8月16日(水) 曇り時々晴れ

朝食は7時30分だった。食ってさっさと出発した。ホテルの人が見送ってくれたので、荷物の積み込みを焦ってやった。おまけに写真を撮るのを忘れた。見晴らしが良いというガイドブックを信じて霧島スカイラインバードラインを走ったが、全然山の中で何も見えなかったよ。えびの高原は涼しくて、お土産屋がいくつかあったが、まだ営業していなかった。その先を進むとえびのと人吉を結ぶ雲海トンネル、人吉ループ橋だ。

雲海トンネルは天気がいいので雲海もなく、人吉ループ橋は噂以上に巨大だった。止まって写真を撮って、さらに進むと、途中で伝統郷芸の店があったので寄ってみた。ここまで全くお土産を買っていないので、そろそろ買っておかないとな。店に入ると、あまり商売っけのない様子。工芸品やら農産物、何かよくわからないものまでいろいろあったが、きれいな箱と本つげのくしが気に入ったので買った。つげのくしは前からまっちゃんが欲しがっていたからな。送ってもらうことにした。これでまず、まっちゃんのお土産確保。

店を後にして予定より少し早い時間に人吉温泉に到着したが、入ろうとしていた元湯がどこにあるのか全然わからない。駅前に行ったら、観光案内図があるとおもって行って見たら、案内板はあったけど各温泉の所在地まで明記してないのでさっぱりわからん。ぐるぐるまわっていると、人吉温泉の中でも、比較的中心地にある中央温泉を見つけた。しかし、温泉の人がお湯を出し始めたばかりなので11時ぐらいにならないと入れないとのこと。まあ、営業時間は11時からと表記してあるので文句は言えないんだけど。それにしても11時ではフェリーに間に合わないので駄目だ。他の温泉を探したがわからないし、時間も刻々と迫っているので、うーむ、総理ご決断を! あきらめよう。この先の雲仙温泉に賭けることにした。

熊本までの国道219号線が全面通行止めなので高速道路を使うことにする。10時47分人吉インターで高速にのって、熊本の手前、松橋で降りる。距離的には5、60キロくらいなので30分くらいで行けるだろうと思ったが、1時間ちかくがかかった。料金所では高速道路料金支払いシステムが壊された(ようするに袋のチャックが取れた)がスムースに通過して熊本港に向かう。国道218号57号501号を経て、熊本港に到着したのは12時少し過ぎだった。係員の人が、12時25分にまだ間に合うと言うので、あわててバイクをレーンに止めて港の建物の窓口に走った。1970円払ってチケットをもらって係員のところに戻ると、行列を作っている車を抜かして、一番先頭にバイクがいるからそこで待てと指示されたのでそのとおりにする。そこでは、スクーター、バンバン、CB750FCがフェリー待ちしていた。着岸したフェリーから車がどんどん下りてきて、終わると、まず車が乗船を始める。上層部車両甲板の乗船が終わると、昇降機が下がって今度は下層部の車両甲板から車を下ろす。それが終わってからバイクの乗船だ。ふちのほうに止めてローギヤエンジン停止。客室に上がるとすぐに出港だ。いっしょに乗船したバイク乗りとしばし会話して、あとは甲板の風にうたれていた。だって蒸れ蒸れの皮ジャン皮パンに風が通るから涼しいもんね。反対側を高速船が通過して、その波でこっちの船が揺れた。あれが熊本島原間を35分でつなぐオーシャンアローだな。すごうのう。こっちは1時間余りかかってようやく島原港に入港した。

島原上陸で最初にどうしてもやらなければいけないのは、そうお土産だ。明日から台風が来るので雨が降るのは間違いないから今日中にかたをつけおかねば。前回の失業ツーリングでよくわかったが、お土産は食い物が一番だ。食い物の充実したお土産屋を探して走っていくと、雲仙普賢岳災害記念館があった。おお、そういうのの近くにきっと土産屋があるぞ。はたして、最大級の道の駅が近くにあり、即決で駐車場に突入した。ふだんは道の駅の土産物屋は見向きもしないが、今回は別だ。店に入ってみると、おお、充実の食い物品揃え。がんがん決めて手にいっぱい持っていると、やさしいおねーさんがカゴを持ってきてくれた。こりゃいいや、どんどん入るぞ。調子こいていくらになるかわからないままレジに行ったら送料込みで1万円ちょっとで済んだので良かった。ひとまず予算内だな。これで肩の荷が下りたよ。何年か前のツーリングで、土産物屋が全然なくて、結局帰りの高速のSAでいっぱい買いこむはめになったことがあったなー。あんなことはご免だからな。

よし、ではいよいよ雲仙普賢岳だ。57号線を突き進むが、山岳地帯に入ったら前方にハイエースが超スローモーションで走っていて、あっという間に大渋滞になった。なんと、時速30キロメートルですよ。なんですか、原付ですか。エンジンかぶってまいそうだよ。九州ってこんなのばっかし。ちんたらちんたら登っていき、ようやく仁田峠道路の分かれ道でおさらばできた。料金所でお金を払ってこいーんと走っていく。一方通行なので対向車を気にしなくても良いのだ。そのせいか、やたらと路肩注意の看板が多いが。どんどん高度が上がって、島原湾が一望できるところまで来た。しかし、残念ながらこの天気、台風接近中で雨が降っていないのは幸いだが、前線の発達した雲はここまで侵攻を進めており、もはや風光明媚な光景はおがめない状況になっていた。がっかり。やたらと風が強いし。さらに登っていくと頂上みたいな広い駐車場についたが、こんなんではどうにもならん。ロープウェイには乗りたかったが、展望が望めないのでは、登っても仕方がないので断念。また今度だな。なんか、ここ雲仙では来るたびにまた今度と言ってるような気がするな。

こうなったらせめて雲仙温泉くらいは気持ちよく入りたいものだ。57号線に戻り、雲仙温泉に向かう。数分で硫黄の煙が沸き立つ巨大温泉街に達した。見るからに宿泊料金が高そうなホテル、旅館がいくつも建ち並ぶ中、立ち寄り入浴の地獄温泉を探す。行ったり来たりしてようやく発見、駐車場は車でいっぱいなのでこれは温泉混雑してそうだな。案内には、にぎやかな雲仙温泉から少し離れたところにあるひっそりとした湯治の温泉などと書かれているが、なにがなにが、ぜんぜん観光地化してます。

温泉の建物のほうに行くと、さすが、建物の感じは良いねー、古き良き温泉という感じがひしひしと伝わってくるよ、でも車がいっぱいバイクもいっぱい、入り口も人だかりががやがやで、こりゃは入れるかなーと心配したが、少し待ってみるとすいてきたようなので入った。入浴料金400円はなんと発券機ですよ。イメージぶち壊しです。休憩所は満員です。まるで後半の愛知万博の休憩所です。風呂入ります。一応カギ付き木製ロッカー、荷物突っ込みお風呂へ。おー、いい感じじゃん。硫黄のくさい匂いがたまらんです。お湯は白濁しております。正真正銘の温泉です。気持ちいいー。汗だくな身体にお湯が気持ちよくで身もだえしてしまう。ゆっくり入って出ると、汗がどばーっと出て、皮パン履くのに往生した。一生懸命皮パンと格闘してるのを、おっさんが不思議そうに見ていた。ほっといてちょーだい。好きでこれ着てるの。クシタニなんだからいいの。

温泉を出て、後は今日のホテル、グランビューうおみに向かった。山を降りて海岸線の小浜温泉に到達する。地図でもう一度場所を確認すると、ホテルは途中の坂の上にあった。そちらに行くと入口の傾斜がすごいのでびびった。ヘタするとバイク倒すぞ。玄関前に5時ちょっと前に着いてチェックインした。バイクは建物の北側にピロティがあるのでそこに止めた。社員の車が何台かと待っていたのでぶつけられないように、柱で防御できる位置に止めた。部屋に行こうとしてエレベーターを捜したら、何とこのホテル、エレベーターがない。うっそー。本当ですよ、荷物は荷物用リフトで運んで、人は歩くんです階段を。健康促進の為なのか、このホテル設計した奴は夜道で出会ったら刺されるぞ。このバリアフリー時代になんちゅうホテルだ。アホか。3階まで歩いて部屋に入ると、広いきれいな部屋で、夕日が見渡せるオーシャンビューが素晴らしいぞ。荷物を整理して、6時から晩飯だ。晩飯はレストランで食うのだ。窓際の席に案内されて、料理はカニ1匹丸ごと出てた。食うのが大変だった。ウエイトレスの人がウエットティッシュをテーブルにあるのに気がつかなかったら出してくれた。料理は順々に運ばれてきて、始めに並んでいた量からどんどん増えて、食いきれないくらいになってきた。7時くらいになると、西日を遮断していたカーテンが開いて、夕日が見えた。夕日を見ながらゆっくり食事をどうぞと言われて、夕日を見ながら食った。いやー、贅沢なひとときです。こんなにゆっくり飯を食ったのは久しぶりです。食ったら温泉だ。温泉は2階の展望風呂なのだ。他の宿泊の皆さんはお食事中なので、お風呂温泉は貸し切り状態であった。見晴らしもいいし、夕日は沈んだけどその余韻が残った海が眺める事が出来て最高だった。部屋に戻ったら明日のルートを検討し、天気予報を見て寝た。台風がいよいよ来るようだ。

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