10月7日(金) 上陸4日目 晴れ
あれ、気がついたら朝5時だった。電車男は? 寝ちまったらしい。外を見ると晴れている。これで本当に天気が崩れるのかなあ。出来れば夜になってから崩れて欲しいものだが。仕方がない、温泉に入ろう。だれもいない、電気もつかないので朝日に薄らぼんやりの温泉に入って目を覚ます。
気持ちいい。
温泉を出たらテレビで天気予報をチェックする。何とか今日1日持ちそうだが、昼から曇るようだ。早めに羅臼岳のところまで行かないと。7時に朝ご飯を食堂に食いにいったら、昨日の場所はがらんどうで誰もいない。おかしいな、まだ準備できていないのかと思い、フロントのところで新聞を読んでまっていると、昨日のグループが奥の部屋から、いかにも飯食ったという顔で出てきた。朝食は違うところかよ。聞いてないよ。そっちに行くと、奥の和室にしっかり用意してあった。気にくわん。席について、ご飯と味噌汁が用意される。朝食メニューはあきたりでした。食ったらさっさと出発だ。空が青いうちに知床峠に行くのだ。
荷物を積んで出発する。港の水揚げを運ぶトラックが、遠慮なしにに海水を路面にこぼしていくので、道路がどろどろじゃんか。バイクは、もう、きったなこくなってまってるよ。だいたい、虫が多すぎ。フロントライトやホーンやラジエターに虫の死骸がこびりつきまくりだし、ヘルメットや皮ジャンにも、虫があたってビチャっとつぶれやがる。うっとうしくてかなわんぞ。ぶーぶーいいつつ、かっ飛ばしていく。途中のホクレンでガソリン補給、それからまた走る。いよいよ、羅臼岳らしき姿が目の前に現れる。おお、ここでちょっと写真を撮っておこう。知床峠までの交通案内標識があったので、バイクを止めて写真を撮る。またしても走り出す。そろそろまっちゃんにお土産を送るのにいい店がないかチェックしつつ、羅臼通過。そして知床横断道路に入るのであった。
工事中も多いが、高度を上げていくと、どんどんあたりの光景が変わっていく。熊笹があたりお覆い尽くす中、道路だけが曲線を描いて続く。どうやら青空に間に合ったようだ。スピードダウンで、かつてCBR750で走った道を思い起こす。羅臼岳を背景に写真を撮ったところがどこなのか忘れたが、今回はここで撮るぜ。駐車禁止なんてかまわない。誰にも俺を止められないぜー。
絶好の撮影ポイントを見つけて、バイクを路肩に寄せて止める。げげ、路肩が落ち込みがすごいじゃん、まじったか、サイドスタンドでかなりバイクが傾斜して止まった。起こせるだろうか。まあ、止めてしまったものは仕方がない。撮影に入る。
それにしてもすばらしい眺めだ。青い空に羅臼岳の茶色い峰が映える。
時間との勝負で撮影し、まかり間違って警察が来て怒られたらつまらんし、なんかアダルトビデオ撮ってるみたいだな。つつがなく撮影は終了し、バイクは何とか起こせたのでほっとして出発した。それからすぐに知床峠に着いた。
あれ、知床峠ってこんな感じだったっけ?
ずいぶん記憶と違うなー。まあ、何せ15年前の話だからなあー。ここでも撮影をしつつ、この感動をまっちゃんに伝えようと、フォトメールを送った。しかし、送信できませんでした。何回やっても「送信に失敗しました」となる。何だと、au by KDDIなめてんのか! このままこの携帯、知床峠の藻屑にしてやろうかとまで思ったが、まあ、電波状況が悪いんだろう。あきらめる。
後ろ髪を引かれる思いで、知床峠を後にする。観光バスの後ろについてゆっくり走っていったのが幸いしたのか、親子連れの鹿に出会った。こっちもびっくりだったが、むこうもびっくりだったらしく、道路の反対側まで渡った後、こっちを3匹そろって見ていた。
知床五湖に向かう。カムイワッカの滝は通行止めになっていた。なんとも残念。雲が薄く広がり始めて、知床五湖に着くころには曇りになっていた。熊遭遇のはがきを見つけたので買った。鹿遭遇に書き換えてまっちゃんに送ろう。知床五湖を後にして、斜里のほうに向かう。
ここら辺でお土産を送っておかないと、明日がもし雨だったらそんなことしていられないし。国道沿いの店を探すが、なかなかない。そうこうしているうちに、斜里まで来てしまった。仕方がないのでローソンで絵葉書を送り、宿を手配。天気が天気予報どおりなので、やはり今日は早めに宿に入ったほうがいいので、能登湖荘にした。田中旅館でもらってきた宿マップ大活躍だな。
まあ、宿が取れたので一安心で、土産物屋を探して走り始める。すると、小清水温泉ふれあいセンターと看板があった。案内表示につられて道を曲がってしまった。川湯温泉の手前まで戻ってきて、国道からちょっと中に入ったところにふれあいセンターがあった。入ってしまった。300円です。地元密着の施設らしく、いるのはじい様ばあ様だけ。そのわりにBGMがドンゲッミーロングだったりするのが妙。
ここの温泉は普通の温泉だった。内湯が温泉で、他のジェットバスや歩行湯はただのお湯だ。最近はそういったことに対する規制が厳しいので、しっかり表示してあるな。ちなみに源泉温度55度のため加水、循環、消毒していることもしっかり表示してあった。まあ、なんでもいいや、気持ちいいなら。ここのジェットバスが肩のちょこっと下のところ、バイクで走っていると、こってくるところに丁度いいので気持ちがいい。満足であった。
温泉を後に出発だ。よし、今度こそ土産屋を探そう。網走市内に入ったから、港もあることだし、きっと大きな水産センターがあるに違いない。あった! 駄目だ、反対車線だ。それからしばらくなかったが、遂に見つけた。その名も「オホーツクバザール」バザールでゴザールみたいなのりの名前だな。そこの駐車場にバイクを止め、店に入る。観光バスが出ていったばかりで、みなさん一段落しているので、時間的にはラッキーだ。早速物色して昆布たらこ明太子鮭いくらかになど、選り取りみどりの中から厳選して送ってもらう。なんと、送料500円でオッケイだって。ここにして良かった。発送を頼んで、やれやれ、これで一安心。なんせ、自分だけ北海道のうまいものをたらふく食いやがってーとメール攻撃受けっぱなしだからな。
天気も悪くなってきたので、宿に向かう。途中で、鉄道記念館があった。SLが展示してあるので寄ってみた。そしたら、国道に並走しているサイクリングロードはやはり国鉄時代の鉄道が廃線になって、その跡を舗装したとのこと。北海道もまた廃線が多いからなあ。
宿に着いた。入って、おお、いきなり玄関からこれまでの民宿とつくりが違うよ。立派ですよ。ここははっきり言って大当たりか?
チェックインすると、入江の間という部屋に案内された。おいおい、お茶菓子もあるよ。窓の外にはサンゴ草の密集地が目の前だよ。テレビがシャープの液晶だよ。トイレ付きの部屋だよ。温泉は24時間オッケイだよ。これで7000円はバザールでゴザールだよ。
とりあえずサンゴ草の密集地を見に行く。観光名所が宿のすぐ裏にあるなんて、何ていいところなんだろう。宿のご主人は赤いところがもうほとんど残っていないと言うが、全体的にみるとまだ十分赤茶っぽくてきれいだと思うのだが、桟橋から見ていたら、知ったかな観光客のとっちゃんが、「もう終わりだ、8月くらいに来てみい、一面真っ赤だ」と嘯いていたので、時期に来ればもっときれいなんだろうな。
宿に戻って今度は温泉に入る。温泉自体は普通の温泉で、設備はしっかりしている。大きな窓からサンゴ草が見えるところはお約束。出たらツーレポをつけて、6時には晩御飯。ここは料理自慢の宿なので、豪勢なのを頼みたかったが、予算の関係で一番安いコースになった。それでもメニューは立派で、丁度満腹な量だったので逆に助かりました。いままで量が多過ぎで食い過ぎばかりだったからなあ。食ったら部屋に戻って、いよいよ明日以降のことを考える。
天候が問題だ。もし、雨が夜のうちに降って、明日の午前中にでも回復するなら宗谷まで行ってもいいが、天気予報では宗谷方面は明日の夜まで雨、あさっての昼くらいに回復とのこと。
なんですと?(ちなみに化粧品のCMからですがネタ古すぎ)
最悪だああああああああああああああ。
肝心の宗谷岬が雨では話にならないではないか! 晴れにならんか? 太平洋高気圧でも大陸性高気圧でもいいからがんばらんか! こまったなー、どうしよう。何度天気予報を見ても、一向に良くなる気配はないし、まとまった雨が降るだの、大雨の警戒が必要だの、あれ模様の天気だの、いいことなしだ。まっちゃんにメールしたら、そんなにひどいならそこで連泊すりゃいいでしょと、もっともな答え。最終判断は明日の朝にしよう。