10月8日(土) 上陸5日目 雨
5時に起きたらざーざー降りの雨だった。
がっくり、夜のうちに降って、朝にはやんでくれたらと思っていたのだが、やはり甘かった。天気予報はばっちりあたっていた。ということは、今後、宗谷方面のほうに雨がひどくなってくるわけで、天気予報では、明日は回復、我慢は今日一日だけですと、まさしく、まあ、今日は連泊して、明日天気が良くなってから宗谷に向かったら? といわんばかりだ。何ていう誘惑。朝風呂に入っても朝飯食っても、どうしようか考えて上の空。でも朝飯の魚うまかったし、ほうれん草のおひたし最高。朝飯食って、一度外の様子を見にいったら、すごい風、そして寒っつ!
なんちゅう、非常識な寒さ! 寝るな! 寝ると死ぬぞ! 天は我々を見放したかぁぁぁぁぁぁぁぁ。
連泊決定。
ところが今日は3連休の初日。部屋は空いてないけど、キャンセルがあったかも、とフロントの女の人が奥に入って調べに行く。連泊が出来ないなら、この雨の中、宗谷に走ることになるな。どう転ぶか、緊張の一瞬。「泊まれますよ」やった!
でも、良かったのか悪かったのか、このまま雨なら正解だし、天気が思ったより早く回復したら大失敗と。まあ、天候のことだから仕方がないでしょう。長いツーリング生活で、連泊は初めてだ。10年以上前の四国ツーリングでは、台風に遭遇しても連泊しないで暴風雨の中を走ったのに。あのころは若かったなー。若いっていいですねー。
別の部屋に移動して、まっちゃんに連泊のメール。結果的に日程延長になるので、計画的犯行だなと言われた。そんなことないんだが。ツーレポの続きをつけて、じたばたいても仕方がないから、ゆっくりするか。本当に幸運だったのは、連泊の宿が今回最高の点数をあげられる宿だったってことだな。
しかし、10時ごろに雨はやんだ。おいおい。
そして、11時には日が差してきた。
12時には晴れになった。
天気予報のうそつきー!! 夕方まで雨だと言ってたのに、宗谷は明日の昼まで雨だと言ってたのに、これはどういうことだ? ちょっと出かけよう。このまま宿にいてもすることがないので、サロマ湖でも見に行こう。宿の主人がキムアネップ岬がいいですよと極秘情報を教えてくれたので見に行くことにした。
238号線を走ってしばらくするとサロマ湖の矢印があったのでそっちに曲がった。初めて北海道に来たときのCBR750の夕日の写真を撮ったところだ。なつかしいのう。さらに走っていくと、サロマ湖畔ユースホステルがあった。ここに泊まったのう。夜はビンゴゲームで盛り上がったのう。
その先にキムアネップ岬があった。宿の裏にあるのと同じサンゴ草の繁殖地帯だった。こっちもきれいだ。展望台の駐車場にバイクを止めて、近くまで歩いていくと、途中でおばあちゃんがここのはまだ若いから背が低いんだよとまた極秘情報を教えてくれた。写真を撮って、これで帰るのもつまらんので、サロマ湖の海との境目まで行くことにした。
地図を見ると、このサロマ湖と海のつながってそうでつながってないところがすごく興味深いわけで、こんなことでもないと行かないからな。地図を見ながら走っていく。途中で道の駅に寄ったが、面白いものないのでパス。さらに走っていくと案内の表示があったのでそれに従って走った。なんだか風が強くなってきて、雲行きが怪しいぞ。目標地点の三里浜についたが、門が閉まっていて展望台より先には進めなかった。仕方がないので展望台に登ったが、海の緑がきれいなこと。遠くには漁船の一団が見える。漁師の皆さん、くれぐれもイスラエル船籍のコンテナ船には気をつけましょう。
ところが、そんな悠長なことを言ってる場合じゃなくなった。雲行きが怪しいどころか、一気にどす黒い雨雲が、まるで水に溶かした墨汁のように広がっていくではないか。ものの十分で、空が、これまで青かった空が真っ暗になって、雨が今にもふり出しそうだ。ヤバイヤバ過ぎる。これで雨に濡れたのでは、何のために連泊したのか、意味ないジャン!
もう限界ラバーズで走りましたよ。私は嵐ですよ。時速ピー(自主規制)キロでがんがん抜かしまくりですよ。北見ナンバーだろうが札幌ナンバーだろうが、がんがん抜かして、後少しで宿と言うところで、セブンイレブンの納品車の渋滞にはまった。セブンイレブンの納品車は制限速度で走ります。誰がなんと言おうと、法定速度を尊守します。ゆえに、すでに3台の渋滞に加えて、抜かしてきた車がどんどん後ろにつく。いらいらいらいらいらいら・・・あー前の車が遅いので改造エアガンで撃ったと言う事件を起こしたアホがいたが、気持ちがすごくわかるなあ。しかし、この状態では我慢するしかあるまい。
しかし、その心がけのおかげか、無事宿に戻りました。帰った5分後に豪雨暴雨台風でも来たような凄まじいありさまで、命拾いしました。天気が晴れたからと言って油断しないでくださいと天気予報で言ってた気がする。よく聞いておけよな。
仕方がないのでおとなしくして、6時半に夕食になった。食堂に下りていき、用意された席につく。料理を見ると、なんか寂しい。やっぱり一番安いのはこうなるのかなあ。昨日のは何かの間違いだったのかなあ。でも、よくよく見ると、自分の向かいの席にはなんだかすごいものが置いてある。おお、体長20メートルはありそうな巨大なかに。あれは誰のかになんだろうか? まさか食っていいの? まてよ、一番安い料理にかにが付くはずがない。とりあえず刺身やなぜかスパゲッティとチキンカツもあった。昨日と同じメニューにならないように気を使っているようだ。申し訳ないなあ。でもあんなうまい料理なら、昨日と同じでも全然文句ないんですけど。いや、今日のがまずいと言うことではないですよ。それにしてもあのかには誰のなんだろう。今日の宴会に出すのがたまたまおいてあるのだろうか。うーむ、しかし、モデルの濱路はスリムウォーク、みたいなハイソックスをはいた脚の長いねーちゃんは事務的にお茶と味噌汁を持ってきてごゆっくりーと去っていってしまった。
こ、これわ・・・。
食っていいのか?
食ってしまおう。
それでも全部料理を平らげてから、あたりの様子をうかがいつつ、脚と1本ぺしっと折り、かに肉を出して食った。
うまい。うますぎるっ(泣)
まるでかにかまぼこのサイズのかに肉。北海道万歳。超緊迫予算(どこが)なので食い物は贅沢禁止(どこがだ)だったのでかにはあきらめていたが、食えたのだ。能取湖荘万歳。連泊万歳。瞬く間に食ってしまった。満足であった。
これまでになく充実した時間を過ごしたので、部屋に戻って自分で布団をしいて、後はテレビを見ながら寝た。