10月5日(水曜日)上陸2日目快晴

5時くらいに起きてしまったが、やることもないので布団の中でごろごろしていた。6時ぐらいに荷物の整理をして7時に朝食の時間になった。昨日の晩飯にくらべるとスタンダードな朝食だった。目玉焼きとか玉子豆腐とか、海苔は「丸愛」だったぞ。名古屋の味がここで出会えるとは! 食ってから写真を撮るのを忘れたことに気がついた。まあいいか。食ったら出発準備だ。荷物を括り付けてお金を払って、出発だ!

超のつくどピーカンな天気に気分は最高、かっ飛ばしモードに突入したしまった。がんがん走っていくと、牛がのんびり草を食ってる。いかーん、今回の北海道のテーマはゆっくりだった! ゆっくり走ろう。思いださしてくれた牛さんに敬意を表して写真撮影などして、再び走り出す。

黄金をしきつめるほどにお金がかかったとされる襟裳岬の東海岸線は、まだまだ黄金を食いつぶすようで、頻繁な工事中だ。まあ、このすごい潮の影響では仕方がない。どんどんトンネル化されていて、ほとんど海岸が見えないところもある。そんな中で、フンベの滝がすごかったが、工事中の車両がいっぱいで止まってみることができずに残念。その後は調子よく走って、いかにも北海道な広い草原の中を進む。しばらくしておしっこが我慢できなくなってきた。やばい。交通量も少ないし、道端でやっちまうか。いかーん、そんなことはライダーとして許されないことだ! 内地からくるライダーがみんな立ちしょんをするように思われてしまうではないか! するとそこに「晩成温泉」と、看板があった。おお、そうだ! 温泉に行けばトイレがある。不本意だが、なんだか良くわけのわからない温泉に行くか。わくわく(コラコラ全然不本意じゃないぞ)

海が見える温泉とキャッチフレーズのついた晩成温泉は、しかし、開店が10時であった。しばし待つ。待つ間にトイレを済ませる。10時の開店と同時に温泉に直行だ! 料金は500円と、なんともリーズナブルや。中部の温泉施設も見習ってもらいたいところだ。温泉はあちらですと言われた方にどんどん歩いていく。結構遠いな。長い回廊を過ぎて温泉に到着した。さあ入るぞ。入り口のドアは閉めないでくださいとある。曇るので海が見えなくなるそうだ。よしゃ、入るぞ。入ったら湯船の正面に大きなガラス窓、その向こうには広広とした海が! 温泉のお湯は茶色で、これは十勝川温泉みたいだ。後で説明を見たら、ヨード分が大量に含まれているそうで、皮膚病に人に良いらしい。自分のようなアトピーは毎日こないかんがや。地元の人がどんどん来て、にぎやかになってきた。そこそこで上がらせてもらい、お茶を飲んで出発した。

次は豊頃。ハルニレの木を見よう。初めて北海道に来たとき、遠くからしか見ることが出来なかったから、今度は歩いて近くまで行こう。地図を確認しながら336号から道道にかわり、もうすぐそこだというところで、工事中の通行止め。38号線で大回りしたが、行き過ぎたり戻ったり、難儀してやっとハルニレに近づいた。が、何と言うことだ! ハルニレ周辺の工事中でトラックダンプがごうごういいながら走ってる。バイク止めてのんびり見てる場合じゃないよ。

こうしてこ今回もハルニレは遠くから見るだけだった。

まあいいか、また今度だな。

となれば、阿寒湖に行くぞ。地図を確認して、ドリカムの記念館が出来たばかりの池田を越え、高速道路の下をくぐり本別で宿をとった。阿寒湖温泉の国民宿舎にしようとしたら「あいにく満室です」と断られた。さすが阿寒湖、この時期のウィークデイに満室かよ。仕方がないので第2候補の川湯温泉民宿我家にした。あっさりオッケイ。気をつけてきてください。名前だけ聞いておしまい。気楽だ。

よおし、宿も決まったし走るぜ。

こうして241号線をかっ飛ばして阿寒湖を目指す。1時間半後には阿寒湖についた。阿寒湖にはアイヌコタンの街があるので、そこでいろいろ見ようと思ったら、なんと、がびーん、修学旅行生の軍勢に占拠されているではないか。だめだこりゃ。どうせ明日、またここらへんを通ることだし、阿寒湖は明日に変更。摩周湖を目指す。

ここら辺から寒くなってきた。日が傾いてきたことと、このあたり周辺はうっそうと木が茂っているので道路が日陰になっていることが多い。その為、体感温度は急激に降下する。摩周湖周辺のアップダウンの激しいコーナーを駆け抜けて4時近い時間に展望台に到着した。オートバイはこちらとでかく書いてあるのが泣けるぜ。駐車料金100円を払って展望台に行く。観光バス軍団のおばちゃん連中が記念撮影しまくってる。よーし、負けずに撮るぜ。おお、摩周湖、なんという神秘をたたえた湖なのか。霧の摩周湖のイメージがあるのだが、ピーカンで全然霧がない。よく見える山がカッコええな。売店をのぞいたが、無用な出費を押さえるために何も買わずに出る。

摩周湖を後にして、いよいよ川湯温泉だ。案内標識に従って走っていくと、なんだか思い出す道だなあ。ここ以前来たよな。硫黄山で思い出した! ここは最初の北海道ツーリングに来たとき寄ってるところだ。イモを食った覚えがある。ということは、川湯温泉はこの先の泊まってみたかったかもしれない温泉街だ! 草原の中を走っていくと、いきなり川湯温泉街は出現した。昔、泊まりたかった温泉で泊まるのか、ちょっとうれしい

宿はすぐ見つかった。少し奥に入ったところで、傾斜しているのでバイクを止めるのに不安。まあ大丈夫だろう。荷物を下ろす。今夜の客は一人のようだ。玄関からすぐのところの部屋だった。ラッキー、重い荷物を運ぶのが楽だ。温泉は部屋の目の前だ。いつでも入れるようなので、もう、すぐに入った。

すさまじい硫黄の臭気、おお、この温泉は本物だ! 中に入ると湯船は二つある。ひとつは温泉、ひとつはただのお湯。説明を見ると、お湯のほうは中に入らないで、かけ湯で身体を洗ってくださいとのこと。温泉の湯では石鹸が使えないようです。なるほど、では体を洗う。頭も洗う。ようし、では温泉に入るぞ。

あつっ!

熱すぎるどころではない沸騰点に達した臨界状態だメルトダウン寸前だ。チャイナシンドロームだ。恐るべし、川湯温泉源泉垂れ流し! いや、きっと身体が冷えているからだなんてシャレ言ってる場合じゃないぞ。こうなりゃやけだ。源泉かけ流し、何度も何度も浴びているうちにようやく慣れてきて、やっとこさ入れた。でもこの温泉は恐らく強酸性なので長湯はやばいな。っていうか、はなから熱くて長湯は無理だった。あとは半身浴でしばらく入って、出ました。

はっきり言って気持ちいい。後でまたは入ろう。

それからツーレポ記録しながらまっちゃんとメールやり取りして6時に晩御飯。

自分一人のために豪華な料理をこさえてくれた宿の皆さん(といっても3人だけど)ありがとうございます。なんと、鹿の肉です。これが食える。バクバク食える。食ってるうちにどんどん料理が追加される。あったかいうちにと言われてどんどん食う。最後はフルーツも出てきた。宿のご主人が昨日はどこに泊まったか聞くので田中旅館と答えたら、知りあいらしい。昔、宿の組合みたいなのでいっしょだったそうで、今は解散?したようです。そこにあったパンフを見てここにしたんですけどね。それからご主人は酒の勢いも手伝ってか、鹿の肉の料理の大変さをこんこんと説明してくれた。普通はにおいがくさくて食べれたものじゃないらしい。それを長年の研究開発でこんなにおいしく食べることが出来るようになったのだ! 北海道広しと言えども、こんなに鹿の肉を食わせる宿はここしかないそうです。うーむ、得した気分だ。

食ってからまた温泉に入って、明日の計画を検討するが、どうにも想像以上に困ったのが寒さ対策よりも、日の短さ。3時過ぎるともう夕暮れ。さすがは秋だなーなんて悠長に言ってる場合ではない。これは1日の走行距離がかなり削られる。明日は阿寒から釧路経由で根室に行く予定だったが、ちょっときつい行程になりそうだ。これは本当に日程を伸ばさないと駄目かな。まっちゃんに延長を希望するメールを軽い気持ちで送った。メールはすぐ戻ってきた。

怒りのメールが。

まさしくゼウスの雷(いかずち)、われわれ人間界の住人はひれ伏すのみ。

と言うわけで、ある程度、行程を縮小と言うことで。まあ、だいたいプーの分際で北海道に遊びに行かせてもらうだけでもありがたいのに、贅沢を言ってはいかんな。まっちゃんに感謝感謝。

と言うわけで、散々悩みまくって、根室方面は行けるところまで行って駄目ならあきらめて知床方面に向きを変えるということで。そこまで考えて、寒くなってきたので布団に入った。そしたら暖かくなってきて温泉効果だな、寝てしまったよ。

 

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