黄砂曇る黄金週間に飛騨臥龍

5月2日(月)

伊豆に行くはずだったんだよ。2泊3日行くはずだったんだよ。ビバ黄金週間で、08年の「伊豆半島温泉三昧」10年の「伊豆半島温泉三昧SS」に続く第3弾。その名も「伊豆半島温泉三昧怒濤編」構想20年制作費用60億円の超大作だったのに、宝くじが当たったらGTRを買おうと思っていたのに、ああ、それなのに、それなのに、天気予報は無情の、広い範囲で雨が降るでしょう、しかも、移動日に相当する初日や最終日ならいざ知らず、肝心の伊豆半島温泉三昧しまくる日にのみ雨が降ると言う、まさしく、致命的なピンポイント攻撃、一撃必殺、週間天気予報なんかアテにならんと思いつつ、決行日が近づいても変わらない予報に、遂に苦渋の決断をせざる得なかったのであった。そう、中止である。雨ぐらいで中止してたらライダーやってらんねーぜ、という意見もあるだろうが、伊豆ツーリングにおいて雨が降るということがどういうことか、04年のレポを読め! あの悪夢が蘇ってくるのだ、おお、オソロしい! 一筋の光が煌めき、破壊と死が世界を覆い尽くす! 神よ、過去、現在、未来の三世を守りたまえ! 伊豆で雨はいやだああああ!

で、伊豆行きはやめてリニア鉄道館に行ったり、とんかつを食いに行ったり、古いバッテリーを処分しに行ったり、猫砂を買いに行ったりした。

で、本当は伊豆から帰ってくるはずの日に、天気が良くなったのでツーリングに行く事にした。何かあんまり盛り上がらんな。そりゃそうだ、泊まりツーリングに行くつもりだったのに、日帰りになっちまったからな。えーっと、行き先をどうするか、いろいろ考えたんだけど、温泉博士はゴールデンウィークに使えない、使えるのは牧歌の里か小斉の湯だけだ。牧歌の湯はもう飽きたし、小斉の湯は蓼科なんで遠い。普通の日ならいいけど、この時期は道路渋滞必須なんで、時間がいつも以上にかかるから、やめといた方が無難だ。あー、どうしようなあ。困ったなあ。どこへ行こうかなあ。そしたら、臥龍桜の情報が耳に入った。なんと、今まさに満開らしい。これは見に行かないかんでしょう。よし、目的地決定、温泉はその近くにある、ひめしゃがの湯でいいな。時間があれば高山見物もしよう。いかにもゴールデンウィークな感じでいいじゃん。では決定。

で、当日は5時に起きて気象庁のサイトで天気予報を確認、晴れだが黄砂が吹くらしい。雨が降らんならいいや。チーズトーストを食って、ほぼ冬装備体勢で準備、実家に行って、コーヒー飲んでけと言うので飲んで、ガレージからCB1300を引っ張りだしてエンジン始動、7時ちょっと過ぎに出撃した。

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まずはガソリン、いつものコスモ石油で満タンにする。この前のサクラ作戦で180キロくらい走って9リットルちょっと入った。カードとレシートを取って、丁度2000円だったので、お、ぴったりじゃん、しかしガソリン、マジで高くなったなーと思いながら、ヘルメットを冠って19号に出た。多治見方面に向かう。ゴールデンウィークの朝にも関わらず、なんだか平日の朝みたいだな、交通量もそこそこあるし、なんか、雰囲気が通勤時間帯みたいなんだけど。で、よく考えたら今日は平日なんだよ。ウチの会社がたまたまゴールデンウィークの連休になってるだけで、カレンダー通りの休みしかない会社は、今日は出勤なんですよ。そうか、そうだったのか。ゴールデンウィークの休みが短い短いとぶーぶー言ってたけど、もっと厳しい環境で仕事をしている人もたくさんいるんだ。文句を言っちゃいけないなあ、と反省するのであった。ぼくって良い子。19号沿いにある運送会社や砕石工場は、今日も仕事のようで、みんないそいそと出勤してきてる。お疲れさまです。交差点では黄色い帽子をかぶった交通安全の係の方が、小学生の登校を見守っている。ああ、そうか、今日は学校もあるのだ。子供たちよ、寸刻を惜しんで学ぶのだぞ。日本の未来は君たちにかかっている。駅の近くに来たら、女子高生がキャッキャいいながら登校してた。けしからんスカートの短さだな、まったく、おとうさんは許しませんよ。といいつつ、鼻の下が長くなるのであった。見とれてたら信号で止まってる前の車にぶつかりそうになった。あせった。

さて、今泉駅を通過して248号線に出た。今日は旧道を走る事にする。深い意味はない。何となくそう思っただけ。ちなみに、今日、CB1300で出撃したのも何となくCB1300の気分だったから。深い意味はない。人生、やってる事に意味を見いだそうとすると不幸が始まる。

旧道を走って行く。可児のマグド通過する。毎回思うのだが、このマグドを通過すると高山までマグドはないんだよ。でも、家を出て30分くらいでもう休憩というわけにはいかんのだよ。原田さん、41号線沿いに、金山が下呂か、マグドを作ってくれよ。そうしないと、この方面を走ってきた時に200円マグドが出来ないよ。

更に進むと可児のユニーは跡形もなく消滅していた。いやー、あんなにでかい施設が見事に消滅して更地になっていた。人間のやることはすごい。それと前後して、とんでもなくまずい店、と黄色い看板を出している店があった。こういうショッキングな看板で客寄せを狙うのは同世代だなあ。

さて、賢明なるサイト訪問者諸君はすでに気がついているだろう。そう、ここまでのツーレポに大きな間違いがひとつある。そして、本人もここまで来たときフッと気がついた。なんかちょっと、引っかかるんだよなあ、さっきのコスモの2000円。ちょうど2000円だ、ピッタンコだとよろこんでたけど、よく考えたら10リットル入ってないのになんで2000円ピッタンコなんだ? おかしいぞ。何かとんでもない事態に巻き込まれたようだ。ヤバいぞ。七宗の道の駅まで来たので、トイレ休憩をかねてバイクを止める。そこで財布の中のレシートを確認すると、案の定、自分の給油のレシートじゃないじゃん! これ、前の人のだよ! なんてこったい! 前もあったなあこんな事、あの時は金額がでかかったからすぐ気がついたけど、こういう金額がビミューな場合は気がつかないよ、って、ちょっと考えればすぐわかるよな。やはりオレの眼は節穴だ。

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道の駅七宗を後にして、41号線を北上する。天気は曇ったまま、というか、なんか視界が濁ってるんですけど、これって黄砂のせいか。電光掲示板では温度は18度から20度くらいなんだが、風がメチャクチャに強いので体感的にはそれほど暖かくない。ほぼ冬装備で正解だった。それにしてもペースが激遅なのだ。普段なら制限速度+ピー(自主規制)キロでカッ飛んで行くこの41号線、よくよく見たら前を走るのはほとんどが他県ナンバーの観光客、それもじいさんばあさんの枯れ葉マーク付き車両ばっか。制限速度尊守の安全運転でタラタラ走って行くのであった。これぞゴールデンウィーク、いたしかたない。

通常、1時間半で到達する飛騨金山に2時間かかった。しかし、その後は多少ペースが上がって、道の駅なぎさには1時ごとには到着できた。相変わらず風は強く、黄色のジェラードののぼりが吹っ飛びそうなくらい風にはためいている。空は相変わらず黄砂で曇ったまま。バイクをよく見たら、細かい砂が大量に付着しているのだった。ぎえー、きったねー、くそ、帰ったら洗車だ洗車! オレ様の美しいCB1300が砂まみれじゃん最悪。シート下に標準装備のボロ切れで砂を払って、ちょっと休憩したらすぐ出発した。

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そこから恐怖の宮峠を越えて、飛騨一ノ宮駅に向かう。宮峠を越えたらサクラが満開だ。ところどころで多少は葉桜もあるが、まだまだ見頃、やはりこっちの方はこれからサクラの時期のようだ。下呂付近の、41号線サクラロードと勝手に命名された地区は、すでに完全葉桜化、目に青葉、山ホトトギス、初がつお、の世界観を再現していたが、ここままだまだ春。臥龍桜が期待できるぜ。いつもの駐車場付近まで行くと、いつものように駐車場案内の人が立っていて、いつものようにバイクは線路沿いに止めるのであった。そこから歩いて数分で臥龍桜の公園なのであった。おお、観光客が満員御礼、出店も繁盛してまんがな。そして肝心の臥龍桜は満開御礼、見事な咲き誇りぶりであった。素晴らしい、やはり臥龍桜は素晴らしい。誰が何といおうと素晴らしい。素晴らしいったらありゃしない。あーこりゃこりゃ。

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薄墨も荘川も確かにいいが、個人的にはこの臥龍桜が一番美しい、凛々しい、清らかで力強い。無惨にも夢と消え去った伊豆ツーリング計画で深くキズついたオレの心を癒してくれるようだ。これが心理学で言うサクラ癒し効果だ。ゆっくり観覧しようと思ったが、立派なデジイチカメラマンがわんさか、コンデジの観光客もうじゃうじゃ、ケータイで撮りまくる人もたくさん。みんな写真撮りまくりだ。むむ、こうなったらこっちも負けじと必至こいて撮影するのであった。一通り撮影したら、腹も減ったし喉も乾いてきた。何かないかと出店に行ったが、高い食いもんばっかりなのでやめた。コーヒーも300円もするし。高い金を払うなら、どうせここまで来たんだから、あそこに行こう。高山と言えば、やはりあそこしかないでしょう。

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というわけで、バイクに戻って高山へ進むのであった。行くのは勿論トランブルー。岐阜が世界に誇るパン屋、トランブルー。久しぶりなんでちょっと道を間違えたが、絶対安全営業時間圏内(ようするにパンの品揃えがほぼ完了している時間)の11時前には到着した。これが12時過ぎたらもう何にもないからな。こういう作戦勝ち的作戦が組めるオレはにわか仕込みのミーハーとはちがうぜ。ふふん、と思って店に行ったら、でかでかと断り書きがしてあった。「ゴールデンウィークはでーら混むもんで焼き上がり時間が狂っても勘弁して下さい。取り置きも勘弁して下さい。お勘定に時間がかかるけど勘弁して下さい云々」などと書いてあり、店の中は既に戦場と化しているのであった。げ、全然作戦勝ちじゃないじゃん。狭い店内には何人もの客がひしめき、パンの争奪戦を繰り広げているのであった。すでに販売台の上に残っているのはパンクズだけだった。それはさながら強者どもが夢の跡、国破れてサンガリアなのであった。一方、店内では店員が拡声器で叫んでいた「押さないでください押さないでください」「お客様は冷静に対処して下さい」「押さないでくださいモノを投げないで下さい」しかし、パンを奪取することに血眼になっている客の群れには全く聞こえていないのであった「きゃー、このパンは私のよー」「なによ私のよー」「これはオレがもらうぞ」「何だとこれはオレのだ」「やるかてめー」「あのパンが欲しい」「このパンが欲しい」「あのパンを取れよ」「きゃーいやーん」そこへ女の子の店員が焼きたてを運んできた。「クロワッサンはいりまーす」「商品は十分にありますから落ち着いて下さい」「きゃー焼き上がりがきたわー」「これは私のよー」殺伐とした群衆に突入する女の子は、哀れみぐるみはがれてしまうのであった。「きゃー、お客様、それはパンでなくて私のパンツですうー」まさしく混迷するニッポンの政局を象徴している。こんな事でいいのかニッポン。そんな戦場の中、1個だけ残っていたチョコドーナツを素早く取り、そして焼きたてのエピが出てきたので素早く取り、速攻で硝煙が舞う店内から脱出する。串に一生を得たぜ。あれ、何か漢字変換がヘンだな。まあいいや、表に出ると、道路は客の車で埋め尽くされていた。そのうちに機動隊が出動して事態の収拾にあたることになるだろう。うーむ、やはり恐るべしトランブルーの人気。岐阜が世界に誇るパン屋だけはあるな。

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さて、いつもならここで、飲み物なしで食うのだが、久しぶりに来たらすぐ近くにローソンが開店していた。これは実にグッドな位置関係だ。トランブルーにも飲み物は売ってるけど、この時期はまだホットが飲みたいライダーは、ローソンでホットコーヒーが買えるのである。で、そこまで歩いて行って、缶コーヒーを買って、再び店に戻ると、店の前で食った。ひっきりなしに行き来する客に見られながら食った。うまい。やはりトランブルーはうまい。最高だ。あっという間に食ってしまい、まだ食い足りないのだが、もう一度あの戦場に戻る気がしなかったので諦めて店を後にした。

それから、せっかくここまで来たので高山中心市街に行く事にした。目的は味噌だ。古い街並にうまい味噌を売ってる店があった事を思い出し、お土産に買っていこうと思ったのだ。ゴールデンウィークだからな。ということで高山陣屋に向う。さすがゴールデンウィークの高山、道路は渋滞、歩道は観光客でごった返しているのであった。高山中心市街で困るのがどこにバイクを止めるかである。以前は陣屋の近くの公園に止める事が出来たのだが、あまりにも多数のバイクが並ぶのが問題になったのか、最近「自動二輪車を止めないで下さい」と看板が立ってしまった。確かに見るに耐えない状況だったもんなあ。と思いつつ、公園前を通ったら、「二輪止めるな」のでかい看板にものともせず、バイクがいっぱい止まってた。うーむ、同じライダーとして何か複雑な気分。最近のライダーは、年齢層も上がってるんだから、もうちょっと分別わきまえた行動をしてもらいたいもんだが、でも止めるところないもんな。仕方がないので、陣屋の自転車置場が空いてたからそこにバイクを止めて、目的の味噌を買いに行った。ばあちゃんの味噌屋さん、場所がうろ覚えだったが、わりと簡単に見つける事が出来た。

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観光客がいっぱいだった。ばあちゃんに、この前買ったうまかったのでまた買いにきたと言ったらよろこんでくれた。その場にいた観光客のおばさん軍団が色目機だった。「え、そんなにおいしいの」「私も買おうかしら」「私も買うわ」で、味噌くれと言ったら、あれ、こんなに種類がたくさんあったっけ? と動揺するくらい、たくさんの種類が並んでいた。この前どれを買ったのかわからん、そう言ったら、ばあちゃんは、味を見ればわかると言って、サンプルの入れ物から爪楊枝でひとつひとつ少量の味噌をつけて差し出した。えー、そんなんわかるんかいなーと思ったが、ばあちゃんはわかるから、ぜったいわかるから、と確信を持った顔で言うのであった。うーむ、長い人生経験に裏付けされた自信に満ちた表情であった。そうか、味見すればわかるんだな、と思ってそれを舐めた。でもどれを舐めてもこの前買ったのがどれなのか全然わからんかった。だってもう何年前の話だよ。憶えてるわけねーじゃん。でも自信に満ちあふれたばーちゃんに「わかんねー」と言って、その自信を喪失させる事態に追い込むわけにはいかなかった。で、よくわかんなかったけど、いちばんおいしかったのを高々と差し上げて、これです、きっとこれですと叫んだ。そしたらばーちゃん、満面の笑みで「ほら、わかったでしょ」と言うのであった。いや、全然わかんないんだけど、ごめんなさい、事態を収拾するのに精一杯でした。で、その味噌を買った。速攻でバイクに戻って高山市街地から脱出する。

あとは温泉だ。41号線を南下、ひめしゃがの湯に入って帰って来た。

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砂まみれのバイクを洗わないかんなあ。

本日の出費

トランブルー 380円

缶コーヒー 110円

味噌 870円

温泉 500円(割引券使用)

ダブルエスプレッソ 168円

CB1300の本日の走行距離 310キロくらい

CB1300の累計の走行距離 53300キロくらい

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