10月6日(金)上陸3日目 晴れ

朝5時に起きて温泉に入った。なんとかゆっくり入れないか考えて、水道のホースが長々と湯船の近くまで来ているのに気がついた。あ、ひょっとしてこれでうめるんじゃないの? 水道から水をジャーッとだして、それを温泉に突っ込んで温度を調整すると、なんと、気持ちよく入る事ができるではないか。なんということだ、もっと早くやっていれば良かった。ゆっくり入ると、ますますここの温泉は最高だ。ここに住みたいくらい。アトピーなんかすぐに治りそうだ。荷物を整理して7時に朝ご飯。朝ご飯は月並みだった。顔を洗って8時に出発。今日からシャツ3枚マフラーもした。それでも朝は寒いぜ。出発だ。

コーンコーンとかっ飛ばして美幌峠に行く。すばらしい眺めだ。朝早いので店がやってないよ。写真だけとって先を急ぐ。途中ガソリンを補給して、美幌温泉も通過して、どんどん走っていく。たらたら走っている車はがんがん追い抜くぜ。掟破りの巡航速度XXXキロで突っ走る。途中、トレーラーの後についてしまい、スローペースになってしまったが、なんとか阿寒湖に10時に着いた。

やった。ここでどうしてもポッチェイモが食いたかったんだ。カムイコタンのバイク駐車場にバイクを止める。舗装してないところなのでちょっと心配。お店のほうに降りていくと、アイヌの民族村が目の前に広がった。さすがに今日は早い時間なので修学旅行軍団もいない。ではさっそく、ポッチャイモの店を探そう。うーむ、どの店だったのか、15年も前の話なのでわからんが、アイヌ料理の店でカウンターがあるのは1軒だけだったのでそこに行った。

「ポッチェイモありますか?」「ありますよ」「コンブシトは?」「ありますよ」

ここだここに間違いない。「ではポッチェイモください」待つ間、15年前のツーリングに思いを馳せる。北海道に行くフェリーで会ったぶどう園の2代目、彼とオンネトーで再会し、ここまでつるんで走ってきて、ポッチェイモを教えてくれた。そのときはコンブシト食ったんだけど。彼は今、何やってるのかなー。まだバイクに乗ってるのかなー。ポッチェイモできた。食った。うまかった。こんなにうまかったっけ? まあいいや、うまいほうがいい。食って満足。後はまっちゃんにお土産を買って、今日の宿を予約する。幼稚園軍団が来たので早々に退散した。

それからまた走って走って根室を目指す。もし、2時までに行けたら納沙布岬を射程距離に収めることが出来る。がんがん走る。どんどん走る。うーむ、なんだかこのまっすぐの道もう食傷気味。

2時に別海だった。だめだこりゃ。納沙布岬は断念だ。断腸の思いでルート変更を決断する。

さようなら北方領土、さようならエトピリカ。

キーホルダーを買うつもりだったのに・・・。あ、温泉がある。入ろ。その温泉は別海温泉郊楽苑という施設で、研修センターみたいなところだった。うーむ、おおよそ観光向きでない温泉に入るのは今回のツーリングのねらいにぴったり一致しておる。案内表示にしたがっていくと、なかなか立派な建物で、駐車場も広い。バイクを止めると、遠くに自衛隊の特装車両が何台も並んでいたが、まあ、何かの間違いだろう。入っていくと、入浴500円。まったく、地元中部も見習って欲しいよ本当に。さて、温泉にいくと、げ、やはり、自衛隊1個師団がご入浴中であります。自分も入るであります。全員、脱衣籠の服が迷彩服であります。しかし、なぜかズボンはジャージであります。風呂場にいくであります。体を洗うであります。隣りの会話。「おい佐藤、おめ、帰り松本小隊長の車な」「まじっすかーちょーやばいっすよ」「ちょーしこいてんじゃねーよ」あれ、自衛隊なのにヤンキーか。

自衛隊の温泉を出ました。なんだか急に甘いものが食いたくなってきたので休憩したら出発する。国道沿いまで戻って北海道最強コンビニ連合セイコーマートに寄る。おお、セイコーマートペットボトルお茶は98円だ! ショップ99を越えたか!?って、あっちは99円で500ミリリットルだ。それを買って、バナナサンド買って食った。うーむ、久しぶりの甘味に満足。

ではオホーツク海を目指す。本別海からオホーツクに出る。遂に北の海に対面だ。遠くまできたんだ。感無量になりつつ、オホーツク沿いの国道をのんびり走る。まあ、こんなに直線道路ばかり続くと、猛スピード出して走るのがばかばかしくなってきちゃうよ。地元ナンバーの車ががんがんぬかしていくよ。まあいいか。

予約した宿の手前で、野付半島こちらの標識があったので行ってみた。たしか以前も行ったような気がするが、あまり憶えていないなあ。そしたらすごいところだった。道の両側が海なのだ。なんちゅう不思議な世界観、そしてどんどん走っていくと、遠くに島が見えてきた。北方領土かと思ったら違う。海にいきなり松のような木がたくさん生えているのだ。なんだってー! 近づいて良く見ると、そこのところに陸地があって、もう、すごい密集度合いで松みたいな木が生えている。枯れて白いのも何本もある。展望台に止まって、地図を見ると、とど松が海水に侵食されて白く枯れているそうで、実に幻想的な世界。

しかも、まもなく日没。

夕暮れ迫るこの地に、ますます不思議さをかもし出すのであった。

さて、宿へ行くことにする。今日は国民宿舎ホテル楠だ。野付半島の分かれ道からすぐだった。国道沿いにあるのでわかりやすい。バイクを止めて荷物を下ろす。玄関は外側の扉が手動なのに中側の扉は自動ドア。係りの人が出てきたが、よくわからないのか、フロントのところでちょっと待っててくださいといわれる。荷物を運んで、終わったころにわかる人が来た。チェックインして、説明を聞いて、バイクはガレージにどうぞと言われそこに移動した。屋根付きのガレージだすばらしいぞ。部屋に入って、早速温泉に入る。温泉にはシャンプーなどないので、部屋のを使ってくださいといってたな。一応、バストイレ付き和室なのだが、バストイレは使わないようにいわれた。温泉はいれちゅーこった。別館の温泉に移動する。ここの温泉は地元の人が日帰り入浴に来ているので大混雑している。クリーニングの仕事場といっしょになってる待合室を抜けて、脱衣所に行く。ロッカーなし、脱衣籠のみ。いいねー。体を洗って入ると、ぬるぬるのお湯で少し熱めだ。肌によさそうだな。今日はよく走ったのでゆっくりつかりたいところだが、なにせ源泉垂れ流し?なのか加熱し過ぎってことはないだろうから、多分。この熱さ、長湯は出来ず、適当なところであがった。脱衣場の温泉分析表を見たら、やはり源泉の温度が正確な数字は忘れたが結構高い。さすが北海道。

温泉を出たらツーレポをつけて、6時になったので食堂に移動する。準備は出来ていたが、ここの食堂はじゅうたんに直に和のお膳が並べられている、ちょっと変わったところだな。宿についたときにちょっと待っててくださいと言ってた人が、あたふたと味噌汁やらビールやら運んでいた。あんまり慣れていないようだ。客は他に3組だ。多分、釣りの人じゃないかなあ。料理はうわさのコンブソーメン、鮭の頭煮も食べました。最高にうまい。骨まで全部食った。

ちゃんちゃ焼きの説明に、しっかりした方の係りの人が来て、鮭の身を手際よくほぐすと、野菜といっしょにかき混ぜて召し上がれ、そしてご飯のお代わりをがんがんつけてくれるので、完全に食いすぎた。また胃薬か。昨日もう食い過ぎないようにしようと誓ったのに・・・。

部屋に戻って休憩。夜、電車男の特別版をやるよとまっちゃんからメールがあったので見よう。布団はすでに敷いてあったので、明日の計画を考える。天気が悪くなるようなので、それまでに知床を見て、網走サロマにぬけよう。そこで泊まって、あさっては宗谷に向かう。多少天気が悪くても、オホーツク街道ひた走りだからいたしかたあるまい。あさって宗谷に泊まって、そこから苫小牧に戻ろう。よし決まった。あとは電車男。

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