JAPAN EXPLORER 2010

8月9日(月)

朝5時頃に起きて、外に出てみたら天気があまり芳しくない。ていうか悪い。バイクには雨が降ったらしく水滴が付いてる。阿蘇山には雲がかかっているし、すっこーんとした晴れを期待したが無駄だった様だ。6時30分に、温泉の朝の営業時間が始まったので入った。7時から朝ご飯、サラダバーがとても小規模で笑った。オニオンがうまいので山盛り取った。納豆が出たので九州で納豆が珍しいと言ったら、そんなことないですよと言われた。どこか別のところと勘違いしてたみたい。四国だっけ納豆食わないの。

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食ったら出発準備。荷物をフロントまで下ろしてチェックアウト。料金請求を割引前のでしてくれたのでじゃらんポイント割引の件を伝えると、間違えてましたと訂正してくれた。荷物をバイクまで運んでもらってとっても親切な宿でした。

しかし、天気はどんどん悪化する。荷物をつみ終えた頃にはガスが発生、あたりは霧のロンドンエアポート状態。出発してすぐに阿蘇山ロープウェイは無理と判断、325号線で阿蘇山の外周を廻って国道57号線に出た。もう一度ミルクロードを走りたくてそっちに向かったが、やっぱり雲が覆って阿蘇も何も見えない。その一方で熊本方面は青空が見えて、不安定なわけのわからん天気だな。ミルクロードに行っても展望が望めないので諦めて熊本に向かうことにした。次の予定地、人吉に行くことに決定する。高速を使うか下道を使うか迷ったが、早く行けば人吉行きの目的であるSL人吉号が走る姿を見られるはずなので、高速道路で熊本人吉間をショートカットすることにした。事態は常に変化しており、作戦は臨機応変なのだ。阿蘇の火口が見れへんかったから、こうなったら人吉のSLは何としても生で見てやるぞ。

高速道路は1000円が関係ない平日なのでガラガラだった。予定では1時間で人吉に着くはずだったが、意外に時間がかかってしまったぞ。それにしても九州自動車道はすごい山奥を走ってるんだねえ。そんな山奥にでも村落が見えるんですが、みなさん、どこに買い物行ってるんだろ。中には山の壁面にへばりつくように建ってる家もある。

この高速道路で50000キロ達成になった。めでたいことだが、あまりはっきりしないこの天気ではあんまりうれしくないな。雲がどんよりとして、たまにバラバラと雨粒が落ちてくる。マジ降りになるのは時間の問題だな。

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人吉に到着した。インターを降りて、SLに沿って走る国道219号に入って、渡駅一勝地駅方面に走って行く。どこかで向こうからやってくる SLに遭遇するはずだ。走りながら撮影ポイントを探しつつ進むと、丁度良さげなところに駐車帯があったんでそこにバイクを停めた。いろいろ動いて、見逃すといかんのでもうここで待ち伏せすることにした。天気が回復してきて日が照って来たぞ。でもまたすぐに悪くなった。ホントに変な天気だ。雨だけは降ってくるなよと思いつつ、人吉号が現れるのを待つ。渡駅と一勝地駅の真ん中あたりで待ちぶせているので、渡駅12時3分着ゆえに12時前には現れるはずだ。しかし全然現れない。それに、テックンも全然現れない。生の実働するSLが走ってくるんだから、テックンが何人か現れてもいいじゃないか。おかしいな、この場所は違うのかそれとも今日は運行していたないのか。じっと待つのだがだんだん心配になって来た。ひょっとして今日は臨時運休とか。そうだ、きっと臨時休業なんだよ。待っても無駄なんだよ、どんどんネガティブになってきた。

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そしたらいきなり現れた。え、マジかよ。ぽおーっとか汽笛はどうした?一瞬、あっけにとられたが、慌ててシャッターをきる。きりまくる。すごい、すごいぞ、本物が走ってる。マジ、本物が動いてる。もくもくと煙を吹き出して、走ってるぞ。動かないのはいくつもあちこちで見てるが、実際に煙をはいて走るのを初めて見たぞ。すごいすごすぎる。すごすごすごすぎる。あっという間に通過したのでバイク発進、次のポイントで追いついてまたしても激写だぜ。そして、また次のポイント、しかしもう追いついても止まって撮影は出来ない。並走するのが精いっぱい、それでも実働するSLと並んで走るなんてずげーよ。興奮の極地。駅まできたらバイクを自転者置場の軒下に停めて、ターンテーブルのところに行く。やっぱりターンテーブル上のSLが見たいよな。案内があって、ターンテーブルは反対側にあるらしい。急いで歩道橋を渡って向こう側に行こうとしたが急速に発達したゲリラ雷雨が雲がついに牙を剥いた。バラバラっとしたかと思うと一気に土砂降りになった。全速力で走って自転者置き場に戻り、バイクを見たら軒下ではまるで意味なし。ずぶ濡れだ。急いで自転者置き場の中にバイクを引っ張りこんだ。なんとか最悪の事態は免れた。ホッとして濡れた荷物を拭く。雨はますます勢いを増し、タライの底をぶち抜くような雨、滝のような雨、まるで夜のように暗くなり、そんな暗黒の世界に雷が轟き稲妻が走り、怪獣の咆哮のような轟音、道路はあっという間に川になり、嵐のような強い風が、街路樹から看板から何もかも吹き飛ばすような勢い、まさしく人間の無力さを思い知らされるのであった。

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しばらくゲリラ雷雨が続いたが、30分くらいで収まって小降りになってきた。でも止みそうにない。仕方が無いので、モンベルのレインスーツをいよいよデビューさせるか。まず荷物にレインカバーをかけて準備して、駅でトイレを済ませたら、お土産屋をついでに見ておくことにした。そしたら、なかなか良さげな焼酎があったので買って送ってもらった。そしてバイクに戻ったら雨は止んでいたのでレインスーツなしで出発する。しかし、いつ降ってきてもおかしくない空模様なのですぐに着られるようにして出発した。人吉温泉に入る予定はパス、残念だが仕方がない。SL人吉号ももう一度見たかったが、諦めて宿に向かった。

人吉ループ橋を通過した辺りで雨が本格的に降り始めたので、レインスーツを着用した。モンベルデビューだ。あんまり嬉しくないけど。しかし、着てしまえば気持ち的には楽だな。どんだけ降ってももうかまわんぜ。えびのから国道221号に入り、えびの高原を迂回するように走って行く。高原から223号線にスイッチする。ちなみに、高原は「たかはる」と読むんだよ。この辺りでは「原」は「はら」ではなく「はる」と読むようだ。宮崎と鹿児島の県境近くにあったガソリンスタンドには「宮崎最後のガソリンスタンド、この先鹿児島までガソリンスタンドはありません」とでかい看板が掲げてあった。まあ、県境なんだから当然だわな。雨の霧島バードラインを走って、霧島温泉郷にたどり着いたのはほとんど17時くらいだった。今日の宿は霧島ホテルだ。霧島温泉郷から更に山奥に進むと、山の上の方に巨大なホテルが見えてきた。それが霧島ホテルだった。

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ちょっと急な坂道を上って玄関前まで行くと、案内係の人がいて、玄関前に止めて下さいというので、屋根の下にバイクを入れて止めた。竜馬の看板がある前だ。荷物を降ろし、カッパを脱いでチェックインの手続きをする。時間的にチェックインする客が多くてちょっと待たされたが、済ませたら、美人のおねーちゃんの案内で部屋まで移動する。「てるてる坊主、かわいいですね~」とここでも大人気だ。「いやーこの雨では全然役立たずですけどね」「台風が来てますからね」なんですと? ちょっと、可愛い顔してライダーの生死に関わるようなニュースを軽く言わんでください。ショックを受ける暇もなく、ねーちゃんはちゃっちゃっと歩いて行く。部屋は遠かった。エレベーターで5階に上がって、そこから更に歩いて、階段を下りて、更に歩いてようやく着いた。あまりの遠さに、おねーちゃんも恐縮してたけど、高級ホテルの安いプランだから文句は言えんな。部屋で荷物を広げて、雨に濡れた荷物を乾かす。一段落したら温泉に入るぞ。

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フロントからは遠いが、温泉はすぐそばなのだよ。階段降りたらすぐだ。ここの温泉は、庭園温泉の混浴なんだが、混浴はまるで期待できないけど、庭園温泉というのがどんなもんか、ちょっと期待して入った。そしたら、人生観が変わるような温泉だった。これまで入った温泉では最強。もうね、これぞ温泉バカ、大バカ温泉バカ。こんな温泉を企画立案して本当に建築しちまうなんて、マジでバカ。まずとにかくケタ違いにでかい広い。でかい広い温泉は数あれど、ここまででかい温泉は見た事がない。しかもそれを巨大なドームのように覆って全天候対応にしているバカさ加減。でかい広い巨大な屋根の下に広がる温泉空間。そして最も深い所で140センチの水深、これはまっちゃん溺れる。子供は溺れるから注意しろと警告看板がある。ジャングルのような木々、滝やら噴水やらもある。その滝もケタ違いな高さと水量、怒濤の水量、大雨直後の華厳の滝並の水量、噴水もジャンボジェットが撃ち落とせそうなくらいな高さまで吹き上がる水量もスゴいので落ちてくるお湯に当ると痛いくらい。ここはすげー。ほんとすげーよ、もうずっとここにいたい。

ずっとここに居たいが、腹も減ったので出た。次は晩飯だ。安いプランなんで料理は小料理店の定食だった。でも量も丁度いいし、美味かった。部屋に戻ってテレビでニュースを見たら、マジで台風4号が襲来していた。あかん。明日明後日にかけて九州に接近、大雨をもたらすので要注意だと? 何てこった、別府で九州上陸の時に、全行程晴天を確信したのは何だったんだ? 全然だめじゃないか。おわりだ。もうおわりだ。もう寝よう。

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