がるその姿はこれまでになく凛々しいではないか。バイクを止めて撮影した。

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でも知床峠では濃霧が再び発生し、何にも見えなくなった。

仕方がないので下山すると、道路の近くにはそこら中にシカがうようよいるのでもう珍しくも何ともなくなっちゃった。

それから知床五湖に行った。ここはバイクの駐車の仕方にうるさいのだが、今回も、もっと後ろだの何だのといわれた。バスが来るので危ないらしい。バイクの止める位置に許可が出たのでやれやれと、展望台を見に行った。おや、新しい展望台ができているではないか。それなら、と本当は知床五湖の散策を予定していたが、いつ雨が降ってくるか分からんので止めて、展望台のみにした。新しい展望台は知床五湖のひとつめが良く見えた。シカもたくさんいた。シカ大安売りだな。ちなみに、キタキツネにもよく出会ったよ。

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知床五湖をあとにして、ウトロまできたら、道の駅が実に立派だったので寄ってみた。黄色のクールなニンジャが止っててライダーとしばし会話。天気はゴールデンウィーク以来ずっと良くないそうです。

道の駅のパンフ見てたら知床半島クルージングが紹介されていた。高いからあきらめたんだが、なんと、3000円コースもあるじゃん。これいこうよ。でも次の便は12時30分。まだ2時間くらいある。ちょうど10時30分の便が出たばっかだ。しまった、シカと戯れてる場合じゃなかったな。とりあえず、この前見逃したオシンコシンの滝に行く。

オシンコシンの滝は、この前来た時は激混みだったが、今日はそこそこ。バイクを止めて歩いてすぐだ。このところの雨のおかげで水量も多く、激しい流れは大迫力だ。水飛沫がこっちまで飛んでくる。 

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オシンコシンの滝の動画はこちら

滝の売店に知床クルーズの詳しい紹介があったので読んだら、時間は1時間から1時間30分で、観光用の船ではなく、クルーザーを使うらしい。げ、酔いそう。海水とか浴びそうだな。しかし、1時間30分だと戻るのが14時、それから宿まで3時間かかる計算なんで、17時。他は何にも見れんな。温泉も入れん。うーむ、ばんえい競馬が見たかったんで、迷いに迷ってクルーズはあきらめた。

で、斜里に向かったら雨が降ってきたのでカッパ着用。はじめはぱらぱらだったのが、やがて大降りになり、そして網走に来たころには土砂降りになってきた。こりゃいかん。なんともならん、全部予定中止で宿に急げ。このままでは水没する。すでにブーツは水没開始。クシタニ完全防水レザーなのに、やっぱり20年近く使ってるのでもう防水機能がだめみたいだな。くそー、こんな事ならクルーズにしておけば良かった。ウトロは曇りだったけど、雨が降る様子はなかったもんなー。これは完全に作戦失敗。

なんとか宿に着いたが、途中の北見が混雑していて、4時間ちかくかかった。完全水没状態なんで、チェックインもままならん。受付では同窓会が開催されるようで、たくさんの人が次々にチェックインしていた。汚いライダーは全然無視だよ。くそ、このホテル大江本家なめとんのか! そしたら女の係員が来て、相手してくれた。バイクは玄関の屋根の下に止めて良いそうで、男の係員がかまぼこ板(バイクのサイドスタンドにかうやつね)を持ってきてセットしてくれた。なんだ、このホテルサービスいいじゃん。しかも、カッパがもし乾かなかったらボイラー室の近くに干すことの出来ますとまで言われたけど、カッパは多分乾くからいいや。

女の係員は部屋まで案内してくれた。ものすごい巨大なホテルなんで、下手すると道に迷うな。その後荷物を何度かに分けて運んだ。

一段落してので温泉にはいる。大浴場と自慢するだけあってものすごいデカイ広い。ゆっくり入った。

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晩飯の時間になったのでレストランに行った。個室ではないがちゃんと専用の席だった。食ったうまかった。ごはんがおひつでないので、あまり食わない様にして、お代わり1杯だけにした。でも大盛りで持ってこられたけど。

それからまた温泉に入った。コインランドリーの値段、乾燥30分100円洗濯機は55分100円だった。川湯よりかなりやすいな。でも、客も多いので混んでた。テレビでターミネーター3やってたので見てから寝た。

 

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